2025 12 12

【植物のある暮らし キウイ編 vol.3 ついに収穫!!】

    ※双子のキウイ

年末になると、我が家ではちょっとした一大イベントがやってきます。
そう、キウイの収穫です。

毎年恒例ではあるのですが、やはり収穫の日は特別な高揚感があります。
庭に出て実の様子を確認しながら、
「今年はどうかな?」「甘くなってるかな?」とワクワクした気持ちになるのは、
植物と暮らしている人なら分かっていただけると思います。


■ 収穫のタイミングは毎年悩む問題

本来、キウイフルーツの収穫時期は 10〜11月 が一般的。
木に成ったまま完熟させてしまうとヘタッとしてしまい、
さらには「隔年結果」の影響で翌年の収穫量が落ちてしまうので、
過熟になる前に収穫する必要があります。

しかし…
今年も例に漏れず、仕事がバタバタしてしまい、
気付けば12月突入。
「今年も遅くなった〜!」と苦笑しながらの収穫です(笑)

実はキウイって、木で熟すのではなく、収穫後に熟す果物
だから多少遅くなっても「致命的ではない」という安心感がありまして……
つい後回しになりがちなのです。


■「木で完熟させる」と「収穫後に追熟」の違い

キウイはとても特徴的な果物で、

  • 木に成った状態で完熟 → 食味はやや落ちる、翌年の結果に影響
  • 収穫して追熟 → 甘味が増す、実の質が良い

という傾向があります。

市場に出回っているキウイがあれだけ甘いのは、
収穫後にしっかり追熟されているからなんですね。

キウイの追熟のポイントは、
デンプンが分解されることで甘さが増していくプロセス
気温が高いほど早く進み、
品種によっても熟すスピードが大きく変わります。

  • ゴールドキウイ、アップルキウイ → 追熟が早い
  • ヘイワード → 時間がかかるが安定感がある

キウイと言えばスーパーに並ぶ「ヘイワード」が有名ですが、
これが本当に追熟に時間がかかる。
触ってみてもなかなか柔らかくならないので、
家庭で育てていると余計にその“気難しさ”を感じます。


■ 霜が最大の敵。最低気温5℃以下になる前が勝負

キウイ栽培で気を付けなければいけないのが 霜害

キウイはある程度寒さに強いとはいえ、
果実そのものは霜に当たると一気に傷んでしまいます。
最低気温が 5℃を下回る ようになると要注意。
特に収穫が遅れると、
せっかく大きく育った実がダメになることも…。

だから11月下旬頃からは天気予報を見るのが習慣になります。
「あ、来週最低気温5℃!やばい!」
――そんな焦りの気持ちでの収穫になりがちです。

今年もギリギリセーフ。
12月に入ってしまいましたが、霜害を受ける前に収穫できて一安心です。


■ 収穫の見極めが難しい理由

キウイの収穫時期は「落葉の開始」や「果皮の色が茶色に変わる頃」
とよく説明されるのですが、これが実際のところあまり当てになりません。

同じ木でも
・日当たり
・枝の位置
・風の通り
などによって成熟度がバラバラ。

さらに品種や気候によってもまるで違います。

だから最終的には
“手で触った感覚”
これに尽きます。

キウイ栽培は、
野菜や果物の中でも“答えのないパズル”的な面白さがあると感じます。


■ いざ収穫!年末の恒例行事

収穫はいつも家族総出。
“キウイ収穫デー”と称して、
脚立を広げ、バケツをいくつも持ち出し、
1つ1つ丁寧にハサミで切っていきます。

今年は例年以上に実が大きく、
「今年当たりじゃない?」と盛り上がりながらの収穫でした。

枝を揺らせばボタボタ落ちてくる…
そんな大量収穫の年もあれば、
「今年ちょっと寂しいね」という年もある。
自然相手なので、それもまた味わいの一つです。

収穫したキウイは、
新聞紙の上に広げたり、
リンゴと一緒にポリ袋に入れて追熟させたり。
エチレンの力を借りて柔らかくしていきます。

追熟の様子を見て、
日々触って柔らかさを確かめる。
これが毎年の冬のちょっとした楽しみです。


■「追熟の変化を楽しむ」これが家庭栽培の醍醐味

キウイは追熟により甘味が増す珍しい果物。
その変化を自分の手でコントロールできるのが面白さでもあります。

収穫直後のキウイは
・カチカチ
・酸味が強い
・食べられなくはないが美味しくはない

しかし時間をかけて追熟させると
・香りが立ち
・酸味がまろやかになり
・糖度がぐっと増し
・舌触りも滑らかに

まるで別物のように変わっていきます。

「そろそろかな?」
「もう少し置いた方が美味しいかも」
そんな手探りの時間が、
家庭でキウイを育てるならではの魅力です。


■ 収穫の時期を見極める難しさと楽しさ

キウイは
早すぎると甘くならない
遅すぎると霜害のリスク

という絶妙なバランスの中で収穫時期を決めます。

自然相手の“正解のない作業”。
だからこそ、
その年の気候や木の状態を見ながら、
「今年はここだ!」と自分なりの答えを出す楽しさがあります。

そして収穫できたキウイを眺めながら、
「1年頑張って育ててよかったなあ」
という達成感に包まれる。

植物のある暮らしは、
そんな“小さな幸せ”の積み重ねだと思います。


■ まとめ:今年も無事に収穫できました!

年末の慌ただしい中でしたが、
今年もなんとか無事にキウイを収穫することができました。

これから数週間かけて追熟させ、
お正月の頃には食べ頃になるはず。

来年の収穫に向けて、
剪定や施肥もまた少しずつ進めていきます。

キウイ栽培は手間も時間もかかりますが、
その分だけ喜びも倍増します。
「植物のある暮らし」は、
日常をちょっと豊かにしてくれる本当に良い趣味だと感じます。

また追熟後の様子もこのシリーズで紹介できればと思います。
来年もキウイ編をお楽しみに。

【本日の一曲】
Rob Araujo – Nineteen