創エネの現状
やはり太陽光発電は有利なのか?
近年、住宅や不動産の分野でも「創エネ」という言葉を聞く機会が増えてきました。
電気代の高騰、環境意識の高まり、そして国の政策などが重なり、再生可能エネルギーは一つの大きなテーマとなっています。
その中で代表的な存在といえば
・太陽光発電
・風力発電
・水力発電
・地熱発電
・バイオマス発電
などがあります。
しかし最近、風力発電の現場では少し気になるニュースが出ています。
それは「風車の大量廃止」という話題です。
今回は、風力発電の現状と、住宅分野で主流となっている太陽光発電の優位性について、現場目線で整理してみたいと思います。
風力発電の現実
10年で420基以上が廃止
報道によると、国内の風力発電施設はこの10年間で420基以上が廃止されました。
特に直近の5年間にその約8割が集中しているといいます。
なぜ、これほど多くの風車が姿を消しているのでしょうか。
その大きな理由は次の2つです。
①耐用年数の到来
風力発電の一般的な耐用年数は約20年とされています。
2000年代に建設された風車が、ちょうどその寿命を迎え始めているのです。
②FIT制度の終了
再生可能エネルギーの普及を後押しした制度に
「固定価格買取制度(FIT)」があります。
これは
「発電した電気を20年間、一定の価格で買い取る」
という制度です。
しかし、この20年の期間が終わると
・売電価格が大幅に下がる
という現実が待っています。
つまり
「設備は古くなり修繕費がかかる」
「売電収入は減る」
という二重の問題に直面するわけです。
自治体の風車も赤字へ
実際の事例を見てみましょう。
鳥取県大山町では、
・建設費:約4億4,000万円
・年間売電収入:約4,000万円
という風車を運用していました。
しかし
・FIT終了で売電額が半減
・修繕費が3,500万円以上
という状況になり、廃止を決断。
さらに
・撤去費:約1億円
もかかることになりました。
別の自治体でも
「修繕しても赤字になる」
という理由で廃止が相次いでいます。
つまり
風力発電は“作ったら終わり”ではなく、維持コストが非常に大きい設備
だという現実が浮き彫りになっています。
安全面の問題も浮上
風車の廃止理由は、経済性だけではありません。
経済産業省の調査では、
過去5年間で約200件の事故が発生しています。
さらに2024年には
・風車の羽根が落下
・近くにいた男性が死亡
という重大事故も起きました。
老朽化すると
・部品の入手が困難
・修理費が高額
・安全リスクが増大
という問題が出てきます。
こうした背景もあり、
自治体や事業者が撤去を選択するケースが増えているのです。
太陽光発電との大きな違い
ここで、住宅分野で主流となっている
太陽光発電の特徴を見てみましょう。
太陽光発電は、風力とは構造が大きく異なります。
最大の特徴は「可動部分がない」こと
風力発電は
・羽根が回転する
・発電機が回る
・機械部品が多い
という「機械装置」です。
一方、太陽光発電は
・半導体パネルで発電
・回転部品なし
という「電子装置」です。
この違いが、長期的な運用コストに大きく影響します。
太陽光発電が有利な理由
①故障リスクが低い
可動部分がないため
・摩耗
・振動
・機械トラブル
がほとんどありません。
そのため、風力発電に比べて
故障リスクは圧倒的に低くなります。
②長寿命
太陽光パネルは
・25〜30年以上の使用実績
があります。
しかも、突然止まるのではなく
徐々に発電量が低下する仕組みなので
長期間安定した運用が可能です。
③メンテナンスが簡単
基本的には
・定期点検
・簡単な清掃
程度で運用できます。
風車のように
・高所作業
・大型機械の交換
などは必要ありません。
この違いは、
長期的なコストに大きく影響します。
④設置の自由度が高い
太陽光は
・住宅の屋根
・工場の屋上
・空き地
など、さまざまな場所に設置できます。
一方、風力発電は
・強い風が吹く場所
・広い敷地
・周辺環境への配慮
などの条件が必要です。
つまり、住宅分野では
太陽光の方が圧倒的に現実的な選択肢
と言えます。
不動産・住宅目線で見る創エネ
不動産の現場で感じるのは、
「創エネ設備は資産価値に直結する時代になった」
ということです。
特に最近は
・電気代の高騰
・ZEH住宅の普及
・補助金制度
などの影響で、
太陽光付き住宅の人気は確実に上がっています。
一方で、重要なのは
「設備の寿命と維持コスト」です。
今回の風力発電のニュースは、
まさにその現実を示しています。
創エネ設備は「長く使えるか」が重要
創エネ設備を導入する際に大切なのは
次の3つです。
① 初期費用
② メンテナンス費用
③ 寿命
このバランスが崩れると
・赤字運用
・撤去費用の負担
といった問題が出てきます。
風力発電の廃止が相次いでいるのは、
このバランスが崩れた結果とも言えるでしょう。
これからの住宅と創エネ
住宅分野では今後、
・太陽光発電
・蓄電池
・電気自動車(EV)
などを組み合わせた
「自宅で電気を作って使う生活」
が主流になっていくと考えられます。
特に地方では
・屋根面積が広い
・日照条件が良い
という住宅が多く、
太陽光発電との相性は非常に良いです。
まとめ
やはり太陽光は住宅向きの創エネ
今回の風力発電の事例から見えてくるのは、
・大型設備は維持コストが大きい
・寿命と制度の影響を強く受ける
という現実です。
一方で太陽光発電は
・可動部なし
・長寿命
・低メンテナンス
・住宅と相性が良い
という構造的な強みがあります。
創エネ設備は
「流行」ではなく
「長く使えるかどうか」
で判断することが重要です。
これから住宅を建てる方や購入する方は、
太陽光発電を含めたエネルギー計画も、
資産価値の一部として考えてみるとよいかもしれません。
◻︎◻︎出典:読売新聞 「風力発電」稼げず、10年間に風車420基以上が廃止…迫る耐用年数・FIT期間過ぎ売電額半減
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260212-GYT1T00128/
【本日の一曲】
Polo & Pan – Ani Kuni
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