2026 01 12

二十歳の集い(成人式)は20歳、成人は18歳──はて?

「成人は18歳です」
そう聞いても、どこか腑に落ちない感覚を持っている人は多いのではないでしょうか。

なぜなら、ニュースでは「18歳で成人」と言われる一方で、
多くの自治体では今も二十歳の集い(成人式)は20歳で行われていますし、
お酒やタバコも20歳のままだからです。

いったい何が変わって、何が変わっていないのか。
そして、そもそもなぜ法律上の成人年齢は18歳に引き下げられたのか

今回は、2022年4月に施行された「成年年齢引き下げ」について、
制度の背景と実生活への影響を整理してみたいと思います。


成年年齢はいつから、どう変わったのか?

日本では、明治時代に民法が制定されて以来、
“約140年間「成人=20歳」”というルールが続いてきました。

この長年のルールが変わったのが、
2022年4月1日です。

この日を境に、民法上の成年年齢は
20歳 → 18歳へと引き下げられました。

これにより、

  • 2022年4月1日時点で18歳・19歳だった人
  • 2004年4月2日以降に生まれ、18歳を迎える人

は、”18歳の誕生日から「法律上の成人」”となっています。


なぜ18歳が「成人」になったのか?

背景にあるのは、若者の社会参加を早める流れです。

すでに日本では、

  • 選挙権年齢
  • 憲法改正国民投票の投票権

が18歳に引き下げられていました。

「国の重要な判断に参加できる年齢なのだから、
民法上も“大人”として扱うのが自然ではないか」

こうした考え方から、
市民生活の基本ルールである民法も見直され、
成年年齢が18歳に引き下げられたのです。

ちなみに、世界的に見ても
成年年齢を18歳とする国が多数派であり、
日本も国際基準に近づいた、と言えます。


成人式が20歳のままなのはなぜ?

ここで多くの人が感じるのが、この疑問です。

「法律では18歳が成人なのに、
 なぜ成人式は20歳なの?」

理由は、かなり現実的です。

18歳という年齢は、多くの人が

  • 高校3年生
  • 大学受験・就職活動の真っ只中

にあたります。

この時期に成人式を行うと、
受験や進路と重なり、参加が難しくなる人が多い。

そのため多くの自治体では、
従来通り20歳前後での開催を選択しています。

つまり成人式は、
「法律上の成人」を祝う場というより、
**人生の節目を祝う“文化的行事”**として残っている、
と考えると分かりやすいかもしれません。


成年になると、何ができるようになる?

成年年齢の引き下げで、
18歳からできるようになったことは意外と多くあります。

民法でいう「成年」とは、簡単に言えば、

  • 一人で契約できる
  • 親の親権から外れる

という意味を持ちます。

18歳からできること(一例)

  • 親の同意なしで契約ができる
    • 携帯電話の契約
    • クレジットカードの作成
    • ローンを組む
    • 一人暮らしの部屋を借りる
  • 10年有効のパスポート取得
  • 公認会計士、司法書士、医師などの国家資格取得
  • 結婚(男女ともに18歳以上に統一)

進学、就職、住む場所の選択など、
人生の重要な決定を自分の意思で行えるようになります。


それでも20歳にならないとできないこと

一方で、成年年齢が18歳になっても、
変わらなかったものもあります。

  • 飲酒
  • 喫煙
  • 競馬・競輪など公営ギャンブル
  • 養子を迎える
  • 大型・中型自動車免許の取得

これらはすべて20歳以上のままです。

健康への影響や、青少年保護の観点から、
年齢制限は維持されました。

このため、

「成人だけどお酒は飲めない」
「大人だけどタバコは吸えない」

という、少し不思議な状態が生まれています。


本当に注意すべきなのは「契約」

成年年齢引き下げで、
最も注意すべきポイントは契約です。

未成年の場合、
親の同意なしで結んだ契約は
「未成年者取消権」により取り消すことができました。

しかし、18歳で成人になると、この保護はなくなります。

つまり、

  • 契約するかどうかを決めるのも自分
  • その結果に責任を負うのも自分

という状態になります。

社会経験が少ない18歳・19歳を狙った
悪質な契約トラブルが増えることは、
制度改正前から指摘されていました。


不動産やローンとも無関係ではない

たとえば、

  • 一人暮らしの賃貸契約
  • ローン契約
  • 高額商品の分割払い

これらはすべて「契約行為」です。

特に不動産は、

  • 契約内容が複雑
  • 金額が大きい
  • 長期間の責任が発生する

という特徴があります。

さらに、不動産売買に関連する民法(債権法)は、
2020年4月1日に約120年ぶりの大改正が行われています。

社会全体として、
「契約を理解し、自己責任で判断する力」が
これまで以上に求められる時代になっているのです。


18歳成人は「自由」と「責任」が同時に来る

成年年齢の引き下げは、
単に年齢が2年早まった、という話ではありません。

  • 自由に選べる範囲が広がる
  • 同時に、守ってくれる仕組みが一つ減る

この二つが同時にやってくる制度変更です。

だからこそ、

  • 契約とは何か
  • リスクとは何か
  • 分からない時に誰に相談するか

こうした知識を、
未成年のうちから学んでおくことが重要になります。


「ややこしい」のは、移行期だからこそ

成人=20歳という感覚が
長年染みついてきた日本社会にとって、
18歳成人はまだ“移行期”にあります。

成人式が20歳のままなのも、
お酒やタバコが20歳なのも、
ある意味では「急に変えすぎないための調整」と言えるでしょう。

ただ一つ確かなのは、
18歳から「社会的に大人」として扱われる時代が
すでに始まっている、ということです。

制度を知ることは、
自分を守るための第一歩。

「大人になる」ということの意味を、
改めて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

◻︎◻︎出典:政府広報オンライン 18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。
     https://www.gov-online.go.jp/article/201808/entry-7947.html

【本日の一曲】
ピーナッツくん – Small Soldiers feat. PUNPEE

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