2025 12 29

来年のカレンダーはこちらです

年末も押し迫ったある日、事務所に一つの荷物が届きました。
中身は来年のカレンダー。

……そうです。
手配し忘れていました(笑)。

毎年「そろそろ頼まないとな」と思いながら、気づけば年末。
結果、年の瀬ギリギリでの到着となりました。
とはいえ、ちゃんと間に合ったので良しとします。

来年も「安西水丸」さんのカレンダー

来年も選んだのは、安西水丸さんのイラストカレンダーです。
気づけば、もうこれで3年目になります。

初めて購入したのは2年前。
何気なく書店で手に取ったのがきっかけでした。

派手さはない。
でも、不思議と目が離せない。

一本の水平線、余白を活かした構図、
そこにぽつんと置かれたモチーフ。

そのシンプルさが、事務所の空間にとてもよく馴染むんです。

見るたびに気持ちが整う不思議な絵

安西水丸さんのイラストは、
「元気をもらう」というより
「気持ちがフラットに戻る」感覚に近い気がします。

忙しい日常の中で、
書類に追われ、電話に追われ、考えることが多いと、
知らず知らずのうちに頭も心もパンパンになります。

そんな時、ふとカレンダーに目をやると、
そこには静かな水平線と、
どこかとぼけたようで、でも芯のあるモチーフ。

「あ、大丈夫だな」
そんな気持ちにさせてくれます。

2026年版も安西水丸

今年ももちろん、
**「安西水丸 カレンダー 2026」**を選びました。

稀代のイラストレーターの、色褪せない絵と言葉。

この紹介文、まさにその通りだと思います。

安西水丸さんの絵の代名詞とも言える、一本の水平線。
そこに配置されるのは、犬だったり、船だったり、人物だったり。

どれも決して説明的ではないのに、
見る側の想像力を自然と引き出してくれます。

広告、雑誌、装丁など、
さまざまな媒体で時代を彩ってきたイラストレーターですが、
その作品は今見てもまったく古さを感じません。

むしろ、今の時代だからこそ、
この「引き算の美しさ」がより響く気がします。

原画と言葉、12か月の対話

このカレンダーの魅力は、
イラストだけでなく、添えられた言葉にもあります。

残された数万枚の原画から厳選された12枚。
そこに、安西水丸さん本人の言葉が添えられています。

決して押しつけがましくない。
でも、どこか刺さる。

一年を通して、
ゆっくり季節を追いかけながら、
絵と言葉と対話するような感覚です。

月が変わるたびに、
「今月はどんな絵だろう」とめくるのが、
ちょっとした楽しみになっています。

村上春樹との意外なつながり

余談ですが、
村上春樹さんの小説を読んだことがある方なら、
「渡辺昇」や「ワタナベノボル」という名前に
見覚えがあるかもしれません。

実はこの名前、
安西水丸さんの本名が元になっているそうです。

そう聞くと、
あの淡々とした、少し距離感のある世界観と、
安西水丸さんのイラストが
どこかでつながっているように感じます。

主張しすぎないけれど、確かに存在する。
前に出すぎず、でも消えない。

そんな共通点があるのかもしれません。

カレンダーは「暮らしの背景」

最近はスマホを開けば、
日付も予定もすぐに確認できます。

それでも、
紙のカレンダーを飾る理由は、
「情報」ではなく「空気感」なのだと思います。

特に事務所のように、
毎日同じ場所で過ごす空間では、
目に入るものが与える影響は意外と大きい。

来年も、
このカレンダーと一緒に一年を過ごすと思うと、
少し気持ちが整う気がします。

年末ギリギリの手配にはなりましたが、
結果オーライ。

来年も、
安西水丸さんのイラストに見守られながら、
淡々と、でも丁寧に、
日々を積み重ねていきたいと思います。

【本日の一曲】
Sonny Rollins – Sonnymoon For Two (Evening) (Live At The Village Vanguard/1957)