2025 07 16

【植物のある暮らし キウイ編vol.1 天然の緑のカーテン】

今年もたっぷり実ってきました!広がる葉の影と庭の季節感

このところ温室でのマンゴーの話題が続いていましたが、今日は庭に戻って、キウイのお話です。季節が進み、日差しが強くなるにつれて、庭のキウイがいきいきとした姿を見せてくれるようになりました。枝をぐんぐんと伸ばし、空に向かって葉を広げ、今年もたくさんの実をつけてくれています。

キウイの木は、実はここ数年で一気に成長した存在です。もともとは何気なく植えた小さな苗木でしたが、今では庭のフェンスに沿ってツルを這わせ、上へ横へとどんどん広がって、ちょっとした緑のカーテンのようになっています。特に今年は葉の茂り方がすごく、庭の一角にしっかりと影を落としてくれていて、それがまた夏の強い日差しから私たちを守ってくれているように感じられます。

この葉の広がりがもたらす効果は、想像以上。庭のベンチに座って見上げると、キウイの葉の隙間からこぼれる柔らかな日差しが、なんとも心地よいのです。まるで自然のパラソル。風が吹くと、葉がさらさらと音を立て、木漏れ日がちらちらと踊る。夏の始まりの、ちょっとした贅沢な時間です。

そして、そんな葉の陰に、今年もキウイの実がたくさん顔を出し始めました。まだ小ぶりですが、手に取るとぷっくりとしていて、どれも生命力に満ちた色合いをしています。昨年は予想以上の大豊作で、うれしい悲鳴をあげるほどでした。自分たちではとても食べきれず、ご近所や友人知人に配って回ったのも、今では楽しい思い出のひとつです。

今年も同じような雰囲気で、あちこちから「またキウイできたらちょうだいね」と声をかけていただいていて、それがまたうれしい励みになっています。こうして実ったものを通じて人と繋がれるのは、植物を育てる大きな魅力の一つかもしれません。

ところで、キウイは比較的育てやすい植物だと言われていますが、それでも季節ごとにいろんな表情を見せてくれます。春先の若葉、初夏の花、そして今の実の成長と葉の茂り。ひとつひとつが季節の移ろいを知らせてくれるサインのようで、毎日庭に出てはその小さな変化に気づくことが、私のささやかな日課になっています。

朝、コーヒーを片手に庭に出て、キウイの様子を見る。昨日より少し実が大きくなっていたり、新しいツルが伸びていたり、あるいは葉の形が少し変わっていたり。そんな小さな発見に「よし、今日もがんばろう」と思えるのは、植物が私にとってのリズムのような存在になっているからかもしれません。

庭で過ごす時間は、キウイだけでなく、周囲の風景にも意識を向けさせてくれます。最近では、キウイの陰で小さな虫たちが動いているのを見かけることも多く、夏の訪れを実感します。ときには小鳥が枝にとまり、実をつつこうとする様子も。そのたびに、思わず「まだ早いよ~」と声をかけたりして(笑)。

キウイの育つ姿を見ていると、「育てることは待つことだな」とつくづく感じます。水やりをし、陽の光を浴びさせ、肥料をあげて見守る。その積み重ねが、実りという形になって返ってくるまでには、どうしても時間がかかります。でも、その時間があるからこそ、実がなったときの喜びは大きいものになりますし、自然のサイクルの中で自分も一緒に呼吸しているような感覚になるのです。

この夏も、キウイの葉の陰でたくさんのことを感じられるのだと思います。実が熟すのはもう少し先のことですが、今年もたくさん収穫できることを期待して、引き続き見守っていきたいと思います。

庭からの小さな季節の便り、読んでくださってありがとうございました。

【本日の一曲】
Harvey Mason / On and On