2026 07 08

木造住宅価格が上がる今、これからの住宅取得をどう考える?

新築・中古・中古+リフォーム・実家リフォームを整理して考える

ここ最近、住宅価格の上昇を実感されている方は多いのではないでしょうか。
特に木造住宅は、ここ数年で「以前の感覚よりかなり高くなった」と感じる場面が増えています。

木造住宅の建築費は2026年に前年比5.3%増と、過去最大の上昇幅を記録しました。新築を検討するうえで価格上昇は無視できない時代です。

背景には、木材や建材の価格上昇、設備機器の値上がり、物流費や人件費の上昇、そして省エネ基準や住宅性能への要求水準の高まりなど、さまざまな要因があります。単純に「家が高くなった」というより、家をつくるために必要なコスト全体が上がっている、というのが実情に近いと思います。

こうした状況の中で、これから住宅取得を考えるお客様に対して、不動産会社としてどうお話ししていくべきか。
結論から言えば、これからは「新築か中古か」という二択ではなく、そのご家族にとって、総額・性能・立地・将来の暮らし方のバランスが最も良い選択肢は何かを一緒に整理していく姿勢が、これまで以上に大切になると感じています。


住宅取得は「建物価格」だけで考えない時代に

まずお伝えしたいのは、住宅取得の判断を、建物本体価格だけで見ないことです。
同じ3,000万円でも、

  • 土地条件が良くて将来売りやすい家
  • 断熱性能が高く、光熱費が抑えられる家
  • リフォーム前提で初期費用を抑えられる家
  • 親世代の家を活かして住居費を圧縮できる家

では、中身がまったく違います。

今後は新築価格の上昇が続く可能性もありますし、金利や物価の動きも無視できません。
だからこそ、お客様には「いくらで買うか」だけでなく、10年後、20年後まで含めてどんな暮らし方ができるかを一緒に考えていく必要があります。


1.新築住宅という選択肢

高くなったからこそ「性能」と「予算の線引き」が重要

新築住宅の魅力は、やはり自分たちの暮らしに合わせて計画できることです。
間取り、動線、収納、駐車計画、断熱性能、耐震性などを、今の家族構成や将来の暮らし方に合わせてゼロから組み立てられるのは大きな強みです。

一方で、今は以前よりも建築費が上がっています。
そのため、新築を選ぶ場合は「理想を全部盛り込む」のではなく、何にお金をかけるかを明確にすることがとても重要です。

例えば、

  • 立地を優先するのか
  • 建物の広さを優先するのか
  • 断熱・耐震など性能を優先するのか
  • 外構や家具家電まで含めた総額を優先するのか

この整理が曖昧なまま進めると、「土地も高い、建物も高い、外構も高い」で予算オーバーになりやすくなります。

新築は今でも十分魅力的な選択肢ですが、以前よりも「何となく新築」ではなく、予算と優先順位をきちんと決めて建てる時代になっていると思います。


2.中古住宅という選択肢

価格だけでなく、立地と建物の素性を見る

新築価格が上がる中で、これからさらに注目されるのが中古住宅です。
中古住宅の魅力は、やはり総額を抑えやすいこと、そして立地の選択肢が広がりやすいことです。新築用地が少ないエリアでも、中古住宅なら希望エリアで見つかることがあります。

ただし、中古住宅は「安いから得」と単純には言えません。
見るべきポイントは、価格だけではなく、

  • 建物の築年数とメンテナンス履歴
  • 雨漏りやシロアリ、傾きなどの有無
  • 耐震性や断熱性の水準
  • 水回り設備の更新時期
  • 境界や接道、再建築の条件

といった、**建物と土地の“素性”**です。

中古住宅は、買った後に予想外の修繕費がかかると、結果的に「思ったほど安くなかった」ということもあります。
逆に言えば、状態の見極めができれば、かなり良い買い物になる可能性もあるということです。


3.中古住宅+リフォーム

これからかなり有力になる選択肢

個人的には、今後ますます増えていくのがこの「中古住宅+リフォーム」だと思っています。
理由はシンプルで、新築ほど総額が膨らみにくく、しかも住まいを自分たち仕様に近づけられるからです。

例えば、

  • 立地の良い中古住宅を購入する
  • 使える部分は活かす
  • 水回りや内装を更新する
  • 必要に応じて断熱改修や窓改修も行う

こうした考え方なら、新築よりも予算を抑えつつ、暮らしやすさをしっかり確保できます。

特にこれからは、単なる見た目のリフォームだけでなく、
断熱性能の改善、窓の性能向上、給湯器や設備更新、耐震補強まで含めた「性能向上リフォーム」が重要になります。

つまり、中古住宅+リフォームは「安く住む方法」ではなく、
コストと性能のバランスを取りながら、今の時代に合った住まいをつくる方法として考えるのが良いと思います。


4.実家+リフォームという選択肢

もっと真剣に検討していい時代

もう一つ、これから見直したいのが「実家を活かす」という考え方です。
土地代がかからない、あるいは大きく抑えられるという点で、実家リフォームや実家敷地内での住み替えは非常に大きなメリットがあります。

もちろん、実家の活用には注意点もあります。

  • 建物の耐震性は大丈夫か
  • 断熱性能が低すぎないか
  • 間取りが今の暮らし方に合うか
  • 親世帯との距離感をどうするか
  • 名義や相続の整理ができているか

こうした点は丁寧に確認が必要です。

ただ、条件が合えば、実家リフォームはかなり有効です。
特に香川県のように、比較的敷地に余裕があるケースも多い地域では、**「建て替え一択」ではなく、残せるものは活かす」**という視点が、これからますます重要になると思います。


これからお客様にどう説明していくか

今後、せとうち不動産としてお客様にお伝えしたいのは、
「住宅価格が上がっているから急いで買いましょう」という話ではありません。

そうではなく、

  • 新築が合う人
  • 中古住宅が合う人
  • 中古+リフォームが合う人
  • 実家リフォームが合う人

それぞれに向き・不向きがあり、**大切なのは“そのご家族に合った取得方法を選ぶこと”**だということです。

家づくりや住宅取得は、どうしても「新築が正解」「中古は妥協」という見方になりがちですが、本来はそうではありません。
今の時代はむしろ、価格上昇が進んだからこそ、選択肢を広く持ち、総額・性能・立地・将来設計を含めて考えることが大切です。

住宅価格が上がっている今は、見方を変えれば「家の持ち方を見直すタイミング」でもあります。
新築だけを見るのではなく、中古住宅、リフォーム、実家活用まで含めて検討する。
そして、家を買うことそのものではなく、その先の暮らしが無理なく続くかどうかを基準に考える。

せとうち不動産としても、これからは「家を売る」より前に、
どの持ち方がそのご家族にとって一番良いかを一緒に整理する存在でありたいと思っています。

住宅価格が上がる時代だからこそ、選択肢を狭めず、冷静に。
新築も、中古も、リフォームも、実家活用も、それぞれに可能性があります。
これから家のことを考える方は、ぜひ一度「自分たちに合う住まいの持ち方」から整理してみてください。


◻︎◻︎新建ハウジング 木造住宅建築費指数、過去最大の上昇幅に 5.3%増の2521万円
  https://www.s-housing.jp/archives/425124


【本日の一曲】
Willie Colón – Oh Qué Será?

◻︎◻︎せとうち不動産 https://setouchi-fudosan.com/◻︎◻︎