2025 05 07
活版印刷の発明と、インターネットが拓いた「伝える力」

「活版印刷の発明は、世界を変えた大発明のひとつだ」とよく言われます。
それまで情報を伝える手段といえば、手書き写本が中心。
膨大な時間と労力がかかるため、知識は一部の特権階級にしか行き渡らず、庶民が書物に触れる機会などほとんどありませんでした。
そんな時代を大きく変えたのが、15世紀のドイツでグーテンベルクが開発した「活版印刷術」でした。
一文字ずつ鋳造された活字を組み合わせて印刷するというこの技術によって、本の大量生産が可能になり、書物が一気に身近な存在になったのです。
これにより、知識や思想がより多くの人に伝わるようになり、宗教改革やルネサンス、そして近代科学の発展にもつながっていきました。
「情報を広める手段」が変わったことで、人の考え方そのものが変わり、社会が動いたという好例です。
そして現代、私たちはまた新たな「伝える革命」の中に生きています。
それが、インターネットの登場です。
活版印刷で「誰もが情報に触れられる時代」が始まりましたが、インターネットはそれをさらに進化させ、「誰もが情報を発信できる時代」を実現しました。
SNSやブログ、動画配信などを通じて、誰もが自分の声を、瞬時に世界中へ届けることができます。
情報が一部の人のものだった時代から、誰でもアクセスし、共有できる時代へ。
今の私たちの生活は、まさに活版印刷からインターネットへと続く、情報革命の延長線上にあります。
だからこそ、「何を伝えるか」「どう伝えるか」が、ますます大切になっています。
たった一つの言葉が社会を動かすこともあるこの時代。
伝える力とその責任を意識しながら、これからの情報との付き合い方を考えていきたいですね。
【本日の一曲】
サカナクション / 怪獣