2025 05 19

夜に輝く関西万博の大屋根リング (世界最大の木造建築)

2025年4月に開幕した大阪・関西万博。
会場にはさまざまな最先端の展示や建築が並ぶなか、ひときわ注目を集めているのが、会場のシンボル「大屋根リング」です。

この「大屋根リング」は、2025年3月4日、ギネス世界記録™に『世界最大の木造建築物』として正式に認定されました。
認定当時から話題となり、現在、万博を訪れる多くの人がそのスケールと美しさに圧倒されています。

この大屋根リングは、109個の木のユニット(架構)を円形に連ねた幅約30m・高さ約20m・内径約615m・周長約2kmの超大型建築物です。

日本伝統の木造技術である「貫接合(ぬきせつごう)」を現代の耐震基準に合わせて進化させ、構造体の剛性を高める独自の工法を採用。
安全性と合理性を両立しつつ、それぞれの工区ごとに異なる技術が取り入れられているのも特徴です。

大林組を代表とする共同企業体大林組JVは、リング全体(約2km)のうち北東部分・約3分の1を担当
その柱の約半分には四国産のヒノキ(!!)、梁には福島県産のスギを使うなど、国産材の活用を積極的に推進しています。

また、地上で木の構造を組み立ててから吊り上げて設置する「揚重(ようじゅう)工法」や、BIM(建築情報モデリング)を活用したデジタル施工管理など、最先端の技術もふんだんに導入され、まさに伝統と革新の融合と言える建築物に仕上がっています。

この大屋根リングは、訪れる人にとっては「大きな屋根の下で世界とつながる場所」、建築関係者にとっては「日本の木造技術の結晶」、そして私たち不動産業界にとっては地域資源を活かした建築の理想形といえる存在です。

特に、地域の木材を使うことで林業や地域経済にも貢献している点は、私たちの仕事にも大きなヒントを与えてくれます。家づくりやまちづくりにおいても、地元の素材を活かす視点、そして自然と共生する考え方がますます大切になってくることでしょう。

2025年10月まで続く大阪・関西万博。これから夏休みにかけて、より多くの人々が訪れることが予想されます。
ぜひ皆さんも足を運んで、「世界最大の木造建築」を実際に見て、木のぬくもりと日本の技術力を体感してみてください。


(私も時間を作って、行ってきます!!)

■出典■
 大阪・関西万博 「大屋根リング」
 https://www.expo2025.or.jp/

【本日の一曲】
Kamasi Washington / Street Fighter Mas