2025 06 06

Netflix「地面師たち」から学ぶ、本人確認の重要性

昨年話題になったNetflixドラマ「地面師たち」ですが、皆さんはご覧になりましたか?

このドラマ、フィクションと思いきや、実は実際に2017年に東京都内で起きた積水ハウスが巻き込まれた不動産売買詐欺事件がモデルになっています。
被害額はなんと55億円超。不動産業界の中でも、かなり衝撃的な事件でした。

ドラマなので多少の脚色はありますが、取引のリアリティや手口の緻密さ、そして「本人確認」の重要性がとてもよく描かれていて、私たち不動産業に携わる者にとっても、考えさせられる内容になっています。

さて、不動産の売買というのは、ただお金のやりとりをするだけではありません。
売買代金の支払いに合わせて、「所有権移転登記」という手続きを司法書士が行うのですが、このとき、司法書士は登記名義人、つまり“今の所有者”が本当に売却の意思を持っているのかを確認します。
ドラマの中でも、この場面がひとつの山場になっていて、なりすましや偽造書類などのシーンは緊張感があります。

私たちのように地方で仕事をしていると、「そんな大掛かりな詐欺は都会の話でしょう?」と思われることもあります。
実際、東京のように地価が高くなければ、わざわざ別人を雇ってまでリスクを負うケースはそうそうないでしょう。
でも、だからといって油断していいわけではありません。

本人確認、取引対象の物件確認、そして売主の「売却の意思の有無」は、どんな金額であっても、どんな地域であっても、取引の根幹をなす重要なポイントです。

ちなみに、登記の仕組みもなかなか面白くて、
買主側は「認印」と「住民票」で手続きができますが、
売主側は「実印」と「印鑑証明書」が必要です。
これは、“売る”という行為のほうが、より慎重に確認されるべきものだという法律の考え方が表れている部分ですね。
(ドラマではなぜか住民票で売主の本人確認してますね?)

不動産は人生の中で何度も経験するものではありません。
だからこそ、トラブルを未然に防ぐための「確認」や「段取り」は、少し面倒でもしっかりやっておきたいところです。


相続・売却・購入など「これってどうすればいいの?」と思ったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

■■出典:Netflix 「地面師たち」

【本日の一曲】
石野卓球 / Tokyo Swindlers Main Theme