2026 02 21

日本一長いアーケード商店街が示す「地方都市の未来」

― 高松中央商店街・空き店舗率14.9%が意味するもの ―

県外から香川県に来られた方がまず驚かれることがあります。

それは、高松市中心部の“都市力”です。

そしてもう一つが、街のど真ん中に堂々と横たわる、日本一長いアーケード商店街の存在です。

総延長約2.7km。
8つの商店街で構成される高松中央商店街。
約1,000店舗が軒を連ね、平日約13万人、休日約14万人という四国トップクラスの通行量を誇ります。

「地方都市なのに、なぜこんなに人がいるのか?」

移住検討者や出張で訪れた方が、必ずと言っていいほど口にする言葉です。


空き店舗率14.9% ― 過去20年で最も低い水準

2025年12月末現在の調査結果が発表されました。

総店舗数1,036店舗のうち、空き店舗は154店舗。
空き店舗率は14.9%。

半年前より20店舗減少し、1.9ポイント改善。
2012年12月調査以来、最も低い水準となりました。

特に注目すべきはエリア差です。

  • 丸亀町:7.8%(最も低い)
  • 常磐町:24.7%(最も高い)
  • 片原町東部:23.2%

同じ一本のアーケード内でも、街区ごとに明暗が分かれています。

しかし全体としては、確実に“改善傾向”にあります。

これは偶然ではありません。


商店街衰退の歴史と、その逆風

かつて日本全国の商店街は衰退しました。

1991年、日米構造協議を契機とした大店法運用緩和。
大型ショッピングセンターが郊外に次々と進出しました。

車社会の進展とともに、買い物客は郊外へ。

中心市街地は空洞化し、百貨店も閉店。
地方都市の顔とも言える商店街は急速に活気を失いました。

その後、中心市街地活性化法が制定されましたが、多くの地域では流れを止めることはできませんでした。

そんな中で、高松丸亀町商店街は「逆転の発想」に挑みます。


高松丸亀町の挑戦 ― 土地所有権を守りながら再開発

1988年、開町400年祭を機に再開発構想が始動。

最大の特徴は、土地所有権に手をつけない共同開発スキームでした。

城下町時代から続く短冊状の土地をそのまま活かし、
地権者が共同でビルを建設。
地権者自らが設立した「まちづくり会社」が取得・運営する。

いわば「住民がデベロッパーになる」仕組みです。

2006年、A街区竣工。
高さ22mの新アーケード整備。
直径25m、高さ32.2mのドーム広場誕生。
その後C街区、G街区と整備が進みました。

商店街の上層階にはマンションが整備され、

「玄関を出たらすぐ三越」

という都市型ライフスタイルが実現しました。

さらに診療所を併設し、在宅医療にも対応。
商店街は“買い物の場”から“暮らしの場”へと進化したのです。


丸亀町は「消費の場」から「第三の場所」へ

丸亀町壱番街前ドーム広場は、今や高松の象徴です。

イベント、待ち合わせ、憩いの場。

単なる商業空間ではありません。

商店街の再生で重要なのは、

  • デザイン
  • ビジネス
  • 事業スキーム

この三位一体。

さらに重要なのは「人が滞在する空間」を作ることでした。

消費だけでなく、
交わり、創造し、滞在する場所。

いわば“クリエイティブ・タウン”の形成です。


北と南で異なる顔

高松中央商店街は、エリアごとに性格が異なります。

北側(丸亀町周辺)

・ルイ・ヴィトン
・ロレックス
・ティファニー
・ノースフェイス直営店
・全国チェーン店
・日本一の高さのドーム

洗練された都市型エリア。

南側(南新町・常磐町・田町)

昔ながらの庶民的店舗が増えるエリア。

ライオン通り

夜も賑わう飲食店街・歓楽街。

この多様性こそが、空き店舗率改善の鍵でもあります。

均一化しない。
エリア特性を活かす。

それが持続性を生んでいます。


なぜ高松は復活できたのか?

最大の理由は、

「住む」機能を組み込んだこと

です。

商店街の上に住宅を整備。
医療・福祉機能を導入。
地域産業と連携したライフスタイルショップを展開。

消費依存型から、生活基盤型へ。

これは地方都市再生の一つの完成形とも言えます。


不動産・移住の視点から見る高松

香川県への移住相談でよくある声があります。

「地方は車がないと不便ですよね?」

確かに郊外は車社会です。

しかし、高松中心部に住めば話は変わります。

徒歩圏で買い物・医療・金融・公共機関が揃う。
平日も休日も人通りが安定している。
夜も一定の賑わいがある。

地方でありながら、都市機能が凝縮されている。

これは全国的に見ても稀有な存在です。


「地方は衰退する」は本当か?

高松中央商店街の空き店舗率14.9%という数字は、

単なる統計ではありません。

それは、

地方都市が“再生可能”である証明

です。

もちろん課題は残ります。
常磐町や片原町東部の改善は道半ばです。

しかし全体が改善しているという事実は大きい。


これからの地方都市の可能性

中心市街地は、

単なる商業空間ではなく、

イノベーションの場。

クリエイティブな人材が集まり、
地域資源を活かした産業が生まれ、
暮らしと仕事が近接する。

高松丸亀町は、その先行モデルです。


まとめ ― 商店街は街の未来図

空き店舗率14.9%。

この数字は、高松の底力を示しています。

地方だから衰退するのではない。
仕組みと意思があれば、再生できる。

移住を考える方にとっても、
投資を考える方にとっても、
事業を始めたい方にとっても、

高松中央商店街は

「地方都市の未来モデル」

と言えるのではないでしょうか。

これからの高松がどう進化していくのか。

引き続き注目していきたいと思います。

◻︎◻︎出典:KSB 瀬戸内海放送 「日本一長いアーケード」高松中央商店街 12月の空き店舗率14.9% 過去20年で最も低く 丸亀町7.8%、常磐町24.7%など
     https://news.ksb.co.jp/article/16368381

     Mediall 長さと高さが日本一!高松中央商店街を散策してみた|香川県高松市
     https://mediall.jp/landmark/114272

【本日の一曲】
Janet Jackson – You Want This

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