2026 09 04

建築費も住宅ローン金利も上昇 大手ハウスメーカーの「戸建て事業再編」から考える、これからの家選び

「家を建てたいけど、建築費が高くなっている……」

「住宅ローンの金利も上がってきているし、もう少し待った方がいいのでは?」

最近、住宅購入やリフォームについて考える際、こうした悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

実際、現在の住宅市場は決して「家を買いやすい」「家を建てやすい」環境とは言えません。

建築資材や人件費などの上昇による建築費のインフレに加え、住宅ローン金利についても上昇の話が出てきています。

そんな中、住宅業界で少し気になるニュースがありました。


大和ハウスが戸建て事業を再編

大和ハウス工業が、新築一戸建て住宅事業について、2027年4月をめどに大幅な事業再編を行う方針を明らかにしました。

現在、山形県と沖縄県を除く45都道府県に戸建て事業の拠点を持っていますが、北海道から鹿児島県までの23道県から撤退し、東京や大阪などを中心とした都市圏に経営資源を集中させるというものです。

対象地域では、注文住宅は2026年9月末まで、分譲住宅は2027年3月末まで営業を続ける予定とのこと。

大和ハウスといえば、誰もが知る大手ハウスメーカーです。

そんな会社が「全国どこでも戸建て住宅を販売する」という体制から、採算性や需要を考えてエリアを絞り込む。

これは、現在の住宅市場を考えるうえで、非常に象徴的なニュースだと思います。

  ※※ダイワマンの帰る家がなくなってしまいますね


実は、それほど驚く話ではありません

個人的には、今回のニュースを見て「そこまで驚くことではないな」というのが正直なところです。

大和ハウスの戸建て事業が大きな柱だったのは、高度経済成長期から1990年代頃まで。

当時は「大和団地」などによる宅地造成も含め、住宅を大量に供給するビジネスが非常に大きな意味を持っていました。

しかし2000年代に入ると、企業向けの建築事業などが大きな柱となり、さらに2010年代以降は分譲マンションや海外事業なども成長分野となっていきました。

現在では、戸建て住宅だけに頼る事業構造ではありません。

むしろ今回の再編は、人口減少や建築費の上昇、住宅需要の変化を踏まえて、「販売エリアを広げて数を売る」時代から、「需要と採算性のあるエリアに集中する」時代への転換とも言えるのではないでしょうか。


「全国展開」が当たり前ではなくなる?

今回のニュースで個人的に気になるのは、ここです。

これまでは、大手ハウスメーカーであれば全国各地に営業拠点があり、どこに住んでいても同じような選択肢があることが当たり前のように感じていました。

しかし、住宅は地域性の非常に強い商品です。

土地の価格も違えば、気候も違う。

人気の間取りも違いますし、住宅に対する考え方も地域によって違います。

そして何より、人口減少が進む地域では住宅そのものの需要が減っていきます。

そこに建築費や人件費が上昇してくれば、全国一律の営業体制を維持することが難しくなるのは当然とも言えます。

今回の再編では四国も検討エリアに含まれているとされていますが、現時点では具体的な県名までは明らかになっていません。

香川県がどうなるのかも、現時点では分かりません。

ただ、香川県、特に西讃エリアで仕事をしている私としては、少し考えさせられるニュースです。


大手が去ることは、必ずしも悪いことではない

もちろん、住宅は建てて終わりではありません。

定期的な点検や修繕、アフターメンテナンスなど、長い付き合いが必要になります。

その意味では、全国規模の会社が地域から撤退することは、購入者にとって不安材料になる部分もあります。

一方で、私は今回の動きを地域の工務店や地元ビルダーにとってのチャンスと捉えてもいいのではないかと思っています。

香川県はもともと木造住宅や地元工務店が好まれる土地柄でもあります。

地域の気候や土地事情、生活スタイルを知っている会社だからこそできる家づくりもあります。

大手が全国一律の戦略を見直す一方で、地域に根差した会社には、地域に根差した会社だからこその強みがあります。

「大手が撤退する=住宅市場が終わる」

と考える必要はありません。

むしろ、市場が変わるからこそ、新しい選択肢が生まれると考えた方が面白いと思います。

こちらを逆に好機と見て動くのはよし。

世の中のムードに飲み込まれて落ち込むのはダメです(笑)。


だからこそ「新築だけ」にこだわらない

そして、今回のニュースを含めて、これから住宅を取得する方に考えていただきたいのが、

「本当に必要な住まいは何なのか?」

ということです。

建築費が上がっている。

住宅ローン金利も上昇傾向。

新築住宅を取り巻く環境は、以前より厳しくなっています。

だからといって、必要な住まいまで諦める必要はありません。

まずは「本当に今、家が必要なのか?」を考える。

必要なのであれば、その次に、

「新築なのか?」

「中古住宅を購入してリフォームするのか?」

「今住んでいる家をリフォームするのか?」

と、選択肢を広げて考えてみることが大切です。

中古住宅+リフォームなら、立地の良い場所にある既存住宅を活用できる可能性もあります。

さらに、断熱改修や窓の改修、高効率給湯器の導入などには、現在さまざまな補助制度があります。

補助金があるから家を買う、工事をするのではなく、必要な住まい・必要な工事に対して、使える制度はしっかり利用する。

これからは、そんな考え方がより重要になってくると思います。


「待つ」だけではなく、今できることを考える

建築費も上がっています。

住宅ローン金利も上昇しています。

「もう少し待った方がいいのでは?」

そう考えるのは当然です。

ただ、待った結果、建築費や金利が下がる保証はありません。

だからこそ、

「いつ買うか」だけではなく、「どう買うか」

を考えてみてはいかがでしょうか。

新築、中古住宅、リフォーム、住宅ローン、補助金。

それぞれを組み合わせることで、今の環境でもできることはあります。

住宅業界そのものが大きく変わり始めています。

大手ハウスメーカーの事業再編も、その変化の一つなのかもしれません。

これからの住まい選びは、「大手だから安心」「新築だから正解」という時代から、自分たちに本当に必要なものを、自分たちに合った方法で手に入れる時代へ変わっていくのではないでしょうか。

せとうち不動産では、物件探しだけでなく、中古住宅+リフォームや住宅ローン、補助金の活用なども含めて、住まい方そのものをご一緒に考えています。

「まだ買うと決めていないけど、ちょっと相談してみたい」

そんな段階でも大丈夫です。

必要なものを、必要なタイミングで、できるだけ賢く。

これからの家探しは、そんな視点がますます大切になってくると思います。


◻︎◻︎共同通信 大和ハウス、一戸建ての部門再編 27年、23道県から撤退
  https://news.jp/i/1468219936794837325

  日経新聞 大和ハウス、新築戸建て受注絞り込み 5000万円以上に
  https://www.nikkei.com/article/DGKKZO98576290U6A900C2MM8000/

  住宅省エネ2026キャンペーン
  https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/

  新建ハウジング 7月着工、6.6万戸 25年度に次ぐ低水準で推移
  https://www.s-housing.jp/archives/429787


【本日の一曲】
微風ゾーン Bifuu_ZONE – The West 

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