2026 05 02

観音寺のシンボル「銭形砂絵」を守る砂ざらえ

先日、観音寺市の観光名所でもある銭形砂絵「寛永通宝」の“砂ざらえ”が行われました。
地元に住んでいると、子どもの頃から当たり前のように目にしている風景なので、ついその価値を忘れてしまいがちですが、全国的に見ても非常に珍しく、誇れる存在です。

改めて考えると、「砂浜に巨大な銭形を描いて、それを何百年も維持し続けている」というだけでも、なかなかすごい話ですよね。


実は“きれいな円”ではない?

銭形砂絵は、琴弾山の展望台から見るときれいな円形に見えるように設計されています。
ただ実際には、地上から見ると縦横の長さは異なっており、いわゆる“だ円形”に近い形になっています。

これは、見る場所を前提に計算されたデザイン。
昔の人の感覚や技術の高さに驚かされるポイントでもあります。


名勝・琴弾公園という場所

この銭形砂絵があるのが、名勝・琴弾公園。
観音寺市の西北に位置し、瀬戸内海に面したとても美しい場所です。

白い砂浜と、どこまでも続く松林。
穏やかな海とのコントラストが本当に心地よく、明治30年(1897年)に県立公園として開設され、その後、名勝指定、さらには瀬戸内海国立公園にも編入されています。

観光地としてだけでなく、地域の誇りとして長く守られてきた場所です。


約5万本の松がつくる景色

公園内には「観音寺松原」と呼ばれる松林が広がっています。
その数、なんと約50,000本。

海流と風によって運ばれた砂の上に形成された松林で、自然と人の手が合わさってつくられた独特の景観です。

銭形砂絵の周囲にも約2,200本の老松が植えられていて、これがまた砂絵を引き立ててくれています。
中には樹齢200年を超える松もあり、時間の積み重ねを感じることができます。

ちなみにこの松林、北野武監督の映画のロケ地としても使われたことがあるそうです。
確かに、あの静けさと独特の雰囲気は、映像としても映える場所だと思います。


巨大すぎる砂絵のスケール

銭形砂絵「寛永通宝」は、有明浜の白砂を使って描かれています。

その大きさは
・東西:約122m
・南北:約90m
・周囲:約345m

と、想像以上のスケール。
実際に近くで見ると、その大きさに圧倒されます。

江戸時代、藩主を歓迎するために“一夜で作られた”という伝説もあり、ロマンを感じるエピソードのひとつです。

そしてこの砂絵、
「見れば健康で長生きできる」
「お金に不自由しない」
と言われており、金運スポットとしても有名です。

宝くじが当たったという話もあって、観光客が訪れる理由のひとつになっています。


砂ざらえという大切な作業

ただ、この銭形砂絵は“砂”でできています。
風や雨によって、少しずつ形が崩れていってしまいます。

そこで行われるのが「砂ざらえ」という作業。
年に2回、春と秋に行われ、地元の方々を中心に約400人ものボランティアが参加します。

普段は立ち入ることのできない砂絵の中に入り、スコップなどを使って輪郭を整えていく作業は、見ているだけでも圧巻です。

約1時間半ほどの作業で、ぼやけていた輪郭がくっきりと蘇る様子は、まさに“職人技”。
人の手で守られているからこそ、この景色が今も残っているのだと実感します。


観光客を迎える準備

砂ざらえが終わると、銭形砂絵は再び美しい姿に。
連休を前に、観光客を迎える準備が整った状態になります。

また、夜にはライトアップも行われており、日没から22時まで楽しむことができます。
普段はグリーンですが、期間限定でゴールドやブルーに変わることもあり、昼とはまた違った雰囲気を味わえます。


当たり前の風景の価値

地元に住んでいると、「いつでも見られる」という感覚から、その価値に気づきにくいものです。

でも、こうして改めて背景や歴史、そして維持している人たちの存在を知ると、この風景がどれだけ特別なものなのかが見えてきます。

ただ“ある”のではなく、
“守られているからこそ、今ここにある”。

そう思うと、見え方も少し変わってきます。


これからも残していきたい景色

銭形砂絵は、観音寺市を代表するシンボルです。
そして同時に、地域の人たちの手で守られてきた文化でもあります。

これから先も、この景色が変わらず残っていくためには、こうした地道な活動が欠かせません。

もし観音寺に来る機会があれば、ぜひ一度、琴弾山の展望台から、そして地上からもこの銭形砂絵を見てみてください。

きっと、ただの“観光スポット”ではなく、
人と時間がつくり上げた特別な景色として感じられるはずです。


◻︎◻︎観音寺市 銭形砂絵「寛永通宝」(琴弾公園)
  https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/21/333.html

  観音寺市観光協会 銭形砂絵「寛永通宝」|一夜にして作られたという伝説の金運スポット
  https://kanonji-kanko.jp/zengata-sandpainting/


【本日の一曲】
Daft Punk – Something About Us

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