四国にもクマはいる?実は絶滅の危機にある「四国のツキノワグマ」の現状
「クマのニュース」と聞くと、北海道のヒグマや東北地方のツキノワグマを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
秋になると、「住宅街にクマが出没」「農作物への被害」といったニュースを全国で目にする機会が増えます。
一方で、四国ではそのようなニュースを聞くことはほとんどありません。
そのため、「四国にはクマはいない」と思っている方も少なくないかもしれません。
しかし実は、四国にもツキノワグマは生息しています。
しかも、その数は全国でも特に少なく、絶滅が心配されている地域個体群なのです。
四国のツキノワグマはどこにいる?
環境省や林野庁などが共同で行っている「はしっこプロジェクト」の2025年度調査によると、四国で確認されたツキノワグマは少なくとも27頭でした。
そのうち親子2組も確認され、限られた個体数の中でも繁殖が続いていることが分かっています。
四国のツキノワグマが生息している場所は非常に限定されており、
- 徳島県
- 高知県
この2県にまたがる剣山(つるぎさん)山系周辺だけです。
香川県や愛媛県では野生のツキノワグマは確認されておらず、生息域は四国の山深い一角に限られています。
生息数はわずか20〜30頭ほど
北海道ではヒグマが数千頭、本州でも多くの地域でツキノワグマが確認されています。
それに比べると、四国のツキノワグマは非常に少なく、推定生息数は20〜30頭程度。
環境省では「絶滅のおそれのある地域個体群」としてレッドリストにも掲載されています。
つまり、四国では「人との距離が近くて困っているクマ」というよりも、「絶滅を防ぐために守っていかなければならないクマ」という存在なのです。
どうやってクマを調査しているの?
今回の調査では、剣山周辺の25か所にセンサーカメラが設置されました。
カメラの前には、クマを誘引するためにワインとハチミツを混ぜた餌を設置。
クマが立ち上がって餌をなめる瞬間を撮影できるよう工夫されています。
「なぜ立ち上がった姿を撮るの?」
と思うかもしれませんが、理由があります。
ツキノワグマには胸に白い三日月形の模様があります。
実はその模様は人間の指紋のように一頭一頭違っていて、この模様によって個体識別ができるそうです。
なんとも面白い調査方法ですね。
登山では油断しないことも大切
人里でクマに遭遇する可能性は極めて低い四国ですが、剣山山系ではスーパー林道や登山道で目撃情報が報告されています。
登山やキャンプを楽しむ方は、
- 熊鈴を付ける
- ラジオなど音の出るものを携帯する
- 早朝や夕方の行動を避ける
- 足跡やフンを見つけたら引き返す
- 食べ物やゴミを放置しない
といった基本的な対策が推奨されています。
特に問題となっているのが、
「写真を撮りたいから近づく」
「動画を撮影したい」
という行動です。
クマは野生動物です。
どんなに珍しくても、絶対に近づいてはいけません。
四国だからこその自然の豊かさ
四国のツキノワグマは、人里に現れることが少ない一方で、人の手があまり入っていない自然環境が残されている証でもあります。
剣山周辺にはブナ林や原生林が広がり、多くの野生動物が暮らしています。
その頂点に立つ大型哺乳類が今も生き続けているということは、それだけ自然環境が豊かだということでもあります。
もちろん、人との共存は簡単ではありません。
しかし、全国的にクマとの共存が課題となる中で、四国では「絶滅させないこと」がまず重要なテーマになっています。
四国の自然を楽しむために
香川県で生活していると、クマを意識することはほとんどありません。
しかし少し足を延ばして徳島県や高知県の山々へ向かえば、四国にもクマが暮らしていることを忘れてはいけません。
だからといって必要以上に怖がる必要はありません。
最新の目撃情報を確認し、熊鈴を携帯するなど基本的な対策をすれば、安心して登山や自然散策を楽しむことができます。
四国のツキノワグマは、日本でも最も希少な野生動物の一つです。
私たちが自然を楽しむ一方で、その貴重な命を守る意識も持ち続けたいものですね。
◻︎◻︎林野庁 ツキノワグマの目撃情報について
https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/keikaku/20230706_kumamokugeki.html
クママップ 高知県のツキノワグマ出没情報
https://kumamap.com/ja/areas/kochi
徳島県 ツキノワグマの出没にご注意ください
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/shizen/7312811/
【本日の一曲】
Cafuné – Tek It
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