香川県への移住を考えている方へ Vol.3 「3つの海を楽しめる香川の立地の魅力」

※岡山道「鴻ノ池SA」 『日本海↔︎太平洋 かにとくじらの道しるべ』より
香川県と聞くと、「瀬戸内海に面したおだやかな県」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。確かにそれは間違いありません。
ですが実は、この“瀬戸内のまち”香川、ちょっと車を走らせるだけで、日本の3つの異なる海の表情を楽しめる、そんな珍しくも恵まれた場所なんです。
今回は、私自身も実感している香川県の「立地の魅力」について、少しだけ深掘りしてみたいと思います。
■「瀬戸内海」だけじゃない、“3つの海”を楽しめる県
香川県は、瀬戸内海に面した県。海岸沿いには穏やかな波と多島美(たとうび)が広がり、まるで絵画のような風景が日常にあります。
波が静かなので小さな子どもでも安心して遊べる浜辺も多く、釣りやSUP、海辺のピクニックなど、海との距離がとても近い暮らしが叶います。
そんな瀬戸内海に日々触れながらも、香川県から少し足を延ばせば、まったく表情の異なる**「太平洋」と「日本海」**にも気軽に出かけることができるのです。
太平洋へは車で約100km、日本海へは約200kmほど。高速道路を使えば、高知市へは1時間ちょっと、鳥取や島根方面にも3時間程度でアクセス可能。
週末ドライブや日帰り旅行にはちょうどいい距離感ですし、時間に余裕があれば一泊してゆっくり楽しむのもおすすめです。
■高知の“太平洋”へ、迫力ある海とクジラに会いに行く
南へ向かえば、待っているのは雄大な太平洋。
香川の瀬戸内海とはまるで違う、大きく開けた水平線と、ダイナミックな波の音が出迎えてくれます。
私も年に数回、高知方面へ出かけていますが、その目的のひとつが“カツオ”です。
一本釣りで知られる新鮮なカツオは、高知の名物。藁焼きで仕上げた「カツオのたたき」を豪快にいただくと、「来てよかった~」と心から思えます。
観光の方だけじゃなく、高知の人たちも訪れる「ひろめ市場」もマストですので、ぜひお立ち寄りください。
また、太平洋側ではクジラの回遊が見られる地域もあり、運が良ければホエールウォッチングも体験できます。
さらには、黒潮の流れが生む高い波を活かして、サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツも盛ん。海を“遊び尽くす”にはぴったりのロケーションです。
■鳥取・島根の“日本海”へ、冬の味覚と神話の旅
一方、北へ向かえば、待っているのは厳かな表情の“日本海”。
冬の時期になると、多くの人の目的は「カニ」でしょう。松葉ガニや紅ズワイガニを求めて、私も年に1~2回は日本海側へ足を運びます。
日本海の海の幸は、寒さの中に旨みが凝縮されたような、どこか力強い味わいがあります。香川ではなかなか味わえない、冬ならではの贅沢です。
そしてもうひとつ、日本海側の魅力は歴史と神話の世界。
出雲大社や水木しげるロード(ゲゲゲの鬼太郎の作者のふるさと)は、観光としても非常に魅力的。日常とは少し違う“静けさ”や“物語”に触れたいときに訪れると、心がすっと落ち着く気がします。
■「3つの海の真ん中」で暮らすという贅沢
こんなふうに香川県は、3つの個性の違う海が広がる、日本でも珍しい立地にあります。
しかも、そのどれもが“日帰り圏内”であるというのが最大の魅力です。
ちょっと遠出したいな、という気分の日に「今日は南へ」「今度は北へ」と、行き先の選択肢が多いのが本当にありがたいと感じています。
また、地理的に中央に位置していることは、災害時のリスク分散や物流の安定性という意味でも、大きな安心材料となります。
(香川は海に挟まれているだけじゃなく、四国山地と中国山地の2つの山に挟まれてもいます。)
■香川に住みながら、“よその良さ”も楽しめる
香川県自体も非常に魅力的な場所ですが、決して「閉じた場所」ではなく、「外とのつながりが持ちやすい場所」だと思います。
瀬戸内の恵みを日常で楽しみながら、ときには日本海の冬の味覚を味わい、太平洋の冒険に出かける——。
移動に疲れすぎず、それでいて非日常も感じられるこの距離感は、なかなか得がたいものです。
実際に移住された方の中には、「旅行の幅が広がった」「季節ごとに目的地が変えられて楽しい」といった声も多く聞かれます。
香川に暮らしながら“旅を暮らしの延長にする”、そんなライフスタイルが自然とできるのも、この立地ならではの魅力だと思います。
■おわりに
「香川って、どこにあるの?」と聞かれたら、私はよく「3つの海のちょうど真ん中あたり」と答えます。
そう言うと、ほとんどの人が「なんだかお得な場所だね」と笑ってくれます。
海とともに暮らしたい人、魚が好きな人、旅が好きな人。
そんな方にこそ、ぜひ香川県という選択肢を知ってほしいと思います。
【本日の一曲】
Donald Byrd / Places And Spaces