2026 01 10

2025年に私が観たアニメ

――普段アニメを観ない人間が、あえて語りたくなった理由――

正直に言うと、私はそれほどアニメを観るタイプではありません。
話題作が出れば名前は知っているし、周囲の盛り上がりも耳には入ってくる。でも、毎クール欠かさずチェックするような生活とは無縁でした。

そんな私が、2025年になって立て続けにアニメ作品を観ることになり、しかも「これは書き残しておかなきゃ」と。
つまり、普段あまりアニメを観ない人間が、わざわざ観て、考えて、言葉にしたくなるほど、今の日本アニメ(そして漫画)は面白いということです。



インフラが整いすぎた時代に、日本アニメはいる

今のアニメ・漫画を語るうえで、まず外せないのが「インフラ」の話だと思う。

漫画であればKindleをはじめとした電子書籍。
アニメであればNetflix、Amazonプライムビデオといった配信サービス。

昔は、
「単行本を本屋で買う」
「深夜アニメをリアルタイムで観る」
という行為自体が、ある種のハードルだった。

それが今では、スマホ一つで世界中どこからでも同じ作品にアクセスできる。
このインフラ整備がほぼ完成した状態が、日本の漫画・アニメにとってどれほど大きな意味を持つのか。

これはもう「国内向けコンテンツ」という枠組みではない。
世界市場に出ていき、消費され、評価される時代になった。


細分化された「日本漫画の深さ」が、ようやく活きる環境

日本の漫画文化は、とにかく細かい。
ジャンルも、テーマも、感情の掘り下げ方も異常なほど細分化されている。

・少年漫画
・青年漫画
・少女漫画
・ジャンル横断
・日常系
・社会派
・倫理をえぐる作品

一昔前なら、「これはニッチすぎて売れない」と判断されていたであろう作品が、今ではしっかりと居場所を持つ。

理由は単純で、世界市場に向けて届けられるからだ。
100万人に刺さらなくても、世界の1万人に深く刺されば成立する。

この環境は、日本漫画の「広さ」だけでなく、「深さ」を存分に活かせる土壌になったと思う。


漫画 → アニメという“進化”が、音楽まで連れていく

最近のアニメを観ていて強く感じるのが、
漫画→アニメ化が単なる映像化ではなく、総合的なアップデートになっているという点だ。

作画、演出、声優、音響、そして主題歌。
主題歌と共にアーティストも世界へ出ていく。

アニメのオープニングやエンディングが、
「作品の感情を補足する役割」
「物語の余韻を引き延ばす装置」
として、異常なほど完成度が高い。

アニメを観終わったあと、自然とその曲を繰り返し聴いてしまう。
そして気づけば、歌手やバンドの名前も世界に広がっていく。

これは、日本のポップカルチャーが複合的に輸出されている状態だと思う。


編集者にスポットライトが当たる時代

もう一つ、個人的にとても面白いと感じている変化がある。
それは、漫画家だけでなく、編集者にも注目が集まっていることだ。

林士平、千代田修平。
若き名物編集者として名前が挙がるこの二人。

彼らが関わってきた作品を並べると、正直「ヒットだらけ」である。

・チェンソーマン
・チ。
・ルックバック
・ダンダダン

どれも、単に面白いだけではない。
読後、観後に「何かが残る」作品ばかりだ。

編集者という立場は、表に出ることは少なかった。
しかし今は、作品づくりの思想や方向性に深く関わる存在として、ようやく評価され始めている。

これは、日本の漫画文化が成熟してきた証拠でもあると思う。


どれも面白かった。でも、一番ダメージを受けたのは

ここまで挙げた作品は、どれも本当に面白かった。
映像表現、物語構造、キャラクターの魅力。
どれも今の時代だからこそ生まれた作品だと思う。

しかし、ハートに受けたダメージが一番大きかった作品を一つ挙げるなら、迷わずこう言う。

「タコピーの原罪」


「タコピーの原罪」が突きつけてくるもの

この作品は、観ていて正直つらい。
楽しいとか、スカッとするとか、そういう種類の面白さではない。

むしろ、
「目を逸らしたくなる」
「でも、逸らしてはいけない」
そんな感情がずっと続く。

無垢であることの残酷さ。
善意が、必ずしも救いにならないという現実。
大人の無責任さ、社会の歪み、子どもが背負わされる痛み。

それらが、過剰な説明なしに、淡々と、しかし確実に積み重ねられていく。

観終わったあと、しばらく何も言えなくなった。
「良い作品だった」と簡単にまとめてしまうのは、あまりにも軽すぎる。


だからこそ、今のアニメは面白い

普段アニメをあまり観ない私が、ここまで語りたくなった理由は単純だ。

今の日本アニメ・漫画は、
逃げ場としての娯楽で終わらない作品が増えている

観る側に問いを投げ、感情を揺さぶり、考えさせる。
しかもそれを、圧倒的なクオリティで、世界中に届けている。

「アニメだから」「漫画だから」と軽く扱えない。
そんな時代に、私たちはもう入っている。

2025年、たまたま手に取ったこれらの作品は、
私にとって「今の日本アニメを語らずにはいられない理由」そのものだった。

これから先、またどんな作品に出会うのか。
正直、少し楽しみになっている自分がいる。

普段アニメを観ない人間ですら、そう思わせるのだから――
やはり、今の日本アニメ(漫画)は、相当すごい。

【本日の一曲】
サカナクション – 怪獣 替え歌「社畜」

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