台風シーズン間近!住まいと設備の災害対応

~『自分でやれる』もしもの時のQ&A集~
今年も台風シーズンが近づいてきました。
突然の停電や断水、台風による浸水、さらには地震や寒波といった自然災害は、いつどこで起こるかわかりません。
そんな時に「知っているかどうか」で被害を減らせることがたくさんあります。
そこで今回は、住宅と設備に関する災害時の応急対応を、Q&A形式でわかりやすくまとめました。
「いざという時に、まず何をすべき?」という疑問にお答えします。
Q1. 停電した時、やるべきことは?
停電の原因は落雷や台風、地震などさまざまですが、復旧時に起こる火災や事故を防ぐため、以下のことを必ず実施してください。
✅ 停電中に外出(避難)する場合の対応
- 分電盤のブレーカーを切る
- 家電製品のコンセントを抜く
これを怠ると、電気が戻った瞬間に家電が同時に動き出し、発火や感電の危険があります。
⚠ やってはいけないこと
- 浸水や雨漏りで濡れたコンセントにブレーカーを戻さない
感電や火災の危険性があります。復旧する場合は、必ず住宅メーカーや専門業者に相談してください。
Q2. 断水になったらどうする?
断水すると、飲み水やトイレの水にも困ります。そんな時は、貯湯タンクの水を活用しましょう。
エコキュートやエネファームなどの給湯器にはお湯をためるタンクがあり、その中の水を雑用水として使用できます。(※飲用は避けてください。)
参考URL
トイレの水を流す方法
バケツで6~8L程度の水を一気に流し込みます。静かに3~4L追加するとより確実です。
※タンクレスの場合は操作が必要な製品もあるので、取扱説明書を確認してください。
復旧後の注意
断水が解消されても、最初は濁り水や鉄サビ臭が出ることがあります。
- 赤っぽい濁り → サビ、数分で透明になればOK
- 白っぽい濁り → 空気混入、しばらく流せば透明に
- 鉄サビ臭 → 飲料水には不適
洗浄便座などの家電は、きれいな水が出るまで使用を控えましょう。
Q3. ガスが止まったときの対応は?
震度5以上の地震や大きな衝撃で、ガスメーターの安全装置が作動し、ガスが自動停止することがあります。
赤いランプが点滅していたら、以下の手順で復旧します。
✅ 復旧方法
- ガス器具の元栓、コンロのツマミを閉める
- 屋外のガスメーターの「復帰ボタン」を押す
- 3分待つ → ランプの点滅が止まれば使用OK
⚠ ガス臭い場合は…
- 窓を開けて換気
- スイッチや電気製品には絶対触れない
- 室外でガス会社に連絡
プロパンガスは床近く、都市ガスは天井近くにたまるので、うちわやほうきで外へ追い出します。
Q4. 台風や豪雨に備えて何をすべき?
事前対策がカギです!
- バルコニーや排水口を掃除
- 窓や雨戸をしっかり施錠
- 窓ガラスにテープで飛散防止
- 植木鉢や自転車は室内へ
- プロパンタンク、カーポートの固定を確認
事後対応で絶対にやってはいけないこと
- 浸水した電気設備や太陽光パネル、蓄電池には触れない
→ 感電や火災の危険があります。乾いても使わないでください。 - 濡れたコンセントに通電しない
→ 必ずブレーカーを落とし、専門業者に確認を依頼しましょう。
Q5. 地震の時は?
まずは身の安全。
- 揺れている間は机の下に隠れる
- 頭をクッションなどで保護
- ガラスや吊り下げ照明から離れる
揺れがおさまったら
- ブレーカーを落とす
- ガスの元栓を閉める
- 水道の元栓を閉める
- 家電のコンセントを抜く
避難前に確認
- 玄関ドアを開けて出口を確保
- ガラス片や倒れた家具に注意
- 避難経路の安全を確保
連絡は災害伝言板などを活用(音声電話はつながりにくくなります)
自動車での避難はNG → 緊急車両の妨げになります。
Q6. 大雪や寒波の時の注意点は?
給水管の凍結に注意!
凍結で水やお湯が出ない場合は、以下の方法で対応できます。
- ドライヤーで温風を当てる(温めすぎ注意)
- ぬるま湯(30~40℃)をタオル越しにかける
- 蒸しタオルで凍結部を温める
⚠ やってはいけないこと
- 熱湯をかける(配管破裂の危険あり)
積雪が多いときは、給湯器の吸排気口の雪を除去してください。
放置すると不完全燃焼や故障の原因になります。
まとめ
災害は突然やってきます。
でも、「知っている」ことは大きな武器です。
今回紹介したQ&Aは、すべて日常でできる応急対応ばかり。
ぜひ、ご家族やご近所とシェアして、いざという時に備えてください。
■■出典:住宅産業協議会「住まいと設備の災害対応」
https://www.hia-net.gr.jp/saigai.html
【本日の一曲】
Soichi Terada / Grand Senshuraku – Sumo Jungle Far East Recording