2026 03 11

南海トラフ地震について改めて考える

〜3月11日に思う防災の大切さ〜

昨日、気象庁から
「南海トラフ沿いにおける地殻変動監視の強化について」
という発表がありました。

そして本日3月11日は、東日本大震災が発生した日です。

毎年この日になると、震災の記憶を思い出し、防災について考える方も多いのではないでしょうか。
今回はこのタイミングでもありますので、南海トラフ地震について、そして地震への備えについて改めて考えてみたいと思います。


南海トラフ地震とは

南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけての海底にある「南海トラフ」と呼ばれる溝状の地形で発生する巨大地震です。

この地域では、海側にあるフィリピン海プレートが、陸側のユーラシアプレートの下へと沈み込んでいます。
プレートは毎年数センチというゆっくりとした速度で動いていますが、境界部分では強く固着しているため、長い年月をかけて大きな「ひずみ」が蓄積されていきます。

そして、限界に達したときにプレートが一気に跳ね上がることで発生するのが南海トラフ地震です。

このメカニズムは周期的に繰り返されるため、南海トラフ地震は歴史的にも約100〜150年の間隔で発生してきました。


過去に発生した南海トラフ地震

歴史を振り返ると、南海トラフでは何度も巨大地震が発生しています。

代表的なものとしては、

・宝永地震(1707年)
・安政東海地震(1854年)
・安政南海地震(1854年)
・昭和東南海地震(1944年)
・昭和南海地震(1946年)

などがあります。

特に近年では、
1944年に「昭和東南海地震」、
1946年に「昭和南海地震」が発生しました。

この2つの地震は約2年の時間差で発生しており、南海トラフ地震は必ずしも一度にすべての領域が動くわけではなく、時間差で連続して発生する可能性があることが知られています。

例えば1854年には、
安政東海地震が発生した32時間後に安政南海地震が発生しました。

つまり南海トラフ地震は

  • 同時に広範囲で発生する場合
  • 東側と西側に分かれて発生する場合
  • 数時間後〜数年後に続発する場合

など、発生パターンが一つではないことがわかっています。


2026年は昭和南海地震から80年

2026年は、1946年に発生した昭和南海地震から80年の節目の年です。

南海トラフ地震はおおむね100〜150年周期で発生してきたとされていますが、
現在は前回の地震からすでに約80年が経過しています。

そのため専門家の間では、
「次の南海トラフ地震の切迫性が高い状態」
と指摘されています。

もちろん、明日発生するのか、30年後なのか、正確に予測することはできません。
しかし「いつ起きてもおかしくない」という状況にあることは確かです。


気象庁が発表した「監視強化」

今回の気象庁の発表では、南海トラフ沿いの地殻変動の監視体制が強化されることになりました。

具体的には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が設置した新たな観測点のデータを、気象庁がリアルタイムで活用するようになります。

今回追加された観測点は

・和歌山県
・香川県

の2地点です。

この観測では、地下の岩盤のわずかな変化を捉える**「ひずみ計」**という装置が使用されます。

これにより、南海トラフ沿いで発生する特殊な現象である
「ゆっくりすべり」
をより正確に観測できるようになります。


「ゆっくりすべり」とは何か

通常の地震は、プレートが急激に動くことで発生します。
しかし南海トラフでは、プレート境界が非常にゆっくりと滑る現象が確認されています。

これが「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象です。

この現象は、普通の地震とは違い、人が揺れを感じることはありません。
しかしプレート境界の状態を知る重要な手がかりになると考えられており、大規模地震との関連性も研究されています。

今回の監視強化によって、このゆっくりすべりを
より早く検知できる可能性が高まるとされています。


想定される被害

もし南海トラフ巨大地震が発生した場合、被害は非常に広範囲に及ぶと想定されています。

静岡県から宮崎県にかけての一部地域では
震度7の強い揺れが想定されています。

さらに、太平洋沿岸の広い地域では
10メートルを超える大津波
が発生する可能性も指摘されています。

関東から九州まで、非常に広い範囲に影響が及ぶことが予想されています。


地震は予測できない

重要なのは、南海トラフ地震は必ずしも予兆があるとは限らないということです。

気象庁では「南海トラフ地震臨時情報」という仕組みがありますが、
これはあくまで異常な現象が観測された場合に発表される情報です。

つまり、

臨時情報が出ないまま突然地震が発生する可能性もある

ということです。

だからこそ、日頃からの備えが重要になります。


日頃からできる地震対策

大地震が起きたとき、まず大切なのは
自分の身を守る行動です。

そのためにも、普段からの備えが必要です。

例えば

・家具の固定
・避難場所の確認
・家族との連絡方法の確認
・非常食や水の備蓄
・防災バッグの準備

こうした準備は、決して特別なことではありません。

少しずつでも備えておくことで、いざという時の安全性は大きく変わります。


防災を「日常」にする

東日本大震災から年月が経つにつれて、どうしても災害への意識は薄れてしまいがちです。

しかし、日本は世界でも有数の地震大国です。
地震は「特別な出来事」ではなく、いつ起きてもおかしくない自然現象でもあります。

だからこそ、防災は一時的なものではなく、
日常の中に取り入れていくことが大切だと思います。

例えば

・ハザードマップを見る
・避難経路を確認する
・家の耐震性を確認する

こうした小さな行動が、防災意識を高める第一歩になります。


3月11日に思うこと

東日本大震災は、日本にとって大きな転機となった災害でした。

多くの命が失われ、町が消え、生活が一変しました。
しかしその経験から、日本の防災意識や災害対策は大きく進歩したとも言われています。

今回の南海トラフ監視強化も、その一つと言えるでしょう。

地震を止めることはできませんが、
備えることで被害を減らすことはできます。

3月11日というこの日に、
南海トラフ地震や防災について改めて考えてみることが、
未来の安全につながるのかもしれません。

「もしもの時にどうするか」

ぜひ一度、ご家族や身近な人と話し合ってみてはいかがでしょうか。

◻︎◻︎気象庁 南海トラフ沿いにおける地殻変動監視の強化について
  https://www.jma.go.jp/jma/press/2603/10a/20260310_nantora_kanshi.pdf

  気象庁 南海トラフ地震について
  https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/nteq/index.html

  気象庁 「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応
  https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/nteq/bosai.html

【本日の一曲】
The Joe McDuphrey Experience – Entrando Pela Janela (Through The Window)

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