2025 10 14

「女性リーダー」が自然に生まれる社会へ

~“強さ”と“やさしさ”をあわせ持つリーダー像~

先日、自民党の新しい総裁に高市早苗さんが選ばれました。
ついに、日本で初めて女性の自民党総裁が誕生したのです。
このニュースを見て、「ようやく日本も変わってきた」と感じた方も多いのではないでしょうか。

政治の世界ではまだまだ男性が中心という印象がありますが、今回の出来事は、長い時間をかけて少しずつ進んできた日本社会の変化を象徴するようにも思えます。
SNS上では「女性がここまで来たことがすごい」「これからの日本に希望が持てる」という声も多く見られました。


G7の中で日本とアメリカだけだった「女性トップ不在」

実は、G7(主要先進7カ国)の中で、これまで女性首相・女性大統領を出していなかったのは、日本とアメリカだけでした。
ドイツではメルケル元首相が16年間も国を率い、イギリスにはサッチャー首相、そしてイタリアにも女性首相が誕生しました。

日本は経済的には豊かでも、「女性が政治や企業のトップになる」という点では、まだ道半ば。
たとえ女性役員の数が増えても、実際には「名ばかり」で、意思決定には関われないケースも少なくありません。
そんな現状の中で、今回の高市さんの総裁就任は、大きな意味を持っています。


「世襲ではない」政治家という強み

高市さんは、政治家の家に生まれた“世襲議員”ではありません。
奈良県出身で、学生時代にはアルバイトをしながら生活し、大学卒業後は民間企業で働いた経験もあります。
その後、テレビ番組のリポーターとして社会の現場を取材する中で、「政治が人の暮らしを動かしている」ことを実感し、やがて政治の道を志すようになりました。

日本の政治の世界では、親が議員だったり、地盤を引き継ぐケースが多い中で、彼女は自分の努力と信念だけで国政の舞台に立った稀有な存在です。
そうした経歴も、多くの人にとって親しみやすく感じられる理由のひとつかもしれません。


ドラム、バイク、スープラ——「かっこいい女性像」

高市さんには政治家としての顔だけでなく、意外な趣味やエピソードも多くあります。
学生時代からロックが大好きで、ドラムを演奏していたことは有名です。
しかもその腕前はなかなかのもので、テレビ出演の際にスティックを持つ姿も見せています。
リズム感と集中力、そしてチームで音を合わせる協調性。
もしかすると、そうした音楽経験が今の政治家としての冷静さや決断力にもつながっているのかもしれません。

また、高市さんはバイク好きとしても知られています。
若い頃から自分でハンドルを握り、風を切って走るのが大好きだったそう。
「ヘルメットをかぶって走っていると、誰でもない自分になれる」——そんな言葉を語っていたこともあります。
スピード感や爽快さを求めるその姿勢は、どこか彼女の政治スタイルにも通じるように思えます。

そしてもうひとつ。
長年乗り続けている愛車はトヨタの「スープラ」。
スポーツカー好きなら誰もが知る名車で、性能も見た目も群を抜いています。
この車を長く大切に乗っているという話からも、物を大事にする性格や、こだわりを持つ一面がうかがえます。

これらのエピソードを知ると、高市さんが“強くてしなやか”な女性であることがよくわかります。
「政治家」という堅い肩書きの裏に、人としての魅力や生き方の芯の強さが感じられるのです。


「女性だから」ではなく「この人だから」選ばれる時代へ

高市さんは以前から、「女性初」という言葉がつくことに少し複雑な思いを抱いているそうです。
あるインタビューで、彼女はこう話していました。
「“女性初”と呼ばれることは光栄ですが、いずれ“女性だからニュースになる”時代が終わってほしい」——と。

つまり、“性別”ではなく“人物そのもの”で評価される社会こそが理想だということです。
今回の総裁就任をきっかけに、女性が政治や企業で自然にリーダーとして選ばれる社会が近づいてくるといいですね。


女性リーダーが増えると、社会はどう変わる?

海外では、女性リーダーが増えると組織の雰囲気が柔らかくなり、意見が通りやすくなるという調査結果もあります。
また、女性特有の視点から「生活者に寄り添う政策」や「子育て・教育への支援」に力を入れる国も増えています。

高市さんが掲げる政策の中には、テクノロジーの活用や経済の安定だけでなく、「地域での支え合い」「女性が安心して働ける社会」といったテーマも含まれています。
単に“女性のための政治”ではなく、“誰もが生きやすい社会”を目指している点が印象的です。


「名ばかり女性登用」を越えていくために

日本では、「女性役員」や「女性管理職」が増えたといっても、まだ数字だけの目標達成にとどまることもあります。
本当に求められているのは、女性が自分らしくリーダーシップを発揮できる環境です。
高市さんが長く政治の第一線で戦ってきた背景には、男性中心の社会で孤立しながらも、自分の意見を貫いてきた強さがありました。

その姿は、多くの女性にとって「自分も挑戦していいんだ」と思わせてくれるものだと思います。


人が社会を変える——最初の一歩を踏み出す勇気

社会が変わるとき、必ず「最初に立ち上がる誰か」がいます。
最初は批判されたり、誤解されたり、思うようにいかないことも多い。
それでも自分の信念を持って進み続ける姿が、やがて多くの人の心を動かします。

高市さんのこれまでの歩みは、まさにその連続でした。
ドラムを叩くようにリズムを刻み、エンジンを吹かすように走り抜け、スープラのハンドルを握るように、自分の進む道を自分の手で選んできた人。
そんな生き方そのものが、次の世代に勇気を与えているように思えます。


リーダーは特別な存在じゃない

今回の総裁就任は、日本社会の大きな転換点です。
でも、高市さん自身はきっとこう思っているはずです。
「特別な人間だからここまで来られたのではなく、誰にでもチャンスはある」と。

努力して、あきらめずに、夢を持ち続ける。
そうした姿勢があれば、性別も年齢も関係ない。
これからは、そんな時代になっていくことを願いたいですね。

高市さんが見せてくれるのは、
“かっこいい女性”ではなく、“自分らしく生きる人の強さ”。
その姿をきっかけに、日本中で新しいリーダーが次々と生まれていく——
そんな未来を、少し楽しみにしたいと思います。

【本日の一曲】
Rapsody – 3:AM ft. Erykah Badu