2025 05 27

【植物のある暮らし・枇杷(びわ)編】

先日ご紹介した「マンゴー編」に続いて、今回は我が家の**枇杷(びわ)**のお話を。

この枇杷の木は庭に植えてあるもので、マンゴーのように温室で守られているわけではなく、四季の変化をそのまま受け止めながら育っている一本です。自然のままに、けれど確実に、今年も実をつけてくれています。

ところで、枇杷の花が咲く時期をご存じでしょうか?
じつは冬の寒い時期に花を咲かせる、ちょっと珍しい果樹なんです。多くの果物の花が春に咲くなかで、枇杷は11月頃から白く小さな花を咲かせ始め、寒さの中でじっと実を育てていきます。

この冬に咲く花という特性から、**「寒さに耐えて咲くたくましさ」や「控えめだけど力強い美しさ」**を感じる方も多いそうです。私も毎年この時期に咲く花を見ると、寒さの中にも確かな生命力を感じて、なんとなく背筋が伸びる気がしています。

そんな枇杷も、今はもうすっかり実が大きく育ち、収穫が目前。まだ青みが残っていますが、来月の下旬にはオレンジ色に熟して、甘い香りが漂ってくることでしょう。

ただし、今の状態は実がたくさんつきすぎていて、まだ間引きをしていない段階。このままだと、どの実にも栄養が行き届かず、小粒で味がぼやけてしまいます。近いうちにいくつかを選んで落とし、残った実をしっかり育てる予定です。

「間引く」という行為は、少し切ないようにも思えますが、本当に良い実を育てるための大事なプロセス。これは植物に限らず、暮らしや仕事にも通じるなと、こうした作業をしているとよく思います。

この枇杷は完全無農薬。虫たちともうまく付き合いながら、できるだけ自然な形で実ってもらおうというスタイルです。甘さも見た目も市販のものには敵わないかもしれませんが、「自分の庭で育った」というだけで、特別な味わいになるから不思議です。

というわけで、次回は「間引き後の実の様子」や「色づきはじめた枇杷の変化」などをお届けできればと思います。

それではまた、庭からの小さな報告でした。

【本日の一曲】
Arested Development / People Everyday