【植物のある暮らし ・柿編vol.1 実がおっきくなってきてる、 、 、 、 えっ!?】

~のどかな柿の木の裏に潜む、小さな大事件~
家の裏側に一本の柿の木があります。
毎年秋になると、しっかりと実をつけてくれて、裏庭にちょっとした季節の風景を運んでくれます。
今年も、6月の半ばを過ぎた頃から、「あ、また実がなってきたな」と思いながら、朝の水やりや洗濯物干しのついでに、ちらりと眺めていたんです。
小ぶりな青い柿の実がちらほら枝先にぶら下がっていて、これは秋が楽しみだなぁ……と、ごく自然に、そんなふうに思っていました。
ところがある日。
いつも通り2階の窓から柿の木をていたとき、ふと違和感が。
「ん? なんだか葉っぱが少ないような……」
最初は風で飛ばされたかな、と思ったりもしました。でも枝先を見ると、葉っぱの端っこがギザギザに食べられたような形になっている。そして枝の奥の方では、葉っぱが茶色く縮れて枯れている。
これは何かおかしいぞ、とさらに近づいてよーく見てみると……
毛虫!!!!! しかも大量!!!!
目を疑いました。
幹にも、枝にも、葉にも、そしてなんと青い柿の実にまで、びっしりと毛虫が……。
調べてみると、これは「ヒロヘリアオイラガ」という、イラガ類の毛虫。
名前の響きは少し可愛らしくもありますが、全然可愛くない!!
この毛虫、毒があります。うっかり触ってしまうと、かなり痛い思いをするという、厄介なやつです。
このまま放っておいたら、葉っぱはどんどん食べられ、柿の実も傷んでしまう。
というより、既にその兆しが出ている……これはもう、悠長なことを言っていられない!
あわててスマホで毛虫駆除の情報を検索し、地元のホームセンターへ直行。
「イラガ用」と書かれた殺虫剤を買ってきて、即・散布です。
いやはや、植物との暮らしにはこういうこともあるんですね。
「自然とともに生きる」って聞くと、聞こえはいいけど、実際には「虫と向き合うこと」でもあるという現実を、久しぶりに痛感しました。
今回の一件でわかったことは、大きく二つ。
一つは、「植物はこまめに観察するべし」。
ちょっとした変化を見逃さないこと。今回は葉が少し減っていることや、葉先の食べ跡が小さなサインでした。
何かが起きる前兆って、ちゃんと植物が教えてくれているんですよね。
そしてもう一つは、「毛虫は静かに、でも確実に増殖する」。
彼らの生命力、あなどるなかれ。気づいた頃には、もうかなり侵略されていることが多いです。
駆除はできるだけ早く、そして徹底的に。再発防止のための消毒も、数日後にもう一度行う予定です。
思い返せば、昨年は特に虫害もなく、たくさんの実を収穫できて、干し柿にしたり、ご近所に配ったりしていました。今年もそうなると信じて疑っていなかったのですが……自然は毎年、同じ顔をしてくれないものですね。
それでも、私はこの柿の木が好きです。
季節の移り変わりを知らせてくれ、秋にはたっぷりと実をつけ、家の裏にほのかに甘い香りを漂わせてくれる。そんな木が庭にあるというのは、やっぱりうれしいもの。
今回のように、毛虫にやられることがあっても、それでも懲りずに手入れを続けて、来年もまたこの木と一緒に季節を過ごしたいなと思っています。
「植物のある暮らし」は、癒しだけじゃない。小さな闘いも、たくさんの学びもある。
だからこそ、暮らしが少しずつ豊かになっていく気がするのです。
さて、今夜はもう一度、柿の木の様子を見に行ってみようと思います。
次は、虫がいないといいなぁ……(切実)。
■■病害虫図鑑(アース製薬):害虫について – イラガ類
https://www.earth.jp/earthgarden/zukan/gaichu/iraga.html
【本日の一曲】
Elis Regina / Madalena