1月の消費動向から読み解く、これからの暮らしと地域経済
― 香川県の実感と照らし合わせて考える ―
年が明け、年末からの慌ただしさから日常が戻り始める1月。
毎年のことではありますが、消費の世界ではこの時期に一つの「踊り場」が訪れます。今回は、2026年1月の消費意欲指数をもとに、現在の消費動向を整理しながら、地方、特に香川県の暮らしや不動産・住まいの分野にどうつながっていくのかを考えてみたいと思います。
なお、今回の調査は三大都市圏(首都圏・名古屋圏・阪神圏)を対象としたもので、住宅関連の項目は含まれていません。そのため、地方である香川県では、数値以上に消費マインドが慎重になっている可能性もあります。その点を踏まえた上で読み進めていただければと思います。
消費意欲指数とは何か
まず、今回の指標となる「消費意欲指数」について簡単に整理します。
消費意欲指数とは、「モノを買いたい」「サービスを利用したい」といった気持ちを、100点満点で回答してもらい、その平均値を指数化したものです。いわば、生活者の“気分”を数値化した指標と言えます。
2026年1月の消費意欲指数は 48.1点。
前月比では -4.8ポイント、前年比でも -1.7ポイントと、いずれも低下しています。特に前月からの落ち込み幅は大きく、年末特有の反動が色濃く表れた結果となっています。
年末消費の反動が色濃く出た1月
1月は例年、消費意欲が落ち込みやすい月です。
クリスマス、年末年始、さらにはブラックフライデーなど、消費を後押しするイベントが前倒しで集中したことで、「使い切った後」の調整局面に入ったと見ることができます。
自由回答を見ると、その傾向はよりはっきりしています。
消費にポジティブな回答は、12月の597件から1月は448件へと大きく減少。一方で、ネガティブな回答は694件から819件へと増加しました。
特徴的なのは、ポジティブな理由の内訳です。
「セールがある・安売り・福袋」といった価格訴求型の理由は大きく増加していますが、「季節的な意欲向上」や「ボーナスなどで金銭的に余裕がある」といった、気分や可処分所得に基づく理由は減少しています。
つまり、「安いなら買うが、積極的に欲しいわけではない」という心理が強まっていることが読み取れます。
「欲しいものがない」という静かなサイン
ネガティブな回答で増えているのが、「今月までに多く使ったのでセーブ」「欲しいものがない・意欲がない」という声です。
特に「欲しいものがない」という回答は、前年同月比でも増加しており、単なる季節要因だけでは説明しきれない側面も感じられます。
一方で、「物価高・値上げ・円安」といった外部環境への不満は、前月比・前年比ともに減少しており、直近1年では最低水準となっています。
これは、生活者が値上げに慣れてきたとも言えますし、「価格」よりも「本当に必要かどうか」を厳しく見極める段階に入っているとも考えられます。
食・衣を中心に広がる消費意向の低下
「来月、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」と答えた人の割合は 30.1%。
前月比で -7.8ポイントと大きく低下し、前年比でもわずかに下回っています。
カテゴリー別に見ると、前月比では「食品」「外食」「ファッション」など、日常性の高い分野で消費意向が大きく減少しています。
年末に需要が集中しやすい分野だけに、その反動が如実に出た形です。
前年比では、「旅行」「日用品」「飲料」「化粧品」などが減少しており、生活必需品であっても買い替えや追加購入を慎重に考える姿勢がうかがえます。
香川県の実感とはどう違うか
今回の調査は三大都市圏が対象です。
地方、特に香川県のようなエリアでは、以下の点で状況が異なる可能性があります。
・可処分所得の伸びが限定的
・車社会で固定費が高い
・都市部ほどセールやイベントの影響を受けにくい
これらを踏まえると、香川県では数値以上に「引き締め意識」が強まっている可能性があります。一方で、生活の満足度やコストパフォーマンスを重視する傾向は、都市部よりも早く定着しているとも言えます。
住宅・不動産分野への示唆
今回の調査には住宅関連項目は含まれていませんが、消費マインドの変化は住まい選びにも確実に影響します。
・衝動的な購入よりも「納得感」を重視
・新築よりも中古+リフォームへの関心
・ランニングコスト(光熱費・維持費)への意識の高まり
香川県では特に、「身の丈に合った住まい」「長く安心して住める住宅」への関心が強まっており、これは消費全体の引き締め傾向と整合的です。
これからの消費は「量」より「理由」
1月の消費動向を総括すると、
「使わない」のではなく、「理由がなければ使わない」
という姿勢が、より明確になってきたと言えるでしょう。
安いから買う、流行っているから買う、という時代から、
「自分の暮らしに本当に必要か」「長く価値があるか」
を問い直す消費へと移行しています。
この流れは、地方での暮らしや住まい選びにとっては、決して悪いものではありません。むしろ、丁寧に選び、長く使うという価値観と親和性が高いと感じています。
おわりに
年明けの1月は、数字以上に生活者の心理が表れやすい月です。
今回の消費動向は、短期的な落ち込みであると同時に、これからの暮らし方を示すヒントでもあります。
香川県という地域で、どのような住まいを選び、どんな暮らしを築いていくのか。
消費の数字をきっかけに、改めて「自分たちにとっての豊かさ」を考える年の始まりにしたいものです。
◻︎◻︎出典:博報堂生活総合研究所 「1月の消費意欲指数」
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2025/12/202601.pdf
【本日の一曲】
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