2025 06 28

洗面脱衣所が進化中!「脱ぐ・洗う・干す・しまう」が一か所でできる間取りの話

家づくりの中で、ここ数年でとても変化してきた場所があります。
それが「洗面脱衣所」まわりです。

ひと昔前までは、お風呂に入る場所=脱衣所、ということで、「洗面脱衣所」として1室にまとめられている間取りが一般的でした。
ところが、最近ではこの洗面脱衣所を、「洗面所」「脱衣所」、さらに**「ランドリールーム」**へと、分けたり組み合わせたりするスタイルが人気になっています。

一体、なぜそんな風に変わってきたのでしょう?
今回は、暮らしのカタチに合わせて進化する洗面脱衣所まわりの間取り事情をご紹介します。


■なぜ「洗面所」と「脱衣所」を分けるの?

まず、よくあるお悩みとして——
「誰かがお風呂に入ってると、洗面所が使えない!」

これは意外とストレスなんですよね。
朝の忙しい時間帯に、子どもが歯を磨きたい、夫がひげを剃りたい、でも誰かが入浴中で使えない……という状況、思い当たる方も多いのではないでしょうか?

この解決策として、最近では**「洗面所」と「脱衣所」をそれぞれ独立させる**間取りが注目されています。

洗面所だけを独立させておけば、誰かがお風呂に入っていても、他の家族が気兼ねなく洗面台を使えるんですね。
プライバシーにも配慮でき、家族が多いご家庭や来客の多い家では特に喜ばれる間取りです。


■花粉・黄砂・PM2.5…外干ししにくい今だからこそ

そして近年、外干しをしない人が増えているのも、間取りに変化が起きている大きな理由です。

花粉症の方、黄砂やPM2.5を気にされる方、小さなお子さんがいる家庭では、「なるべく室内干しにしたい」という声がとても多くなりました。

そんなニーズに応える形で、「洗面脱衣室にランドリースペースをプラスする」という間取りが定番化してきています。

洗濯機を回して、終わったらすぐその場で干せる——
脱ぐ → 洗う → 干すという動きが、そのまま1つの場所で完結するのは、本当にラクなんです。


■少し広めの洗面脱衣室がちょうどいい

よく見られるのが、洗面脱衣室を少し広めにして、ハンガーパイプを設置してあるタイプ。
物干しスペースとして十分な広さがあるので、洗濯物もゆったり干せて、動線もムダがありません。

この空間には、洗濯物をたたむためのカウンターや、タオル・下着・ルームウェアなどを収納できる棚を設けるケースも多く見られます。

「お風呂に入る → 服を脱ぐ → 洗濯する → 干す → たたむ → 収納」
これが一か所でできるのは、家事が本当にラクになると好評です。

また、洗面台の横に設けたカウンターは、身支度用にも洗濯物用にも使える便利なスペース。
メイクやスキンケアの場にもなり、「朝の準備スペース」としても活躍してくれます。


■来客が多い家には「引き戸で仕切れる間取り」も

とはいえ、洗面脱衣室がそのまま物干し場になると、「ちょっと来客の時に気まずいかも……」という方もいらっしゃいます。

そんな方におすすめなのが、洗面脱衣室とランドリールームを引き戸などで仕切る間取りです。

普段は開けて広々使い、来客時にはサッと引き戸を閉めて生活感を隠す。
まさに「見せたくないところは見せない」という現代らしい設計ですね。


■「ファミリークローゼット」とセットで効率アップ!

さらに最近、とても多く見られるのが、洗面脱衣室+ランドリールーム+ファミリークローゼットを組み合わせた間取り。

ここまでくると、**「脱ぐ → 洗う → 干す → たたむ → しまう → 着る」**が、ほんの数歩で完結します。
これまで「洗って→取り込んで→各部屋に配って収納」という手間があった方には、本当に画期的な動線の短さだと思います。

ファミリークローゼットは、家族全員の衣類を一か所にまとめて収納できるスペース。
洗濯動線とつなげれば、取り込んだ洗濯物をそのまま片付けるだけなので、“あちこちに持って行く手間”がなくなります。

洗面台の並びに大容量の収納棚を設けて、タオルや下着などを収めておけば、入浴後の身支度もスムーズ。
時間に追われる毎日の中で、「ほんの10分の時短」でも積み重なると、家族の余裕にもつながります。


■「暮らしの流れ」を優先した間取り選びを

昔のように、洗面所・脱衣所・洗濯スペースがバラバラだった時代には、それぞれの動線に“ムダ”がありました。

でも今は、暮らしに合わせた間取りづくりが主流です。
家族の人数やライフスタイル、来客の有無などに応じて、「洗面脱衣室を広くするか」「分けるか」「ファミリークローゼットまで連動させるか」など、選択肢が本当に豊富になっています。

「なるべくラクに、ムダなく暮らしたい」
そんな気持ちに寄り添う住まいが、今どんどん増えてきています。


■おわりに

洗面脱衣所といえば、昔は“お風呂の付属部屋”というイメージでした。
けれど今は、暮らしの中で重要な家事や身支度の動線が集中する、いわば**「住まいのハブ」**のような存在になっています。

あなたの暮らしには、どんな洗面まわりが合っているでしょうか?

今お住まいの家の改善にも、新しい住まいづくりのヒントにも。
「洗う場所」から「暮らしの効率を上げる場所」へ進化した洗面脱衣室のアイデア、ぜひ一度じっくり考えてみてくださいね

【本日の一曲】
The Cinematic Orchestra / To Build A Home