2026 04 11

「20億円の遺産でも相続放棄?」中山美穂さんのニュースから考える“相続税で本当に困ること”

最近、中山美穂さんの相続に関するニュースが話題になっていました。

報道では、遺産総額が約20億円、その一方で相続税が10億円を超える可能性があり、相続放棄という選択が取り上げられていました。

もちろん芸能人の方の相続には、一般のご家庭にはあまりない「著作権(印税)」という特殊な資産が含まれます。
そのため、そのまま私たちに当てはまる話ではありません。

ただ、今回のニュースの本質を見ていくと、実は私たちの身近な相続でも同じことが起こり得ると感じます。

それは、

「財産はあるのに、相続税を支払う現金がない」

という問題です。

これは、不動産の相続でも本当によくある話です。


相続税は“財産がある人だけ”の話ではなくなっている

相続税というと、「一部の資産家だけの税金」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

確かに、基礎控除は

3,000万円+600万円×法定相続人の数

です。

例えば相続人が子ども1人なら、3,600万円を超えた部分に相続税がかかります。

地方では対象にならないケースも多いですが、都市部や土地価格の高いエリアでは、ごく普通のご家庭でも不動産を所有しているだけで課税対象になることがあります。

特に最近は、土地価格の上昇や建築費高騰の影響もあり、

 ・実家の土地
 ・先祖代々の農地
 ・賃貸アパート
 ・市街地の売土地

などを持っているだけで、思った以上に評価額が高くなることがあります。

「うちは現金はそんなにないから大丈夫」

と思っていても、土地評価で想像以上の税額になることは珍しくありません。


本当に大変なのは“納税資金”

今回のニュースで注目されたのは、遺産額の大きさよりも、

その財産をすぐに現金化できるかどうか

という点です。

著作権のような将来入ってくる収入は、今すぐ現金として手元にあるわけではありません。
しかし相続税は、その将来価値も含めて評価されます。

つまり、

まだ入ってきていないお金に対して、先に税金を払う必要がある

ということです。

これは芸能人だけの話ではありません。

不動産相続でも全く同じです。

例えば、
 ・評価額8,000万円の実家
 ・預金500万円
 ・相続税1,000万円
というケース。

財産は十分あるように見えても、現金は500万円しかありません。

すると残り500万円をどうするか。

多くの場合、
 ・土地を売却する
 ・賃貸物件を手放す
 ・預貯金をかき集める
 ・親族から借りる
といった対応が必要になります。

ここで問題になるのが、相続税の申告期限は10か月以内ということです。

かなり短いです。

相続手続き、名義変更、遺産分割協議をしながら、10か月以内に現金を準備しなければなりません。

この“時間の短さ”が、相続をより難しくします。


不動産は「あるけどすぐ売れない」

不動産会社の立場から見ても、相続税で一番大変なのはここです。

不動産は資産としては大きいですが、すぐに希望価格で売れるとは限りません。

特に、
 ・古い空き家
 ・郊外の土地
 ・農地
 ・接道条件が悪い土地
 ・相続人が複数いる物件
は売却に時間がかかります。

しかも「相続税を払うために急いで売りたい」となると、どうしても買い叩かれやすくなります。

本来なら3,000万円で売れたかもしれない土地が、期限の都合で2,300万円で売却…ということも現実にあります。

せっかく親御さんが残してくれた資産が、納税のために本来の価値より安く手放されるのは本当にもったいないことです。


相続放棄は“逃げ道”ではなく“現実的な判断”のこともある

ニュースでは「20億円もあるのに相続放棄?」と驚く声もありました。

ただ実際には、
 ・すぐ現金化できない
 ・維持管理が大変
 ・高額な納税が必要
 ・売却してもほとんど残らない
という状況なら、相続放棄は十分現実的な判断です。

一般の相続でも、
 ・空き家だけが残る
 ・老朽化した賃貸物件
 ・売れない山林
 ・遠方の実家
などは、相続した後に困るケースが増えています。

「もらえるものはもらった方が得」とは限らない時代です。


私たちが学ぶべきことは“早めの準備”

今回のニュースから学べる最大の教訓は、

相続税は“税額”ではなく“納税資金”を準備することが大切

という点です。

そのためにできることはたくさんあります。

1. 今の財産評価を知る

まずは土地や建物がいくらで評価されるのか把握すること。

2. 売れる資産・売れにくい資産を整理する

不動産は立地によって流動性が大きく違います。

3. 生前に整理しておく

使っていない土地や空き家は、生前に売却・活用した方がスムーズです。

4. 生命保険などで納税資金を作る

現金を残す仕組みを作るだけで相続はかなり楽になります。


相続は「起きてから」では遅いことも多い

相続は突然起こります。

そして起きてから10か月で、税金・名義変更・売却・分割協議を進めなければなりません。

だからこそ大切なのは、

元気なうちに、資産の整理と出口を考えておくこと

です。

今回のニュースは芸能人の大きな遺産の話でしたが、
本質は私たちの身近な不動産相続と同じです。

「財産を残す」だけでなく、
“残された家族が困らない形で残す”ことが本当の相続対策。

相続対策専門士のせとうち不動産でも、香川県での土地・空き家・中古住宅の相続相談を日々いただいています。

「うちは相続税かかるのかな?」
「この土地、子どもが困らないだろうか?」

そんな段階からでも大丈夫です。

将来の選択肢を増やすためにも、早めに一度整理してみることをおすすめします。


◻︎◻︎国税庁 相続税のあらまし
  https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sozoku-tokushu/souzoku-aramashih30.pdf


【本日の一曲】
Destin Conrad – Go Home!

◻︎◻︎せとうち不動産 https://setouchi-fudosan.com/◻︎◻︎