10円玉を作るのに10円以上かかる時代。
最近、「10円玉を作るのに10円以上かかっている」というニュースが話題になりました。
一見すると冗談のような話ですが、実はこれは今の世界が大きく変わっていることを示す象徴的な出来事です。
10円玉の材料だけで10円を超える?
10円玉は、銅95%・亜鉛・すずでできています。重さは4.5グラム。
ところが近年、銅価格が世界的に急騰。生成AIの普及や電力インフラ需要の拡大によって、送電線やデータセンターに大量の銅が必要になったためです。
さらに円安も重なり、10円玉に含まれる銅の価値だけで10円を超える水準に近づいています。
つまり…
10円玉を1枚作るのに10円以上かかる可能性
「10円硬貨を作れば作るほど赤字」という、なんとも不思議な状況が起きているのです。
実は世界でも同じことが起きている
これは日本だけではありません。
アメリカでは1セント硬貨(ペニー)の製造コストが額面を大きく上回り、製造終了の動きが進んでいます。ヨーロッパでも1セント・2セント硬貨を段階的に廃止する国が増えています。
つまり、「硬貨そのものの価値」と「書かれている金額」が逆転し始めているのです。
インフレとは“モノの値段が上がる”だけではない
多くの人は、インフレを「食品が高くなる」「ガソリンが高くなる」と考えます。
もちろんそれも正しいのですが、本質は少し違います。
インフレとは、“お金の価値が相対的に下がる”現象です。
10円玉の材料が10円を超えるというのは、銅の価値が上がったとも言えますが、見方を変えると10円というお金の価値が相対的に小さくなったとも言えるわけです。
昔の常識が通用しなくなる
例えば昔は、銀行に預けておけばお金は安全で増えるという感覚がありました。
しかし今はどうでしょう。
- 物価は上昇
- 建築費は上昇
- 人件費は上昇
- 金・銀・銅などの資源価格も上昇
つまり、現金をそのまま持っているだけでは、実質的な購買力が目減りする可能性がある時代になっています。
不動産の現場でも変化を感じる
不動産の仕事をしていると、この変化を肌で感じます。
以前、「エアコンの室外機が盗まれた」という話を実際に聞いたことがあります。
理由は中に入っている銅を売るため。
街中の銅線やマンホールが盗まれるニュースも増えていますが、これも金属価格が上がっているからです。
昔は価値がないと思われていたものが、今は狙われる時代になっているのです。
家づくりでも“価格”だけを見ると危険
住宅でも同じです。
「今は高いから様子を見る」という考え方は一理あります。
しかし、資材価格・人件費・土地価格が長期的に上がり続けるなら、待った結果さらに高くなる可能性もあります。
もちろん無理に買う必要はありません。
大切なのは、“インフレを前提に考える視点”を持つことです。
これから必要なのは“お金を増やす”より“価値を守る”発想
インフレ時代に重要なのは、単にお金を増やすことだけではありません。
むしろ大切なのは、
- お金の価値を守る
- 長期で考える
- 資産を分散する
- 実物資産(不動産・設備・事業など)の価値を見る
- 固定費を下げる
こうした視点です。
10円玉のニュースは、ただの雑学ではない
「10円玉を作るのに10円以上かかる」
これは単なる面白ニュースではありません。
“お金の価値は永遠に同じではない”という現実を教えてくれるニュース
だと私は思います。
これまでの「貯めれば安心」という感覚だけでは、時代の変化に対応しにくくなっています。
インフレ時代は、お金そのものを見るのではなく、“何に交換できるか”を見る時代。
10円玉の不思議な話は、そんな新しい視点を私たちに教えてくれているのかもしれません。
※硬貨を意図的に削ったり溶かしたりして売却する人が出てきそうで大変不安になります。その様な行為は、貨幣損傷等取締法により禁止されています。
◻︎◻︎日本経済新聞 10円玉の素材価値、銅高騰で「額面超え」 1円玉にもアルミ高の影
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB105TD0Q6A610C2000000/
【本日の一曲】
Blur – girls & Boys (2012 Remaster)
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