現代の家の鍵事情
— 見落としがちな「玄関の安心」を考える —
毎日、何気なく開け閉めしている玄関の鍵。
家に入る時も、外出する時も、当たり前のように使っているものですが、その「鍵の種類」や「状態」について、意識したことはあるでしょうか。
実はこの玄関の鍵、ここ10数年で大きく進化しています。
そして同時に、古い鍵を使い続けている住宅もまだまだ多いという現状があります。
今回は、今の住宅における「鍵事情」について、少し掘り下げてみたいと思います。
鍵の種類は大きく3タイプ
住宅の玄関鍵は、時代によって主流が変わってきました。
大きく分けると、次の3種類があります。
① 刻みキー(ギザギザの鍵)
昔からある、いわゆる「一般的な鍵」です。
側面にギザギザの刻みが入っているタイプで、多くの方が見慣れている形状だと思います。
築20年以上の住宅では、この刻みキーが採用されていることが多く、今でも現役で使われているケースが少なくありません。
ただし、このタイプは構造が比較的シンプルなため、防犯性はそれほど高くありません。
ピッキングなどの被害が話題になった時期もあり、防犯面では注意が必要な鍵でもあります。
② ディンプルキー
ここ10数年で主流になったのが、このディンプルキーです。
鍵の表面に丸いくぼみ(ディンプル)が複数配置されているのが特徴で、構造が複雑なため、ピッキングに強いとされています。
新築住宅やリフォーム物件では、標準仕様として採用されていることが多く、防犯性能の面でも安心感があります。
③ 電子キー・スマートキー
さらにここ10年ほどで増えてきたのが、電子キーやスマートキーです。
・カードキー
・暗証番号式
・スマートフォン連動
・リモコンキー
など、さまざまなタイプがあります。
鍵を取り出さなくてもドアの開け閉めができるため、
「荷物が多い時でも楽」
「子どもや高齢の方でも使いやすい」
といった利便性の高さが魅力です。
最近の新築住宅では、標準仕様になっているケースも増えてきました。
実は半数近くがまだ「刻みキー」
ある調査によると、現在使用されている玄関鍵の内訳は次のようになっています。
- 刻みキー:45.4%
- ディンプルキー:40.4%
- スマートキー:6.3%
つまり、約半数がまだ昔ながらの刻みキーを使っているということです。
特に築年数の古い住宅や、鍵交換の機会がなかった家では、当時のままの鍵が使われ続けているケースが多いのです。
鍵は「壊れないと替えない」もの
鍵の交換というと、
・泥棒に入られた
・鍵をなくした
・ドアを交換した
といった「トラブルや工事のついで」に行うことがほとんどです。
実際、鍵を交換したことがある人は全体の約25%程度。
つまり、4人に3人は一度も鍵を交換したことがないということになります。
さらに、15年以上交換していない人は31.7%にのぼるというデータもあります。
多くの方が、
「特に困っていないから」
「費用がかかりそうだから」
という理由で、交換せずに使い続けているのが現状です。
鍵にも「耐用年数」がある
あまり知られていませんが、鍵にも耐用年数があります。
一般的には
約15年程度が目安
と言われています。
それを過ぎると、
・鍵が回りにくくなる
・抜けにくくなる
・内部部品の摩耗
・突然開かなくなる
といったトラブルが起こる可能性が高くなります。
しかし、鍵に寿命があることを知らない人は、全体の6割以上にのぼるという結果も出ています。
玄関の鍵が壊れて家に入れない…
という事態は、想像以上に大きなストレスです。
そうなる前に、点検や交換を考えることが大切です。
リフォームのタイミングは絶好の機会
鍵の交換は、単独で行うと「わざわざ感」がありますが、リフォームのタイミングであれば自然に取り入れることができます。
例えば、
・玄関ドアの交換
・外壁塗装
・内装リフォーム
・中古住宅の購入時
こうした機会に合わせて鍵も見直すと、費用面でも心理的にもハードルが下がります。
昨年も「玄関ドアの交換」は数件させていただきました。見た目も変わって、防犯性もアップして、条件満たせば補助金も使えて、たった”1日”で工事も完成します。
実際、鍵を交換した理由の上位には、
「ドアの修理や交換に伴って」
という項目が入っています。
つまり、リフォームは鍵を見直す絶好のタイミングなのです。
防犯だけでなく「暮らしやすさ」も変わる
鍵の交換というと、防犯面ばかりに目が行きがちですが、実は暮らしやすさも大きく変わります。
例えばスマートキーの場合、
・鍵を探す手間がなくなる
・両手がふさがっていても開けられる
・子どもが鍵をなくす心配が減る
・オートロックで閉め忘れ防止
など、日常の小さなストレスが減ります。
毎日使うものだからこそ、その快適さの違いは意外と大きいものです。
「見えない部分」こそ大切に
住宅を考える時、多くの方が気にするのは、
・間取り
・外観
・設備
・立地
といった、目に見える部分です。
しかし、鍵のように普段意識しない部分こそ、暮らしの安心を支えている重要な要素でもあります。
・古い鍵のまま使い続けていないか
・回りにくくなっていないか
・築年数に対して鍵は古すぎないか
こうした点を、たまに見直してみることも大切です。
住まいの安心は「小さな見直し」から
鍵の交換は、大掛かりなリフォームではありません。
しかし、その効果はとても大きいものです。
防犯性の向上
トラブルの予防
暮らしの快適さの向上
これらを数万円程度で実現できると考えると、コストパフォーマンスの高い住まいの改善と言えるでしょう。
もし、
・築15年以上経っている
・一度も鍵を交換したことがない
・刻みキーを使っている
という場合は、一度検討してみる価値はあります。
玄関の鍵は、家族の安心を守る「最前線」です。
その小さな部分を見直すことが、これからの安心した暮らしにつながっていくのではないでしょうか。
◻︎◻︎新建ハウジング 玄関鍵の約半数は「刻みキー」 交換費用ネックで継続利用
https://www.s-housing.jp/archives/411034
【本日の一曲】
Masayoshi Takanaka – Seven Goblins
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