2026 03 02

【令和8年4月1日開始】住所等変更登記の義務化とは?2年以内の手続きと過料5万円に注意

令和8年4月1日から「住所等変更登記の義務化」がスタートします。
これは、不動産を所有しているすべての方に関係する大きな制度改正です。

すでに令和6年4月1日から始まっている「相続登記の義務化」と同様、全国で深刻化している「所有者不明土地問題」を解決するための重要な施策のひとつです。

「住所変更なんて今までしていなかった」
「登記簿の住所が昔のままかもしれない」

そう思われた方は、ぜひ最後までご確認ください。


住所等変更登記の義務化とは?

令和8年4月1日以降、不動産の所有者(登記名義人)は、住所や氏名・名称に変更があった場合、変更日から2年以内に登記申請を行うことが義務になります。

これは不動産登記法第76条の5に定められた法的義務です。

■ 義務化のポイント

  • 住所・氏名(法人は名称・本店所在地)変更から 2年以内に登記
  • 正当な理由なく怠ると 5万円以下の過料
  • 義務化前の変更も対象
  • 「スマート変更登記」により手続き簡略化

特に注意が必要なのは、「過去の変更も対象」になる点です。


義務化前の変更も対象になる?

はい、なります。

令和8年4月1日より前に住所や氏名を変更している場合でも、変更登記をしていない場合は義務の対象です。

その場合の期限は、

令和10年3月31日まで

この日までに変更登記を済ませる必要があります。

つまり、

・昔引っ越したまま登記を変えていない
・結婚で姓が変わったが登記をしていない

こういったケースもすべて対象になります。


なぜ義務化されるのか?背景にある「所有者不明土地問題」

現在、日本では「所有者不明土地」が大きな社会問題となっています。

所有者不明土地とは?

次のいずれかの状態にある土地です。

  1. 登記簿を見ても所有者がすぐ分からない
  2. 所有者が分かっても所在不明で連絡がつかない

その面積は、九州と同程度(全体の2割もあるらしい)とも言われています。

所有者が分からないことで、

  • 公共事業が進まない
  • 災害復旧が遅れる
  • 土地活用ができない
  • 放置により近隣トラブルが発生

など、多くの問題が生じています。

その大きな原因が

・相続登記未了
・住所等変更登記未了

この2つです。

そこで、令和3年の法改正により、これらが義務化されました。


違反するとどうなる?過料の流れ

正当な理由なく義務を怠った場合、5万円以下の過料の対象になります。

ただし、いきなり裁判所に通知されるわけではありません。

流れ

  1. 登記官が義務違反を把握
  2. 本人に催告(期限付き通知)
  3. 応じなければ裁判所へ通知
  4. 裁判所が過料を判断

つまり、すぐ罰金というわけではありませんが、「放置すればリスクがある」制度です。


「正当な理由」とは?

以下のような事情がある場合は、過料対象とならない可能性があります。

  • 行政区画変更による住所変更
  • 重病などやむを得ない事情
  • DV被害などで避難中
  • 経済的困窮
  • 検索用情報の申出を済ませている

ただし、個別判断となるため注意が必要です。


手続きは難しい?「スマート変更登記」とは

今回の制度では、負担軽減のために

「スマート変更登記」

という仕組みが導入されます。

個人の場合

「検索用情報の申出」を一度行えば、

  1. 法務局が住基ネットで変更確認
  2. 本人へメール確認
  3. 職権で登記

という流れで、自動的に変更登記が行われます。

しかも、

申出は無料・Webで可能・電子証明書不要

という手軽さです。


法人の場合は?

法人は「会社法人等番号」を登記しておけば、

商業登記の変更情報が自動連携され、
不動産登記も職権で変更されます。

番号未登記の場合は、別途手続きが必要です。


海外居住者は要注意

海外に居住している個人や、会社法人等番号のない法人は、法務局側で変更確認ができません。

そのため、

変更があった場合は 自ら申請が必要 です。


こんな方は今すぐ確認を

□ 登記簿の住所が昔のまま
□ 結婚後に氏名変更登記をしていない
□ 法人で本店移転後、登記未対応
□ 相続で名義変更したがその後引っ越した

一つでも当てはまる方は要チェックです。


相談先はどこ?

登記申請の代理ができるのは、

  • 司法書士
  • 弁護士

のみです。

法務局でも20分以内の無料手続案内(予約制)があります。

ご自身での手続きが不安な場合は、専門家へ相談するのがおすすめです。


まとめ|放置せず、今のうちに確認を

住所等変更登記の義務化は、

「知らなかった」では済まされない制度です。

しかし、

・スマート変更登記の活用
・期限内の対応

をすれば、決して難しいものではありません。

相続登記の義務化に続き、
不動産の管理責任はより明確になっていきます。

ご自身の大切な資産を守るためにも、

まずは登記簿の住所が最新かどうか、
一度確認してみてはいかがでしょうか。

制度開始まであとわずか。

今から準備しておけば安心です。

◻︎◻︎法務局 住所等変更登記の義務化 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html

【本日の一曲】
Art Blakey & The Jazz Messengers – New World

◻︎◻︎せとうち不動産 https://setouchi-fudosan.com/◻︎◻︎