台風はなぜ反時計回りなのか?
週明け接近の台風6号―まずは最新情報に注意を
週明けの火曜日から水曜日にかけて、台風6号(チャンミー)が日本へかなり接近する予想となっています。
報道によると、台風6号は最大瞬間風速50m/s、中心気圧965hPaの“強い勢力”へ発達しながら北上する見込みで、西日本・東日本でも警報級の大雨となる可能性が指摘されています。
台風シーズンになると、進路や雨量、風速などに注目が集まりますが、ふとこんな疑問を持ったことはないでしょうか。
「台風って、なぜいつも同じ向きに渦を巻いているんだろう?」
日本にやって来る台風は、すべて上空から見ると“反時計回り”に回転しています。
実はそこには、地球そのものが回転していることによる、とても大きな仕組みが隠れています。
台風はなぜ反時計回りなのか
結論から言うと、日本に来る台風が反時計回りなのは、「コリオリの力(コリオリ力)」という働きによるものです。
少し難しそうな名前ですが、考え方は意外とシンプルです。
台風の中心は気圧が非常に低くなっています。空気は高い気圧から低い気圧へ移動する性質があるため、周囲の空気は台風の中心へ向かって吹き込みます。
もし地球が回転していなければ、この風は中心へ向かってまっすぐ吹き込むだけでした。
ところが実際の地球は、北極側から見ると反時計回りに自転しています。
そのため、まっすぐ進もうとする空気が、地球の回転の影響を受けて少し右側へ曲げられるのです。
これがコリオリの力です。
風は中心に向かいたい。でも進む途中で右へ曲げられる。
その結果、台風の風は中心をぐるぐる回りながら吹き込み、北半球では反時計回りの巨大な渦になるのです。
回転している状態でボールを投げると?
コリオリの力は、回転する遊園地の乗り物を想像すると分かりやすいかもしれません。
たとえば反時計回りに回る大きな円盤の上で、向かい側の人にボールをまっすぐ投げたとします。
投げた本人は「まっすぐ投げた」つもりでも、円盤の上にいる人から見ると、ボールは右側へ曲がりながら飛んでいくように見えます。
まるで誰かが途中で右へ引っ張ったように見える。
これがコリオリの力のイメージです。
もちろん実際には、誰かがボールを引っ張っているわけではありません。回転している座標の中で見ているために起こる“見かけの力”なのです。
地球も同じです。
私たちは自転している地球の上で暮らしているため、長距離を動く空気や海流には、この見かけの力が大きく働きます。
台風はその代表例です。
南半球では台風は逆回りになる
では、日本と反対側の南半球ではどうなるのでしょうか。
答えは逆です。
南半球で発生する台風の仲間、いわゆるサイクロンは「時計回り」に回転します。
理由はシンプルで、コリオリの力が働く向きが逆になるからです。
北半球では進むものが右へ曲げられますが、南半球では左へ曲げられます。
その結果、空気は中心へ吹き込みながら時計回りの渦をつくります。
同じ地球の上なのに、半球が変わるだけで渦の向きまで反対になる。
自然の仕組みは本当に面白いものです。
ちなみに、発生地域によって呼び名も変わります。
日本周辺の北西太平洋では「台風」、北大西洋やカリブ海では「ハリケーン」、インド洋や南半球では「サイクロン」と呼ばれています。
名前は違っても、本質的には同じ熱帯低気圧の仲間です。
お風呂の渦も反時計回り?―実はよくある誤解
ここで、もう一つ有名な話があります。
「お風呂の水が北半球では反時計回りに流れるのは地球の自転のせい」
一度は聞いたことがあるかもしれません。
ですが、これは実は少し誤解があります。
台風のように数百kmから数千kmという巨大スケールでは、コリオリの力が大きく働きます。
しかし、お風呂や洗面台のサイズになると事情は別です。
お風呂の渦の向きを決めているのは、排水口の形、浴槽のわずかな傾き、流れの癖、あるいは栓を抜く前に水をかき回した方向など、ごく身近な条件です。
地球の自転の影響はゼロではありませんが、お風呂サイズではそれよりもはるかに小さく、渦の向きを決めるほどではないのです。
つまり、
「台風の渦=地球の自転の影響」
「お風呂の渦=浴槽の条件や水の流れ」
ということになります。
同じ“渦”でも、スケールが違えば原因も違うわけです。
自然の仕組みを知ることは、防災につながる
台風の反時計回りの渦。
それは偶然ではなく、地球が毎日自転していることによって生まれる壮大な現象です。
普段は何気なく見ている天気図の渦も、実は私たちが宇宙の中の回転する地球の上に暮らしている証拠なのかもしれません。
そして、こうした自然の仕組みを知ることは、防災にもつながります。
香川県の場合は、(台風が反対周りの渦なので)台風が西から東へやや通りすぎた位置の紀伊水道(徳島と和歌山の間)からの吹き返しの東向きの風がとても強いです。
週明け接近が予想される台風6号。
進路や勢力は今後変化する可能性もありますが、大切なのは「まだ大丈夫」と油断せず、早めに最新情報を確認しておくことです。
自然の不思議を知りながら、自然の怖さにも備える。
そんな視点で、今回の台風シーズンを迎えたいものですね。
◻︎◻︎大阪市立科学館 台風はなぜ左巻き?
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~saito/job/writing/utyu/taihu/taihu.html
【本日の一曲】
Rinne Tao – 誰も知らない
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