「空き家=問題」ではない
スウェーデン人のリノベから学ぶ、“見方を変える力”
最近、界隈で話題になっている、スウェーデン人による東京・三軒茶屋のリノベーション。
築86年、再建築不可という、一般的には「敬遠されがちな物件」を、約2100万円で購入し、自らDIYでリノベーション。
北欧と日本の文化を融合させた空間に生まれ変わらせ、今では快適に暮らしている。
この事例を見て、改めて強く感じたことがあります。
「同じものでも、見方が変わると全く別の価値になる」
そしてこれは、不動産、特に今問題視されている「空き家」において、非常に重要な視点だと思います。
空き家は本当に“問題”なのか?
日本では現在、空き家が900万戸以上あると言われています。
人口減少・高齢化・相続問題などが絡み、「社会問題」として扱われることが多いテーマです。
実際、現場でも
・管理されていない
・老朽化している
・売れない
・貸せない
といった「マイナス要素」として語られることがほとんどです。
ただ、今回の事例のように、海外の視点から見るとどうでしょうか。
・古い木材の質感
・畳や障子、欄間などの意匠
・経年による味わい
・自由に変えられる余白
こういったものが「価値」として見られています。
つまり、
日本では“問題”とされているものが、海外では“魅力”になっている。
このギャップは非常に興味深いところです。
新築が当たり前の国、日本
なぜこうした認識の違いが生まれるのか。
ひとつは、日本の「新築信仰」です。
日本では長らく
・新築が一番価値が高い
・中古は価値が落ちる
という考え方が主流でした。
これは金融機関・ハウスメーカー・消費者の三者の利害が一致していたことが大きいです。
・銀行:新築の方が融資しやすい
・メーカー:規格化して大量供給しやすい
・消費者:新築=ステータス
結果として、日本の住宅市場は「新築をつくって売る」ことに最適化されてきました。
ただ、その副作用として
・似たような間取り
・似たような内装
・個性のない住宅
が増えていったのも事実です。
一方、海外では「直しながら住む」が当たり前
今回のスウェーデン人の事例でも象徴的ですが、海外では
「家は買って終わりではなく、育てていくもの」
という考え方が一般的です。
築100年、200年の住宅をリノベーションしながら住み続ける。
DIYも文化として根付いている。
つまり、
・古い=価値がない
ではなく
・古い=手を入れる余白がある
という考え方です。
これは、日本とは真逆の価値観です。
空き家は「安いから良い」わけではない
ただし、誤解してはいけないのは、
空き家=簡単にお得に住める魔法の選択肢ではない
ということです。
実際の現場では
・耐震補強
・断熱性能の改善
・配管や電気の更新
・シロアリ対策
・残置物の処分
など、見えないコストが多く発生します。
今回の事例でも、リノベーション費用は1000万円以上かかっています。
また、
・再建築不可
・接道条件
・権利関係
といった法的な制約も多く、誰にでも扱えるものではありません。
つまり、空き家は
「安い代わりに、リスクと手間を引き受ける商品」
とも言えます。
それでも面白いと思う理由
それでもなお、私はこの分野はとても面白いと思っています。
理由はシンプルで、
「選択肢が広がるから」
です。
今の住宅市場は
・新築:高い
・中古:そこそこ
という二択になりがちですが、
そこに
・空き家+リノベーション
という第三の選択肢が入ることで、
・コストを抑えられる
・自分らしい住まいが作れる
・資産の活用ができる
といった可能性が生まれます。
不動産は「見方」で価値が変わる
今回の事例の本質はここだと思います。
不動産は、見方次第で価値が変わる。
・再建築不可 → 価値が低い
・古い → 価値が低い
ではなく、
・再建築不可 → 希少性がある
・古い → 素材として面白い
と捉えることもできる。
これは、業界にいると本当によく感じます。
同じ物件でも
「やめた方がいい」と感じる人もいれば
「面白い」と感じる人もいる。
この差は、知識や経験だけでなく、価値観の違いです。
これからの時代の住まい選び
これからの時代、
・住宅価格の上昇
・金利の上昇
・人口減少
といった流れの中で、
「とりあえず新築」という選び方は、少しずつ変わっていくと思います。
その中で大事なのは、
「自分にとって何が正解か」を考えること。
・コストを抑えたいのか
・立地を優先したいのか
・デザインにこだわりたいのか
・資産性を重視するのか
その答えによって、選ぶべき物件は変わります。
最後に
空き家は確かに問題でもあります。
ただ同時に、大きな可能性も秘めています。
今回のスウェーデン人の事例は、
「価値は与えられるものではなく、見出すもの」
ということを教えてくれます。
不動産においても同じです。
・新築か中古か
・高いか安いか
だけでなく、
「どう活かすか」
という視点を持つことで、選択肢は一気に広がります。
空き家というテーマも、悲観するだけでなく、
ひとつの可能性として捉えてみると、見える景色が変わるかもしれません。
◻︎◻︎PRESIDENT Online 億超え新築よりいい…三軒茶屋の一軒家90平米を2100万円で買ったスウェーデン人絶賛「日本の空き家」の潜在力
https://president.jp/articles/-/110251?page=1
【本日の一曲】
Moodymann – Prince DJ Set
◻︎◻︎せとうち不動産 https://setouchi-fudosan.com/◻︎◻︎