2025 10 28

カレンダーを選ぶ時期になりましたね

朝晩が冷え込むようになってきました。街の木々はまだ紅葉していませんが、一気にこのまま冬に移行してしまいそうな今日この頃。「年の終わり」を意識し始める時期になってきましたね。
この時期の楽しみのひとつが、「来年のカレンダーを選ぶこと」。

文房具店や雑貨屋の一角に、いろんな種類のカレンダーが並び始めると、つい手に取って見比べたくなりますよね。卓上タイプ、壁掛けタイプ、写真、イラスト、名言入りのものなど……。毎日目にするものだからこそ、自分の好みに合ったものを選びたいところです。


手帳は早めに購入、次はカレンダー選び

私は毎年、手帳のリフィルは少し早めに文房具店で購入していて、すでに入手しました。仕事の予定や打ち合わせ、現場の進捗などを書き込むため、手帳は欠かせません。新しい年のリフィルを買うと、「そろそろ今年も終わりに近づいてきたな」と実感します。

手帳が準備できたら、次に考えるのがカレンダー。事務所の壁に掛けているカレンダーは、「安西水丸」さんのイラストのものを愛用しています。


「安西水丸さん」のイラストが持つ魅力

安西水丸さんといえば、広告や雑誌、装丁など、幅広いジャンルで活躍されたイラストレーター。村上春樹さんの本の装丁や、「タモリ倶楽部」などの番組イラストでも知られています。
シンプルなのに、どこか人間味があって、ユーモアを感じる独特の世界観。線の柔らかさや色づかいの穏やかさが、見る人の心をふっと和ませてくれます。

私の事務所に掛けているカレンダーも、水丸さんらしい優しいタッチのイラストが月ごとに描かれていて、ふとした瞬間に目をやると心がやわらぐような気持ちになります。


300mm×600mmの絶妙なサイズ感

このカレンダー、サイズはおよそ300mm×600mm。大きすぎず小さすぎず、壁に掛けても邪魔にならないちょうどいいサイズ感です。それでいて、水丸さんの絵の存在感は抜群。
事務所の白い壁に飾っても主張しすぎず、空間に自然に馴染む。それでいて、なんとなく「この部屋、ちょっといい雰囲気だな」と思わせてくれる。そんな不思議な魅力があります。

仕事の合間にカレンダーをふと見上げたとき、「ああ、もう10月か」「来月はこの絵になるのか」と思う瞬間も、なんだか心が穏やかになります。毎日見るものだからこそ、こうした“さりげない癒やし”があるのはありがたいですね。


来年もやっぱりこのカレンダーに

今年も、来年2026年の「安西水丸カレンダー」が発表されました。
公式の紹介文には、こんな一文があります。

 ”稀代のイラストレーターの、色褪せない絵と言葉。
 一本の水平線に、愛するモチーフを絶妙なバランスで配したイラスト。
 残された数万枚の原画から厳選した12枚に、本人の言葉を添えてお届けします。”

この紹介を読むだけでも、水丸さんの世界観がそのまま伝わってくるようです。カレンダーというより、“作品集”のような存在。絵とともに添えられた言葉も、日々の気持ちを穏やかに整えてくれます。


「時間を眺める」という贅沢

デジタルのカレンダーやスケジュールアプリが主流の時代。
スマホを見ればいつでも予定が確認でき、リマインダーも通知してくれる便利な世の中になりました。
それでも、壁に掛けたカレンダーを「眺める」という行為には、デジタルにはない“温かさ”があります。

ページをめくるときの指先の感触、紙の質感、イラストの色合いの微妙な違い。
どれも“時間を感じる”ための小さな儀式のようなもの。
1か月を終え、次の月をめくるとき、「今月もよく頑張ったな」と小さく自分をねぎらう。そんな気持ちになれます。


カレンダーがつくる、部屋の空気

事務所に訪れるお客様の中にも、「このカレンダーいいですね」と声をかけてくださる方が多くいらっしゃいます。
不動産のお仕事では、家や空間の印象づくりがとても大切ですが、こうした小さなアイテムも空間をつくる大事な要素だと思います。

無機質な空間に、少し温かみを加える。
シンプルだけど個性がある。
そんな要素がひとつあるだけで、空間がぐっと居心地よく感じられます。

「いい家」や「いい暮らし」というのは、必ずしも広さや設備だけではなく、こうした“心の余白”をどう作るかにも関係しているのだと思います。


カレンダー選びは、暮らしのリズムを整える時間

年の瀬が近づくこの季節。
「来年はどんな年にしたいか」「どんな時間を過ごしたいか」を考える良いきっかけにもなります。
壁にかけるカレンダーを選ぶことは、実は“来年の自分の暮らし”をデザインするようなもの。

どんな絵を毎日見るか。
どんな言葉に囲まれて過ごすか。
それだけで、日々の気持ちはずいぶん変わるものです。


今年も残りわずか。気づけばあっという間の一年でした。
新しいカレンダーを用意して、また新しい時間を迎える準備を少しずつ始めたいと思います。

来年も、安西水丸さんのカレンダーとともに、穏やかで楽しい時間を重ねていけたら。
そんなふうに思いながら、今日も少し冷たい風の吹く事務所で、次の一年を想像しています。

【本日の一曲】
Kotoko Tanaka – The hole as a pond, the eyes from morning