2025 06 04

相続放棄は生前にできる?有名人の訃報から考える「相続と不動産」の現実

昨日、「ミスタープロ野球」として長年日本のスポーツ界を牽引してきた長嶋茂雄さんの訃報が伝えられました。国民栄誉賞や文化勲章を受賞し、世代を超えて親しまれてきたスターの旅立ちに、多くの方が胸を痛めていることでしょう。

一方で、SNSやメディアでは早くも「遺産はどうなるのか」「相続争いが起きるのでは」といった話題も出てきています。特に注目を集めたのが、息子でタレントの長嶋一茂さんがかつて「もう遺産放棄している」と発言していたという報道です。

しかし、法律の上では「相続放棄」は被相続人の死亡後でなければできません。つまり「生前に放棄を宣言」しても、それはあくまで気持ちの表明に過ぎず、法的効力はありません。実際の相続放棄には、相続が発生してから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります(民法915条・938条)。

相続でトラブルになりやすい「不動産」

私たち不動産業界の現場でも、相続にまつわるご相談は少なくありません。中でもトラブルが起きやすいのが「不動産」です。

たとえば、次のようなケースがあります:

  • 亡くなった親の自宅を兄弟姉妹でどう分けるか決まらない
  • 空き家になってしまったが、誰が管理・売却するかで揉める
  • 不動産の評価額が他の相続財産と比べて大きく、遺留分が問題になる

実家の土地や家は「思い出の詰まった場所」であると同時に、「固定資産税などのコストがかかる資産」でもあります。そのため、誰が相続するかによって、その後の利用・処分方法に大きな違いが生まれるのです。

生前からできる対策とは?

「生前には相続放棄できない」とはいえ、実は生前の対策がとても重要です。以下のような方法があります:

  • 遺言書の作成:誰にどの財産を渡すかを明確にし、争いを避けやすくなります
  • 遺留分放棄:特定の相続人に財産を集中させたい場合、家庭裁判所の許可を得れば遺留分を放棄してもらうことも可能
  • 生前贈与:節税の観点からも有効ですが、贈与税に注意が必要です

せとうち不動産は、相続が「争族」にならないよう、できるだけ早めの対策をおすすめしています。不動産の名義変更、評価、売却、共有問題など、専門家のサポートが不可欠です。

まとめ:不動産と相続の相談は早めに

長嶋さんのご訃報をきっかけに、あらためて「相続」について考えた方も多いのではないでしょうか。特に不動産は分けにくく、相続トラブルの火種になりやすい資産です。

もし「将来の相続が不安」「親の家をどうするか決めかねている」と感じている方は、ぜひ当社までご相談ください。せとうち不動産では「不動産コンサルティングマスター」「相続対策専門士」の資格を有するスタッフが在籍しており、相続を含めた不動産に関する専門的なご相談にも対応しております。相続に詳しい司法書士や税理士とも連携し、お客様にとって最善の選択をサポートいたします。

【本日の一曲】
Bill Evans・Jim Hall / Angel Face