【現場レポート】キッチンの漏水トラブル。原因は長年の「アレ」でした

昨日、ちょっと夜遅めの時間帯に、約18年前に新築をお手伝いさせていただいたOB様からお電話がありました。
「キッチンと床の間から水が染みてきているんです…」とのこと。
時間は夜の9時前。ご主人様は出張中で不在。
奥様は状況がわからず、とても不安そうなご様子でした。
この時間では、いつもお願いしている設備屋さんにも連絡が取れず…。
ということで、私が現場に向かうことにしました。
住宅の新築に携わって20年以上になりますので、こういったトラブルで考えられる原因はいくつか考えられます。
頭の中で「たぶんあの辺りかな…」と想像しつつ、現場へ急行。
お宅に到着し、キッチン周辺を確認してみると、やはり予想していた排水部分のトラブルのようです。
キッチンの排水口付近や、家の外の排水マスを確認しながら、配管の中を少しずつ探っていきました。
結果的には、応急処置ではありますが、水漏れは止まり、キッチンも使用可能な状態にまで復旧できました。
ひとまず、奥様にも安心していただけて本当に良かったです。
では、今回の漏水の原因は何だったのか?
それは――長年の油汚れによる排水管のつまりでした。
毎日の料理で使うキッチンの排水には、少しずつ油汚れが混じります。
どんなに気をつけていても、少しずつ少しずつ、排水管の内側に油がくっついていきます。
その積み重ねで、配管の中がどんどん狭くなり、水の流れが悪くなっていったのです。
今回のお宅でも、最近「流れが悪いな」と感じて、市販の洗浄剤を試されたり、簡易的なお掃除をされたりしていたそうです。
でも、すでに“お薬”では間に合わない段階にまで進んでいたんですね。
まさに“手術”が必要な状態でした。
とりあえずの対応は済みましたが、完全な解決のためには専門的な清掃が必要ですので、
本日、設備の職人さんと一緒に改めて伺い、しっかりと配管の内部を洗浄する予定です。
排水管は、普段なかなか目に見えない部分ですが、定期的なメンテナンスがとても大切です。
油汚れは静かに、でも確実に蓄積していきます。
何年もたってから突然水があふれる…ということのないよう、
「最近ちょっと流れが悪いかも?」と思ったら、早めにご連絡くださいね。
【本日の一曲】
Brian Eno / The Big Ship