キャッシュレス時代に生まれた「新しい不便」を、地域の知恵で解決するという発想
――小銭不足が教えてくれる、これからのお商売のヒント
「あれ、前は普通にできていたのに、今はお金がかかる。」
最近、そんな“小さなストレス”を感じる場面が増えたように思います。
私自身も、キャッシュレス化の流れと銀行での硬貨両替有料化によって、これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなった不便さを強く感じています。
特に現金を扱うお商売では、この変化は想像以上に大きい。
釣り銭用の100円玉、10円玉、1円玉を用意するだけでコストがかかる時代です。
けれど今回、とても面白く、しかも「みんなが得をする」素晴らしい事例を見つけました。
そこには、これからの時代のお商売に必要なヒントがたくさん詰まっていました。
便利になったはずなのに、不便が増えている
キャッシュレス決済が普及して、日常の支払いは確かに便利になりました。
スマホひとつで買い物ができ、財布を持たない人も増えています。
一方で、その裏側では現金を扱う現場に新しい負担が生まれています。
その代表例が「硬貨の扱い」です。
銀行ではここ数年、硬貨の入金や両替に対する手数料が一気に上がりました。
50枚までは無料でも、それを超えると数百円、場合によっては1000円以上かかることも珍しくありません。
たとえば100円玉を100枚用意したいだけで手数料。
逆に売上として集まった小銭を預け入れる時にも手数料。
これでは、現場で一生懸命商売して得た利益が、小銭を動かすだけで削られてしまいます。
まさに「時代が進んだことで新たに生まれた不便」です。
京都の銭湯が見つけた、目から鱗の解決策
そんな中、とても面白い話が京都の老舗銭湯で話題になっていました。
創業1894年の京都玉の湯さん。
昔ながらの銭湯だからこそ、100円硬貨の需要がとても大きいそうです。
入浴料金の釣り銭、ドライヤーやロッカー、飲料購入など、100円玉は日常的に必要。
ところが銀行で両替すると毎日2000〜5000円ほどコストがかかっていたとのこと。
これはかなり大きい負担です。
そこでAIに相談したところ、返ってきた答えが実にシンプルでした。
「自販機業者にお願いしてみては?」
これが見事にハマったそうです。
飲料自販機の業者さんにとっては、逆に大量の100円玉を回収して銀行に入れる際の手数料や運搬負担がある。
つまり銭湯側が必要とする100円玉は、自販機業者にとっては“重くてコストのかかる在庫”でもあるわけです。
ここで直接交換すれば、双方にメリットがある。
- 銭湯 → 両替手数料ゼロ
- 自販機業者 → 硬貨回収の負担軽減
- 銀行 → 不要な両替業務減少
見事なWin-Winです。
商店街×神社の「小銭循環」も素晴らしい
さらに素敵だと感じたのが、商店街と神社をつないだ小銭循環の取り組みです。
神社にはお賽銭として小銭がたくさん集まります。
一方で商店は釣り銭用の小銭が必要。
この両者をつなげることで、無料で小銭を循環させる仕組みが生まれています。
神社側は入金手数料を減らせる。
商店側は両替手数料を減らせる。
さらに商店主が神社に足を運ぶことで、地域との接点も増える。
単なるコスト削減にとどまらず、地域コミュニティまで強くなるのが本当に面白いところです。
こういう仕組みを見ると、商売の本質は「困りごとの交換」なのだと改めて感じます。
不便は、新しい商売の入口
今回の話で特に印象的だったのは、
“不便を嘆くだけで終わらせない” という姿勢です。
銀行の両替有料化は、個人や一店舗では変えられません。
制度そのものに文句を言っても、現実はなかなか動かない。
でも視点を変えれば、
「誰かにとって余っているものが、別の誰かには不足している」
という構造が見えてきます。
そこに新しい価値が生まれる。
これは不動産や建築の仕事にもよく似ています。
- 使っていない空き家を活かしたい人
- 住まいを探している人
- 土地活用に悩む人
- 地域に新しい機能を持たせたい人
一方の困りごとが、もう一方の価値になる。
まさに同じ発想です。
これからの時代は「仕組みをつくれる人」が強い
トレンドが変わるスピードが速い今、
単純にモノを売るだけではすぐにコモディティ化します。
だからこそ必要なのは、
仕組みをつくる視点 です。
今回の小銭問題も、単なる両替ではなく
- 誰と誰をつなげるか
- どうすれば双方が得をするか
- 地域全体に広げられるか
という発想で見ると、一気にビジネスの種になります。
日々の「面倒くさい」「不便だな」の中には、実は大きな商売のヒントが眠っています。
不便の中にこそ、次の価値がある
便利な時代だからこそ、少しの不便が大きなストレスになります。
でも、その不便を丁寧に観察すると、
新しい価値や新しいつながりが生まれる余地が見えてきます。
小銭の話はとても身近ですが、
そこには現代のお商売に必要な本質が詰まっていました。
「困りごとを、誰かの余りで解決する」
この発想は、地域商店街でも、神社でも、銭湯でも、不動産でも応用できます。
変化の時代だからこそ、昔の当たり前に固執せず、
新しい不便に新しい発想で向き合う。
そこにこそ、これからのお商売の可能性があるのだと思います。
◻︎◻︎まいどなニュース 「常に100円硬貨が不足」京都の銭湯がAIに相談→「自販機業者にお願いしなさい」がドンピシャ 両替費用ゼロに「ホント助かります」
https://maidonanews.jp/article/16446706
商店街創生センター 第39回】 小銭で商店街×神社もウィンウィン |本町繁栄会
https://syoutengai-c.com/introduction-article/honmachi/
【本日の一曲】
Ye – FATHER (feat. Travis Scott)
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