鬼門・裏鬼門って本当に気にするべき? 住宅づくりでよく聞く家相の話
「鬼門」「裏鬼門」という言葉。
改めて文字を見ると、なかなかインパクトの強い言葉ですよね。
家づくりや土地探しをしていると、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「この玄関は鬼門だから良くない」
「裏鬼門にトイレは避けた方がいい」
住宅の間取りを考える際に、こういった話が出てくることがあります。
私がこの業界に入った20数年前頃は、今よりもこの「鬼門・裏鬼門」を気にされる方が多かった印象があります。
例えば、敷地の北側に道路があるのに、玄関がわざわざ南東側に回り込んでいる家。
これは鬼門(北東)や裏鬼門(南西)を避けるために、そのような間取りに計画されているケースです。
今回は、住宅づくりでよく話題に出る「鬼門・裏鬼門」について、改めて整理してみたいと思います。
鬼門・裏鬼門とは?
鬼門とは、風水や家相において「不吉な方角」とされている方向のことです。
具体的には次の方角になります。
鬼門(表鬼門)
北東の方角
裏鬼門
南西の方角
鬼門は「鬼が出入りする方角」と言われ、昔から災いが入ってくる方向と考えられてきました。
そしてその反対側の南西は「裏鬼門」と呼ばれ、鬼門から入った邪気が抜けていく場所とされています。
方角を角度で表すと次のようになります。
- 鬼門:15度〜75度(北東)
- 裏鬼門:195度〜255度(南西)
これは家の中心から見たときの方角で判断します。
昔から日本ではこの方角を非常に重要視しており、歴史的にもその考え方を見ることができます。
例えば、京都の平安京では鬼門の方角にあたる場所に「比叡山延暦寺」が建てられました。
これは鬼門を守るための「鬼門封じ」と言われています。
また、裏鬼門にあたる南西には「石清水八幡宮」が配置されています。
このように鬼門の考え方は、古代中国の思想が日本に伝わり、陰陽道などの影響を受けながら広まっていったものです。
家相でよく言われる「三所に三備を設けず」
家相の世界では、よくこんな言葉があります。
「三所に三備を設けず」
少し難しい言葉ですが、意味はこうです。
三所とは
- 鬼門
- 裏鬼門
- 宅心(家の中心)
三備とは
- 玄関
- キッチン
- トイレや浴室などの水回り
つまり、
鬼門・裏鬼門・家の中心に玄関や水回りを作らない方が良い
という考え方です。
特に玄関やキッチン、トイレなどは「気の出入りが多い場所」とされているため、鬼門ラインに配置するのは良くないとされてきました。
住宅の間取りを考える際に、この考え方をベースに設計されている家も少なくありません。
なぜ鬼門・裏鬼門を避けると言われるのか?
この考え方は単なる迷信のようにも見えますが、実は昔の住宅環境を考えると「ある程度合理的な理由」もあります。
北東(鬼門)の特徴
北東は日当たりが少なく、冬は冷え込みやすい方角です。
そのため、
- 湿気がたまりやすい
- 寒くなりやすい
- カビが発生しやすい
という環境になりやすい場所でした。
昔の住宅は断熱性能も低く、換気設備も十分ではありませんでした。
そのため、この場所にトイレやお風呂などの水回りを置くと衛生環境が悪くなりやすかったのです。
南西(裏鬼門)の特徴
一方で南西は西日が強く当たる場所です。
夏になると
- 室温が高くなる
- 熱がこもりやすい
という特徴があります。
昔は冷蔵庫もありませんでしたから、
食材を扱うキッチンがこの位置にあると食べ物が傷みやすいという問題もありました。
つまり、鬼門や裏鬼門を避けるという考え方は、当時の生活環境の中では理にかなった生活の知恵だったとも言えます。
現代の住宅ではどう考えるべきか
では、現代の住宅でも鬼門や裏鬼門は絶対に避けなければいけないのでしょうか。
結論から言うと、
そこまで神経質になる必要はない
というのが一般的な考え方です。
理由は単純で、住宅性能が大きく変わったからです。
例えば現在の住宅は
- 高断熱住宅
- 強力な換気設備
- 浴室暖房
- 冷暖房設備
などが整っています。
そのため昔のように
- 湿気がこもる
- 寒すぎる
- 暑すぎる
といった問題はかなり改善されています。
つまり、鬼門や裏鬼門を理由に間取りを大きく制限する必要は、現代ではそれほど大きくないと言えるでしょう。
それでも気になる場合の対策
とはいえ、鬼門や裏鬼門を気にされる方がいるのも事実です。
その場合は、無理に否定するのではなく、安心できる対策を取るのが良いと思います。
例えばよく言われる方法は次のようなものです。
清潔に保つ
特にトイレや浴室などはこまめに掃除することが大切です。
家相でも「清潔な家は運気が良い」とされています。
換気をしっかり行う
湿気がたまらないように換気をすることも重要です。
明るくする
照明を明るくしたり、明るい色の内装にすることで空間の印象も変わります。
観葉植物を置く
風水では植物が良い気を生むと言われています。
盛り塩やお札
気になる方は盛り塩や神社のお札などで安心感を得る方法もあります。
重要なのは、「気にしすぎてストレスになること」を避けることだと思います。
家相で一番大切なこと
住宅づくりをしていると、
「この間取りは家相的にどうですか?」
という質問を受けることがあります。
もちろん家相を大切にする考え方もありますし、それを尊重することも大事です。
ただ、個人的には住宅で一番大切なのは
家族が快適に暮らせること
だと思っています。
- 日当たり
- 風通し
- 動線
- 収納
- 生活のしやすさ
こういった要素の方が、日々の暮らしにはずっと大きく影響します。
家相はあくまで「参考の一つ」として考えながら、
最終的には自分たちの暮らしやすさを優先して間取りを決めていくのが良いのではないでしょうか。
まとめ
鬼門・裏鬼門とは、家相や風水で不吉とされている方角のことです。
- 鬼門:北東
- 裏鬼門:南西
昔の住宅環境では、湿気や寒さ、西日などの影響があったため、水回りや玄関を避けるという考え方が広まりました。
しかし現代の住宅は性能が大きく向上しているため、昔ほど神経質になる必要はありません。
もし気になる場合は、
- 掃除や整理整頓
- 換気
- 明るい空間づくり
といった対策を行えば十分だと思います。
家づくりは一生に何度もあることではありません。
家相を参考にするのも良いですが、それ以上に大切なのは
自分たちが安心して暮らせる家をつくること。
鬼門や裏鬼門の話も、その一つの「考え方」として上手に付き合っていくのが良いのではないでしょうか。
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