2026 11 06

ふりがなは子ども向けだけじゃない!「ルビ」が広げる、読むことの楽しさと可能性  -ルビ財団 松本大-

本や新聞、雑誌などで、漢字の横や上に小さく書かれている「ふりがな」。普段はあまり意識することがありませんが、実はこれを「ルビ」と呼びます。

難しい漢字の読み方を教えてくれる、子ども向けの本に付いているもの。そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

ところが最近、このルビをもっと社会に広めようという活動が注目されています。今回は、知っているようで知らない「ルビ」の世界についてご紹介します。


そもそも「ルビ」って何?

ルビとは、漢字などの文字に読み方を添えるため、本文より小さく配置される文字のことです。

縦書きなら漢字の右側、横書きなら上側に付けられるのが一般的です。

実は「ルビ」という名前にも面白い由来があります。明治時代、イギリスから輸入された5.5ポイントの活字が、宝石の「ルビー」と呼ばれていました。当時、ふりがなに使われていた小さな活字のサイズがそれに近かったことから、「ルビ」という呼び名が定着したといわれています。

ルビには、難しい漢字の読み方を示すだけでなく、漢字とは違う読み方をあえて当てる使い方もあります。

例えば「本気」と書いて「マジ」と読ませたり、「強敵」と書いて「とも」と読ませたり。漫画や小説などでは、言葉に特別な意味やニュアンスを持たせる表現としても活躍しています。


実は日本ならではの文化?

文字に読み方を添える仕組みは、日本だけのものではありません。中国では漢字の読みを示すために「拼音(ピンイン)」を付けることがあります。

ただ、日本のように一般の出版物や小説、新聞などで幅広くルビを使い、特殊な読み方まで表現する文化は特徴的です。

昔の日本では、子ども向けの本だけでなく、大人が読む小説や新聞にもルビが多く使われていました。しかし、戦後の出版事情や活字を組む作業の負担、誌面の見た目など、さまざまな理由から次第に減っていったといわれています。


ルビがあるから、知らない世界に出会える

2023年に設立された一般財団法人ルビ財団は、ルビを社会に広め、誰もが知識や情報にアクセスしやすい環境づくりを目指しています。

創設者の松本大さんは、子どもの頃、家中が本で埋め尽くされた環境で育ったそうです。

その本棚には、探偵小説だけでなく、園芸書や美術、科学に関する本など、さまざまなジャンルの本が並んでいました。子どもでも読めるようにルビが付いていたため、難しい漢字が読めなくても興味のままにページをめくることができたといいます。

「読めるから読む」。そして、読んでいるうちに知らなかった世界に興味を持つ。

ルビは単に読み方を教えるだけでなく、好奇心の入り口にもなっていたわけです。

実際に科学雑誌『Newton』の別冊シリーズでは、2023年から総ルビ化が進められました。量子力学や宇宙、医学など、難しい専門用語が並ぶ内容でも、読み方が分かれば最初の一歩を踏み出しやすくなります。子どもだけでなく、大人が学び直すきっかけにもなりそうです。


これからは大人の文章にもルビを

ルビ財団では、ウェブサイトにふりがなを表示できる「ルビフルボタン」の提供なども行っています。対応するサイトに導入すれば、ボタンを押すだけで文章にルビを表示できる仕組みです。

学校のお便りや役所の書類、美術館の解説など、難しい言葉が使われる場面は意外と多いもの。子どもや外国人、日本語の漢字を読むことが苦手な人にとって、ルビがあるだけで情報に触れる機会が広がります。

もちろん、ルビが多いと読みにくいと感じる人もいます。だからこそ、文字の大きさや配置など、読みやすいデザインの工夫も大切です。

すべての文章にルビを付ける必要はないかもしれません。でも、必要なところに自然にルビがある社会は、今より少し親切で、誰にとっても学びやすい社会なのではないでしょうか。

普段は気にも留めない小さなふりがな。次に本や街の案内板を見るときは、ちょっとだけ「ルビ」に注目してみてください。


◻︎◻︎一般財団法人 ルビ財団
  https://rubizaidan.jp/

  ルビフルボタン
  https://rubizaidan.jp/rubyful-button/


【本日の一曲】
El Michels Affair feat. Ahemaa Nwomkro – Oh Medaase!

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