2026 04 14

TOTOユニットバス受注停止。いよいよ建築業界が止まり始めた現実

週明け、いろいろなメーカーから何かしらのアナウンスが出るだろうな——
そんな空気を感じながらニュースを見ていたところ、ついに大きな報道が出ました。

TOTOのユニットバス・システムバス新規受注停止。

正直、驚きはありましたが、現場感覚としては「ついに来たか」という印象でもあります。

ここ数週間、ホルムズ海峡をめぐる中東情勢の不安定化によって、原油だけでなく、ナフサを原料とする化学素材全般の供給不安が少しずつ建築現場にも表れ始めていました。

そして今回、その影響が誰もが知る住宅設備メーカーの受注停止という形で、はっきりと見えるようになりました。


原油高ではなく「化学素材不足」が本当の問題

今回のニュースで大事なのは、単純な原油価格の上昇だけではありません。

TOTOが受注停止に踏み切った背景には、
ユニットバスの壁や天井のフィルム接着剤、人工大理石浴槽のコーティング剤に使われる有機溶剤の不足があります。

この有機溶剤の原料になるのが、石油化学製品の基礎となるナフサです。

つまり今回止まっているのは「お風呂」ではなく、
 ・接着剤
 ・コーティング材
 ・樹脂
 ・防水材
 ・断熱材
 ・塗料
 ・フィルム
 ・ウレタン系製品
といった、建築を支える幅広い化学素材です。

実際、現場でも見聞きした状況からだと

すでに、
 ・外壁塗装など塗料のメーカー受注停止
 ・防水材の納期未定
 ・断熱材の数量制限(ホームセンターでも在庫なし)
 ・樹脂系エクステリア部材の見積有効期限短縮

など、さまざまな兆候が出ています。


肌感覚ではコロナ禍より深刻かもしれない

個人的な肌感覚ですが、今回の状況はコロナ禍より厳しい可能性を感じています。

コロナの時は、人の移動制限や工場停止による物流の問題が大きかった。

今回は違います。

人は動ける。現場も職人さんも動ける。
でも、材料が作れない。

ここが本当に大きい違いです。

建築現場は、人がいても材料がなければ進みません。
 ・ユニットバスが入らない
 ・防水ができない
 ・断熱材が届かない
 ・塗装が進まない
 ・接着剤がない

このどれか一つでも止まれば、工事全体が止まります。

グローバルサプライチェーンが複雑化している今は、
ひとつの素材不足が想像以上に広い範囲へ波及しやすい構造です。


現在動いている現場は何とか進んでいます

幸い、今進行している現場については、必要な材料の多くがすでに手配済みです。
 ・現在施工中のリフォーム、エクステリア現場
 ・来月から着工予定のユニットバス工事
 ・防水改修
 ・塗装工事

このあたりは、今のところ大きな支障なく進められそうです。

ただ、本当に読めないのはその先の案件です。

今月末以降に発注する設備や材料については、
 ・そもそも受注可能なのか
 ・納期が何カ月延びるのか
 ・価格がどこまで上がるのか

まったく見通しが立たない状況になりつつあります。


住宅価格・リフォーム費用への影響は避けられない

この流れが長引けば、影響はユニットバスだけでは終わりません。

今後考えられるのは、

1. 工期の長期化

住宅設備が揃わず、完成引渡しが遅れる。

2. 見積価格の短期変動

見積提出から契約までの間に価格が変わる。

3. 代替商品の増加

希望メーカーから別メーカーへ変更。

4. 工事内容の組み替え

入荷順に工事工程を再設計。

特にリフォームは、設備一つ遅れるだけで、すべての工程が後ろにずれ込みます。


建築業界は「情報の早さ」が命になる

こういう局面で最も大切なのは、
ニュースを知ることより、現場でどう動くかを早く決めることです。

例えばユニットバス工事を検討中なら、
 ・メーカーを固定しすぎない
 ・代替候補を持つ
 ・工期に余裕を持つ
 ・早めに設備選定する
 ・見積期限を確認する

これだけでもリスクはかなり下げられます。

特に今後、TOTO以外にもLIXIL、タカラスタンダードなど各社で納期や数量制限が広がる可能性は十分あります。


一過性で終わってほしい。でも楽観はできない

もちろん、この混乱が短期で収束してくれれば一番良いです。

備蓄活用や代替調達が進めば、数週間〜1カ月程度で落ち着く可能性もあります。

ただ、中東のニュースを見ていると、状況は本当に二転三転しています。

昨日まで安心材料だった情報が、翌日には一気に覆る。

そんな状態です。

だからこそ、これから住まいづくりやリフォームを考える方は、

「まだ大丈夫」ではなく「今のうちに動いておく」

この意識がとても大切だと思います。


住まいづくりは“タイミング”がますます重要に

住宅やリフォームは、材料が揃ってこそ進みます。

今回のTOTO受注停止は、単なるメーカーの一時的な話ではなく、

世界情勢が暮らしの現場に直結している

ことを改めて実感させる出来事でした。

これから工事を予定されている方は、
メーカーや設備の希望だけでなく、納期・代替案・価格変動リスクまで含めた計画がますます重要になります。

住まいづくりは、今まで以上に「情報と判断のスピード」が求められる時代に入ったのかもしれません。


◻︎◻︎ブルームバーグ TOTO株下落、ユニットバス新規受注を停止-中東情勢で原材料不足
  https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-04-13/TDF0HLKK3NYD00#gsc.tab=0


【本日の一曲】

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