鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の違いをわかりやすく解説!

家やマンションを探しているときに「構造」という言葉を見かけたことはありませんか?
たとえば、「鉄骨造(S造)」とか「鉄筋コンクリート造(RC造)」、あるいは「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」といった表記です。
どれも名前に「鉄」がついているため、「なんとなく丈夫そう」という印象を持たれる方も多いのですが、実はそれぞれにしっかりとした特徴と違いがあります。
今回は、この3つの構造の違いを、専門的な言葉をできるだけ使わず、一般の方にもわかりやすく解説していきます。
そもそも「構造」とは?
建物の「構造」とは、家を支える骨組みの部分を指します。
人間でいうと「骨格」にあたる部分で、建物の強さ・重さ・耐久性などを決めるとても大切な要素です。
木造や鉄骨造など、構造によって建物の性質は大きく変わります。
たとえば同じデザインの家でも、構造が違えば耐震性や工事期間、費用、音の伝わり方などがまったく異なるのです。
「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」ってどんな構造?
この3つは、どれも「木を使わず、鉄やコンクリートで骨組みをつくる建物」です。
それぞれの特徴をひとつずつ見ていきましょう。
鉄骨造(S造)
特徴
鉄骨造は、建物の主要な骨組みに「鉄骨(鋼材)」を使って建てる構造です。
鉄の柱や梁をボルトや溶接で組み立てて建てるため、工場で部材を作っておき、現場で組み立てることができます。
メリット
・工期が短い:あらかじめ作られた部材を現場で組み立てるため、木造よりも早く完成します。
・費用が比較的安い:同じ規模のRC造やSRC造と比べると建築コストを抑えやすいです。
・耐震性がある:鉄は強くてしなやかなので、地震の揺れにもある程度柔軟に対応できます。
・通気性が良い:湿気がこもりにくく、カビが発生しにくいのも利点です。
デメリット
・耐火性が低い:鉄は火に弱く、高温になると強度が落ちてしまいます。火災時には注意が必要です。
・防音性が低い:壁や床が薄い場合、上の階や隣の部屋の音が響きやすい傾向があります。
・サビ対策が必要:湿気や雨水にさらされるとサビることがあるため、定期的なメンテナンスが大切です。
よく使われる建物の例
・2〜3階建てのアパートやオフィス
・倉庫や工場などの大空間の建物
鉄筋コンクリート造(RC造)
特徴
鉄筋コンクリート造は、鉄の棒(鉄筋)を組んだ型枠の中にコンクリートを流し込み、固めて建物を作る構造です。
鉄筋が引っ張る力に強く、コンクリートが押す力に強いという、それぞれの長所を生かした構造になっています。
メリット
・とても丈夫:鉄筋とコンクリートの組み合わせにより、地震に強く、耐久性・耐火性が高いです。
・防音性が高い:コンクリートの厚みが音をしっかり遮るため、隣や上下の部屋の音が伝わりにくくなります。
・火災に強い:燃えない素材なので、火災時にも構造体がしっかり残るのが特徴です。
・メンテナンスが少ない:木や鉄骨に比べてサビや腐食が起きにくく、長持ちします。
デメリット
・重量がある:建物が重くなるため、地盤の弱い土地では補強工事が必要になることも。
・工期が長い:型枠の設置、コンクリートの打設、乾燥などに時間がかかるため、完成までやや時間がかかります。
・費用が高め:鉄骨造よりも工事費がかかる傾向があります。
よく使われる建物の例
・マンションや公共施設
・中層〜高層の住宅、学校、病院など
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
特徴
SRC造は、RC造(鉄筋コンクリート造)の中にさらに太くて丈夫な鉄骨を入れた構造です。
鉄骨と鉄筋コンクリートの両方の良いところを合わせた、非常に強い構造になります。
メリット
・最も高い強度と耐久性:鉄骨のしなやかさとコンクリートの硬さが組み合わさり、地震にも非常に強いです。
・高層建物に最適:高い強度を持つため、10階以上のビルやタワーマンションなどで採用されています。
・耐火性・防音性が抜群:RC造以上に火や音に強く、快適な室内環境を保ちやすいです。
デメリット
・建築コストが高い:構造が複雑で鉄骨の量も多いため、他の構造より費用がかかります。
・工期が長い:部材が多く、施工に時間がかかります。
・一般住宅には向かない:コストや規模の関係で、主に高層マンションなどに使われます。
よく使われる建物の例
・超高層マンション
・大規模オフィスビル
・公共施設(庁舎・病院など)
構造の違いで暮らしはどう変わる?
建物の構造は、単に「強度」だけでなく、暮らし心地にも大きく関係します。
比較項目 | 鉄骨造(S造) | 鉄筋コンクリート造(RC造) | 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) |
---|---|---|---|
強度 | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
耐火性 | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
防音性 | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コスト | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
工期 | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
向いている建物 | アパート・店舗 | マンション・学校 | 高層ビル・タワマン |
たとえば、アパートや2階建ての住宅なら「鉄骨造」で十分。
防音性や耐火性を重視したいなら「RC造」。
そして、安心感と耐震性を最優先したい高層マンションでは「SRC造」が選ばれています。
どの構造が「いい」とは一概に言えない
構造にはそれぞれ「得意分野」があります。
大切なのは、自分がどんな暮らしをしたいか、どんな建物に住みたいかという視点で選ぶことです。
「家賃を抑えたい」「工期を短くしたい」という方には鉄骨造が合っていますし、
「静かで安心感のあるマンションに住みたい」という方はRC造やSRC造が向いています。
まとめ:構造を知ると、建物選びがぐっと楽しくなる!
鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造。
どれも「鉄」という素材を使っていますが、その組み合わせ方によって性質はまったく違います。
建物を選ぶとき、「外観のデザイン」や「間取り」だけでなく、
「構造」にも目を向けると、より安心で快適な暮らしが見えてきます。
◻︎◻︎出典:suumo 鉄骨造(S造)とは? 耐用年数や防音性は? 軽量鉄骨造・重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造との違い、鉄骨造のメリットとデメリットも解説
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/tekkotsudukuri/
【本日の一曲】
MC5 – Kick Out the Jams