2025 07 10

香川県の地価公示価格、2025年の動向は?

~地元のこれからを見つめる視点として~

こんにちは、せとうち不動産です。

このたび、国税庁より「令和7年(2025年)分の路線価」が発表されました。全国的にも注目されるこのタイミング、私たちの暮らす香川県の地価はどうなっているのか? 少し掘り下げてお伝えしたいと思います。


全国的には4年連続の上昇傾向

まず大きな視点から。

全国平均の標準宅地の評価基準額(いわゆる路線価)は、前年比2.7%上昇となり、これで4年連続のプラス成長。東京や福岡、沖縄といった都市部では5%以上の上昇を見せており、不動産市場全体としては堅調な印象です。

東京都中央区・銀座5丁目の路線価は、1㎡あたり4,808万円という驚きの数字。バブル期でも越えられなかった過去最高額を更新したということで、やはり一部エリアでは今なお「土地神話」が健在です。


香川県の平均価格は「60,180円/㎡」で横ばい

さて、それでは香川県の地価はどうなっているのか。
最新の2025年(令和7年)地価公示価格によると、香川県全体の平均価格は60,180円/㎡(坪単価198,900円)。変動率は**+0.0%、つまり前年と比べて横ばい**でした。

上がりもせず、下がりもせず。全国的には上昇が続くなか、香川県の地価が「安定している」と言えば聞こえはいいですが、「やや動きが鈍い」とも言える状況です。

ちなみに、1995年には香川県の地価は**193,236円/㎡(坪単価約63万円)**という高水準だったことを思えば、今はおよそ3分の1程度。長期的な下落傾向からは抜け出せてはいないことがわかります。


高松市はわずかに上昇、他はやや苦戦

市区町村ごとの地価データを見ていくと、いくつか特徴が見えてきます。

◎ 上昇したのは「高松市」のみ

  • 高松市:87,916円/㎡(坪単価 約29万円)
  • 前年比:+0.6%(上昇)
  • 県内で最も高い価格と上昇率を記録しました。

さすがは県庁所在地。再開発や企業誘致が進む高松市中心部では、駅周辺や商業エリアを中心に、わずかですが上昇を維持しています。

△ 主要都市はわずかに下落

一方、その他の主要都市の平均価格は次のようになっています。

  • 丸亀市:39,445円/㎡(前年比 -0.1%)
  • 坂出市:24,880円/㎡(前年比 -0.6%)
  • 観音寺市:35,500円/㎡(前年比 -0.4%)
  • 善通寺市:36,800円/㎡(前年比 -0.4%)
  • 三豊市:22,071円/㎡(前年比 -0.6%)

こうして見ると、多くの地域で微減という結果に。特に、沿岸部や郊外型のエリアでは、新たな需要が生まれにくいこともあり、今後も価格は横ばいか、やや下向きの傾向が続くかもしれません。


なぜ香川の地価はあまり動かないのか?

ここで少し、香川県の地価が大きく上昇しない理由について考えてみます。

  1. 人口減少・高齢化の影響
     香川県では、若い世代の都市部流出が続いており、住宅需要はやや縮小傾向。供給が需要を上回る地域も多く、価格の伸びが鈍いのです。
  2. 新築志向の根強さ
     地方では「新築一戸建て神話」が根強く、中古住宅や土地付きの再活用がまだ一般的とは言えません。結果として中古物件の評価が伸びにくい傾向にあります。
  3. 再開発・都市整備の差
     東京や大阪などの都市部と違い、大規模な再開発やインフラ整備による地価上昇要因が少ないことも一因です。

今後の注目ポイント

とはいえ、決してネガティブな話ばかりではありません。

  • 高松市では分譲マンションの建設も活発になっており、都市型のライフスタイルが少しずつ浸透してきています。
  • 空き家再生やリノベーション需要はじわじわと高まっており、特に市街地に近い住宅は「安く買って、きれいに住む」という選択肢として注目されています。
  • インバウンド(外国人観光客)向けの不動産投資にも光が差してきており、高松や小豆島周辺ではその兆しが見られます。

地元の土地を、地元の目で

香川県の地価は確かに大都市ほど派手な動きを見せてはいませんが、それはある意味で「手の届く価格帯」がまだ保たれているということでもあります。

たとえば、観音寺市の平均価格は35,500円/㎡(坪単価117,400円)。この価格帯であれば、土地購入から建物建築、リフォームまでトータルに考えても、ゆとりのある家づくりが可能です。

私たち、せとうち不動産では「今が買い時なのか?」「将来、価値は落ちないのか?」といった不安に対して、地域密着の視点から誠実にお応えしています。

香川県での暮らしをお考えの方、土地探し・住宅購入を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
地価データの裏側にある、**「暮らしのリアル」**を一緒に見つけていきましょう。

■■出典:国土交通省 地価・不動産鑑定:地価公示
     https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html

【本日の一曲】
Jungle Brothers / I’ll House You