2025 07 03

家の値段ってどうやって決まるの?

家を探している方から、ときどきこんな質問を受けます。

「売りに出ている家の価格って、どうやって決まっているんですか?」

たしかに、土地の広さや築年数、立地条件が違う家がバラバラの値段で並んでいるのを見ていると、何が基準なのか、ちょっと不思議に思いますよね。

今日は、そんな「家の値段」の決まり方について、ちょっと正直な話をしてみようと思います。


家の値段は「売りたい人が決める」

いきなり結論から言ってしまいますが、家の価格というのは「売りたい人が売りたい値段で決めている」ものです。

これ、すごく当たり前に聞こえるかもしれません。でも、不動産って“自由価格”なんです。つまり、定価があるわけでもなく、これが正しいという「基準の金額」もない。極端な話、どんなに高くても、売る人がそうしたければその価格で出せるのです。

え? じゃあ、好き勝手に値段をつけていいってこと?……はい、ほんとに「けっこう自由」なんです(笑)。


「唯一無二」だから、正解の値段がない

そもそも、不動産って、全く同じ条件のものは基本的に存在しません。たとえ隣同士の家でも、日当たりや間取り、使われている素材が少しずつ違ったりします。

なので、車や家電のように「同じスペックの製品だから同じ値段」というふうにはいきません。

土地の形や道路との接し方、隣の家との距離、地域の雰囲気――そういった細かな差が価格に反映されてくるのです。


売る人の希望が最優先

家を建てた工務店が「これぐらい利益がほしい」と思えばその分上乗せして新築価格を設定しますし、中古住宅なら持ち主さんが「ローンの残りがあるから」「買ったときより高く売りたい」などの理由で、売り出し価格を自由に決めています。

ただし、いくら高くても“買ってくれる人”がいなければ、1円にもなりません。

だから、売る側としても、周囲の相場やタイミングを考えながら「できる限り高く、でも売れそうな価格」を探っていく、ということになります。


相場はあるけど、あくまで参考

ここで登場するのが「相場(そうば)」という考え方です。

これは、過去に近所で売れた家の価格や条件をもとに、「このあたりの家なら、このくらいで売れそうだな~」という目安を立てるものです。

ただ、あくまで“目安”。最終的に価格を決めるのは、やっぱり売りたい人の考え方や事情です。

たとえば「急いで売りたいから、ちょっと安めに」とか、「特に急いでないから、しばらく高めで様子を見よう」といったふうに、同じ家でも価格は変わります。


売り出し価格は「希望金額」

これもけっこう大事なポイントなのですが、「売り出し価格=その家の価値」ではありません。

不動産屋の立場で言わせてもらうと、売り出し価格は「この金額で売れたらいいな~」という、売り手さんの“希望金額”に過ぎないことが多いです。

そして、実際には「交渉ありき」で価格が決まっていくケースがほとんどです。


値段交渉はしても大丈夫!

「この家、ちょっと高いな……でも、気に入ったし、どうしよう」

そんなときに「値切ってもいいのかな?」「失礼にあたらないかな?」と心配される方がいますが、ご安心を。

不動産の売買は、まさに「売る側と買う側の交渉によって成り立つ世界」です。

特に住宅の場合は、金額が数百万円~数千万円にのぼることもあるため、売る人も最初から「ちょっと高め」に設定していることも珍しくありません。

「少し高いけど気に入ったので、〇〇万円だったら買いたい」といった交渉は、全然アリです。むしろ、まっすぐ伝えた方が、話がスムーズに進むこともあります。


値段は「時価」です。まさにお寿司屋さん方式!

最後にもうひとつ。

家の価格というのは「時価(じか)」です。つまり、市場の動きやタイミングによって変動するもの。

今日と明日で変わることもあれば、半年後にはガラッと違っていることもあります。

不動産は、流通量や政策、金利、周辺開発の影響など、いろんな要素で価格が変わるのです。

たとえば金利が上がればローンの支払い額が増えるため、家を買おうとする人が減って価格が下がる傾向になります。

また逆に、人気エリアで大きなショッピングセンターができると聞けば、一気に注目が集まり、価格が上がることもあります。

まさに、お寿司屋さんの「本日のおすすめ」みたいなものですね(笑)。


まとめ:家の価格は「話し合いで決まるもの」

というわけで、今日のまとめです。

  • 家の値段は売りたい人が自由に決められる
  • 売り出し価格は「希望価格」であって、最終的な価格ではない
  • 相場や過去の事例はあくまで参考
  • 値段交渉はまったく問題なし。むしろ前提になっていることも
  • 時代やタイミングで価格は変わる(=時価!)

「この家、ちょっと気になるな」と思ったとき、値段で即あきらめてしまうのはもったいないです。まずは「相談してみようかな」と、一歩踏み出してみてくださいね。

あなたにぴったりの家と、納得できる価格で出会えるよう、私たちも全力でお手伝いします!

それではまた、次回のコラムで。

【本日の一曲】
Gretchen Parlato / BUTTERFLY Live in NYC