日本でいちばん小さな都道府県・香川県の魅力

「一つの市よりも小さい県」
日本でいちばん小さな都道府県、それが香川県です。
香川県の面積は約1,877平方キロメートル。この数字だけを聞いてもピンとこないかもしれませんが、実は日本でいちばん大きな市、岐阜県の高山市(面積約2,177平方キロメートル)よりも小さいのです。つまり、香川県という一つの「県」が、たった一つの「市」よりも狭いということになります。
「47都道府県のひとつ」として存在していることを考えると、不思議でユニークな県だと言えるでしょう。
しかし、狭いことは必ずしも不便や不利を意味しません。むしろ香川県は「小さいからこそ魅力的」なポイントがいくつもあるのです。
人口密度は全国上位
香川県には現在およそ90万人が暮らしています。数字だけ見ると、東京や大阪に比べると小規模ですが、面積の小ささを考えると実は人口密度は全国でも上位に入ります。
さらに特徴的なのは、香川県が四国の中でも山が少なく、平地が多いこと。これによって、各都市がバラバラに離れて存在しているのではなく、ゆるやかにつながるように連続しているのです。高松市、丸亀市、観音寺市といった街がリレーのようにつながり、県全体がひとつの大きな都市圏のような雰囲気を持っています。
この「都市と都市が地続きに広がっている感覚」は、山が多くて盆地や谷に街が点在する地域とは大きな違いです。小さい面積の中で効率よく生活の場が形成されていることが、香川県の暮らしやすさを支えています。
四国山地が守る穏やかな気候
香川県の南部には、徳島県との県境に四国山地が広がっています。この山脈は、西日本で最も標高の高い**石鎚山(1,982m)や、二番目の剣山(1,955m)**を含む雄大な山岳地帯です。
この山地が「自然の盾」となり、台風や豪雨などの自然災害から香川県を守ってきました。もちろん、まったく災害がないわけではありませんが、日本の中でも比較的被害の少ない地域であることは事実です。
穏やかな瀬戸内海に面し、背後には四国山地に守られている香川県は、災害リスクが少なく、安心して暮らせる県として評価されています。
四国の玄関口としての役割
香川県は四国の北東部に位置し、本州とのアクセスの要所でもあります。
瀬戸大橋を渡れば岡山県までわずか数十分。新幹線や高速道路、フェリー航路を使えば、関西圏や中国地方との行き来もスムーズです。
「四国の玄関口」と呼ばれる理由はここにあります。四国の他県に比べても交通の利便性が高く、流通や経済、観光の拠点として重要な役割を担っています。
小さな県でありながら、その立地的な価値は非常に大きいのです。
コンパクトだから暮らしやすい
香川県の魅力は「コンパクトであること」そのものにあります。
- 車を使えば県内の主要都市を1時間前後で行き来できる
- 都市と自然が近く、生活圏のすぐそばに海や山がある
- 災害リスクが少なく、穏やかな気候に恵まれている
これは都会の便利さと田舎の暮らしやすさを、ちょうどよく併せ持ったような環境です。
さらに、全国的に見ても物価が比較的安く、住宅費も抑えられるため、生活コストを低く抑えながら豊かな暮らしを実現できる点も魅力でしょう。
「小さいからこそ光る」香川県の誇り
香川県といえば「讃岐うどん」が有名ですが、それだけではありません。面積が小さいからといって存在感が小さいわけではなく、むしろ日本全体の中で「独自の個性を放つ県」として存在しています。
面積の狭さを逆手に取った効率のよい都市形成、四国山地に守られた穏やかな気候、そして四国と本州を結ぶアクセスの要所としての立地。これらの要素が重なって、香川県は「住みやすさ」と「暮らしの安心感」を兼ね備えた県となっているのです。
「一つの市よりも小さい県」が、こうして日本の47都道府県のひとつとしてしっかり役割を果たしていることは、むしろ誇らしいことなのかもしれません。
まとめ
日本でいちばん小さい都道府県・香川県。
そのサイズ感は驚くほどコンパクトですが、人口密度は高く、街は互いにつながり、災害にも比較的強い。さらに四国の玄関口として重要な役割を果たしており、単に「小さい県」ではなく「効率的で暮らしやすい県」としての価値を持っています。
小さいからこそ、凝縮された魅力が詰まった香川県。
これからの時代、広さや規模よりも「質の高さ」「暮らしやすさ」が求められる中で、香川県はますます注目される存在になるでしょう。
【本日の一曲】
Reuben James · Vula · Vanessa Butler – Wings of a Butterfly