住宅の修繕費について考える
― 家は買って終わりではなく、住み続けるための「メンテナンス」が大切 ―
住宅を購入する際、多くの方が気にされるのは「購入価格」や「住宅ローン」のことです。もちろんそれらは非常に重要なポイントですが、実はもう一つ忘れてはいけない大切な費用があります。それが 住宅の修繕費(メンテナンス費用) です。
家は完成した瞬間がゴールではなく、そこから何十年と住み続けていく生活の場になります。当然ながら、年月が経てば設備や建材は少しずつ劣化していきます。新築住宅であっても、中古住宅であっても、長く住むためには必ず修繕や交換が必要になります。
今回は、住宅を長く安心して使うために知っておきたい 修繕費の考え方や準備の方法 についてお話していきたいと思います。
マンションと戸建てで異なる修繕費の考え方
住宅の修繕費について考える際、まず理解しておきたいのが マンションと戸建ての違い です。
マンションの場合、建物には「共用部分」があります。
こうした共用部分は個人ではなく、マンション全体の所有者で管理します。そのため、将来の大規模修繕に備えて 修繕積立金 を毎月積み立てる仕組みになっています。外壁塗装や防水工事などの費用は、この積立金を使って行われます。
一方で 戸建て住宅の場合は事情が異なります。
戸建てにはマンションのような修繕積立制度はありません。つまり、屋根や外壁、設備の交換などの費用は すべて自己責任で準備しておく必要がある ということになります。
住宅ローンの返済だけを考えていると、突然の修繕費に驚くことも少なくありません。そのため戸建て住宅では、あらかじめ修繕費の計画を考えておくことがとても重要になります。
修繕費は現金かローンで対応する
住宅の修繕費を用意する方法は、大きく分けて次の2つがあります。
①自己資金(現金)で対応する方法
②金融機関のローンを利用する方法
理想的なのは、毎月少しずつ積み立てを行い、修繕が必要になったときに自己資金で対応できる状態を作ることです。
例えば、
「将来の外壁塗装や屋根修繕のために毎月1〜2万円を積み立てておく」
といった方法です。
ただし、突然大きな修繕が必要になるケースもあります。そういった場合には、リフォームローンなどを利用して対応するケースもあります。
いずれにしても大切なのは、
修繕は必ず発生するものだという前提で資金計画を考えておくこと
です。
経年劣化で交換が必要になる設備
住宅にはさまざまな設備がありますが、その中でも比較的交換時期が早く訪れるものがあります。
代表的なものが 給湯器 です。
給湯器の寿命は一般的に 約10年前後 と言われています。もちろん使用頻度やメーカーによって多少の差はありますが、10年を過ぎる頃から故障や交換の可能性が出てきます。
給湯器が突然壊れると、お風呂やキッチンでお湯が使えなくなり、生活に大きな支障が出ます。そのため、
- 10年を目安に交換を検討する
- 調子が悪くなってきたら早めに点検する
といった対応が大切になります。
屋根・外壁は紫外線の影響を受ける
住宅の修繕で特に費用が大きくなるのが 屋根や外壁などの外装部分 です。
屋根や外壁は、毎日太陽の紫外線や雨風にさらされています。そのため時間とともに劣化が進みます。
ただし、ここで重要なのが 使用されている素材によって耐久性が大きく変わる という点です。
例えば屋根材の場合、
- スレート屋根
- ガルバリウム鋼板
- 瓦屋根
などさまざまな種類があります。
特に 釉薬(ゆうやく)を塗った瓦屋根 などは耐久性が高く、塗装メンテナンスが不要なケースも多いため、長期的にはメンテナンスコストを抑えられることがあります。
外壁についても同様です。
- サイディング
- モルタル
- タイル外壁
など素材によってメンテナンス周期は大きく異なります。
最近では 光触媒機能を持つ外壁材 などもあり、汚れが付きにくくメンテナンス周期を延ばすことができるものもあります。
こうした高性能な材料は、建築時の 初期費用(イニシャルコスト)は高くなる 傾向がありますが、長期的な 修繕回数が少なくなるため、結果的にランニングコストを抑えられる というメリットがあります。
住宅を建てる際や購入する際には、こうした 長期的なメンテナンス視点 も重要になります。
インフレでリフォーム費用も上昇している
ここ数年、住宅業界では大きな変化が起きています。それが 建築コストの上昇 です。
資材価格や人件費の高騰により、新築住宅の価格は年々上昇しています。
そして当然ですが、この影響は リフォームや修繕費用にも及んでいます。
例えば、
- 外壁塗装
- 屋根工事
- 水回りリフォーム
などの費用も、以前より高くなってきています。
つまり、これから住宅を長く維持していくためには、
「修繕費も将来高くなる可能性がある」
という視点を持つことが重要になります。
修繕費を考えたファイナンシャルプランが重要
住宅を購入する際、多くの方が
- 住宅ローンはいくらまで借りられるか
- 毎月の返済額はいくらか
といった点を中心に考えます。
しかし、本当に大切なのは
「住宅を長く維持していくための資金計画」
です。
住宅ローンだけでなく、
- 将来の修繕費
- 固定資産税
- 保険
- ライフイベント(教育費など)
といった要素も含めて、トータルで考える必要があります。
住宅購入は人生の中でも大きな買い物です。だからこそ、購入後の生活を見据えた ファイナンシャルプラン を考えることがとても重要です。
まとめ
住宅は購入して終わりではなく、住み続ける中で必ず 修繕やメンテナンス が必要になります。
特に戸建て住宅では、マンションのような修繕積立制度がないため、自分自身で修繕費を準備しておく必要があります。
- 給湯器などの設備交換
- 屋根や外壁のメンテナンス
- 将来のリフォーム
こうした費用を見据えて、早い段階から資金計画を考えておくことが大切です。
住宅の価値は、適切なメンテナンスを行うことで長く保つことができます。
これから住宅を購入される方も、すでにお住まいの方も、ぜひ一度 「住宅の修繕費」 について考えてみてはいかがでしょうか。
【本日の一曲】
Tom Jarmey · MarBlu – Beach Jazz
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