2026 03 18

2026年 地価公示発表 ― 香川県の地価が35年ぶりに上昇した意味とは

2026年3月17日、国土交通省から「地価公示」が発表されました。土地の取引価格の目安として毎年注目されるこのデータですが、今年の発表では香川県にとって大きなトピックがありました。

それは、香川県の全用途平均の地価変動率が35年ぶりに上昇したという点です。1991年以来、長い間下落または横ばいが続いていた香川県の地価が、ついに上昇に転じたことになります。

不動産に関わる仕事をしている立場から見ても、今回の結果は非常に象徴的な出来事と言えるでしょう。今回は、この2026年の地価公示の内容と、その背景、そして今後の香川県の不動産市場について考えてみたいと思います。


地価公示とは何か

まず、「地価公示」とはどのような制度なのかを簡単に整理しておきます。

地価公示とは、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の土地価格を公表する制度です。全国の標準的な土地(標準地)を選び、不動産鑑定士の鑑定評価をもとに1平方メートルあたりの価格を算定します。

この価格は、

・一般の土地取引の目安
・公共事業用地の取得価格の基準
・土地取引の適正価格の判断材料

など、さまざまな場面で利用されます。

簡単に言えば、「その地域の土地の適正な価格の指標」となるものです。土地の売買を考えている方、不動産投資を検討している方、住宅購入を考えている方にとっても重要なデータとなります。


香川県の地価が35年ぶりに上昇

2026年の地価公示では、香川県の全用途平均変動率が0.1%上昇となりました。前年は横ばいだったため、わずかな上昇ではありますが、1991年以来35年ぶりのプラスという大きな意味を持つ結果です。

四国全体で見ると、依然として平均はマイナス圏ではあるものの、下落幅は縮小しています。地方都市でも地価の底打ちが見え始めているという状況です。

その中で香川県が上昇に転じた背景には、いくつかの要因があります。

大きなポイントは、高松市中心部の再開発と人の流れの変化です。


高松市中心部の地価が上昇

今回の公示地価で注目されたのが、高松市中心部の地価です。

住宅地で最も高かったのは

高松市番町3丁目
1㎡あたり30万7000円(前年比+4.1%)

となりました。

番町エリアは県庁や行政機関、学校などが集まる高松市の中心住宅地です。利便性の高さや落ち着いた住環境から、以前から人気の高いエリアですが、今回も住宅地の価格・変動率ともに県内トップとなりました。

また商業地では、

高松市磨屋町
1㎡あたり48万6000円

が最高価格となっています。

中央通り周辺はオフィスビルや商業施設が集まる高松の中心ビジネスエリアです。近年はホテルや分譲マンションの需要も高まり、土地の価値が維持されています。

さらに、商業地の上昇率が最も高かったのは

高松市丸亀町(+3.7%)

でした。

丸亀町商店街は再開発によって全国でも成功例として知られる商店街で、近年も人の流れが戻りつつあります。


地価上昇の背景 ― サンポート開発

今回の地価上昇の大きな要因として挙げられているのが、サンポート高松エリアの開発です。

特に大きな出来事が

あなぶきアリーナ香川の開館(2025年)

です。

アリーナ開館により、

・イベント開催
・観光客増加
・宿泊需要
・飲食店需要

など、さまざまな経済効果が生まれています。

さらに、瀬戸内国際芸術祭の開催も重なり、高松駅周辺やサンポート地区の集客力が高まっています。

その結果、

・ホテル用地
・マンション用地
・商業施設用地

などの需要が高まり、地価の上昇につながったと分析されています。

都市に人が集まり、土地の価値が上がる。これは全国の都市でも共通する動きです。


進む「地価の二極化」

ただし、今回の結果で見逃してはいけないポイントもあります。

それは、地価の二極化です。

市町別に見ると、

・高松市は上昇
・丸亀市は横ばい
・その他の市町は下落

という結果になっています。

つまり、

中心都市は上昇、その他地域は下落

という構図です。

専門家も

「高松市中心部に人が集まる傾向が続き、郊外との差はさらに開く」

と分析しています。

これは全国的にも同じ傾向です。

人口減少社会の中では、

・利便性が高い場所
・仕事がある場所
・生活環境が整っている場所

に人が集中します。

その結果、土地の価値も同じように集中していきます。


全国の地価動向

ちなみに全国の地価動向を見ると、

・全用途平均
・住宅地
・商業地

いずれも5年連続で上昇しています。

特に上昇が目立つのは、

・東京圏
・大阪圏
・観光地
・再開発エリア

などです。

また最近は、

・リゾート地
・移住人気エリア

でも地価上昇が見られています。

リモートワークの普及により、都市から地方へ移住する動きもあり、住宅需要が増えている地域もあります。

ただし地方全体で見ると、依然として人口減少の影響は大きく、すべての地域で地価が上がっているわけではありません。


不動産を考えるうえで大切なこと

今回の地価公示から見えてくることは、

「どこでも土地の価値が上がる時代ではない」

ということです。

重要なのは、

・立地
・利便性
・人口動向
・再開発
・交通アクセス

などの要素です。

これらがそろった場所は地価が上がりやすく、そうでない地域は下落が続く可能性があります。

不動産購入や売却を考える際には、単純に価格だけで判断するのではなく、

「そのエリアが今後どうなるのか」

という視点がとても重要になります。


まとめ

2026年の地価公示では、香川県の地価が35年ぶりに上昇するという大きなニュースがありました。

その背景には、

・サンポート地区の再開発
・あなぶきアリーナ香川の開館
・観光イベントの影響

などがあります。

一方で、

・中心部は上昇
・郊外は下落

という地価の二極化もはっきりしてきました。

これからの不動産市場では、

「どのエリアを選ぶか」

がこれまで以上に重要になっていくでしょう。

土地や住宅の購入・売却を考える際には、こうした地価動向をしっかり理解して判断することが大切です。

地価はその地域の未来を映す鏡とも言われます。今回の地価公示は、香川県の都市構造や人の流れの変化を示す、大きな転換点の一つと言えるのかもしれません。

◻︎◻︎国土交通省 都道府県別・用途別対前年平均変動率
  https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001987360.pdf

【本日の一曲】
Amaro Freitas – Y’Y

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