2026 08 18

お盆に考える「相続」のこと 知っておきたい相続の基本

今年のお盆休みも、相続についてのご相談がありました。

お盆は、普段なかなか会えない家族や親族が集まる機会でもあります。

久しぶりに実家に集まって、

「この家はこれからどうする?」

「土地は誰が引き継ぐ?」

「親が元気なうちに、少し整理しておいた方がいいかも」

そんな話になった方もいるのではないでしょうか。

相続というと、まだ先の話のように感じるかもしれません。

でも、相続は誰にでも起こるものです。

そして、土地や建物などの不動産を所有している場合、預貯金とは違った難しさがあります。

今回は、知っておきたい「相続の基本」について、できるだけ分かりやすくまとめてみます。


そもそも「相続」とは?

相続とは、亡くなった方が持っていた財産や権利、そして借金などの義務を、残された家族などが引き継ぐことです。

亡くなった方を「被相続人」、財産を引き継ぐ人を「相続人」といいます。

相続財産というと、

・預貯金
・土地や建物
・自動車
・株式などの有価証券

といった「プラスの財産」を思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、相続するのはプラスの財産だけではありません。

借金や未払い金などの「マイナスの財産」も相続の対象になります。

そのため、相続が発生したら、まず「何が残されているのか」を確認することが大切です。


誰が相続人になるの?

相続人については、法律で一定のルールが決められています。

配偶者は常に相続人となり、血族については順位があります。

基本的には、

第1順位:子

子がいない場合は、

第2順位:父母などの直系尊属

さらに、子も父母もいない場合は、

第3順位:兄弟姉妹

という順番です。

例えば、亡くなった方に配偶者と子ども2人がいる場合、相続人は配偶者と2人の子どもになります。

このように、誰が相続人になるのかを確認することは、相続手続きの最初の重要な作業です。


「財産をどう分けるか」は別の問題

相続人が決まったからといって、それだけで財産の分け方が決まるわけではありません。

ここで出てくるのが「遺言」と「遺産分割協議」です。

遺言書があれば、基本的にはその内容が優先されます。

一方、遺言書がない場合には、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を引き継ぐのかを決めます。

これが「遺産分割協議」です。

例えば、

「長男が実家を相続する」

「次男が預貯金を相続する」

というように、財産の内容や家族の事情を考えながら分け方を決めることになります。

ここで注意したいのが、不動産は簡単に分けられないということです。

1,000万円の預貯金なら、500万円ずつ分けることができます。

しかし、1,000万円の土地や建物をそのまま半分にして、それぞれ500万円分というわけにはいきません。

そのため、不動産がある相続では、話し合いが難しくなるケースがあります。


相続放棄という選択肢もある

相続では、必ず財産をすべて引き継がなければならないわけではありません。

亡くなった方に多額の借金がある場合などには、「相続放棄」という選択肢があります。

相続放棄をすると、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含めて、原則としてすべて相続しません。

また、相続財産の範囲内で負債を引き継ぐ「限定承認」という制度もあります。

ただし、相続放棄や限定承認には期限があります。

相続があったことを知った日から原則3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。

「知らないうちに期限が過ぎていた」ということにならないよう、早めの確認が大切です。


遺言書は「財産の分け方」だけではない

相続トラブルを防ぐ方法の一つが「遺言書」です。

遺言書があれば、自分が亡くなった後の財産について、自分の意思を残すことができます。

特定の人に特定の財産を相続させることもできますし、法定相続人ではない人や団体などに財産を残すこともできます。

遺言書には「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などがあります。

自筆証書遺言については、法務局で保管してもらえる制度もあります。

自宅で保管して紛失したり、家族が見つけられなかったりするリスクを減らせるのは大きなメリットです。

また、遺言書には法的な財産の指定だけではなく、家族への感謝や、自分の考えを書き残す「付言事項」を記載することもできます。

「なぜこのような分け方にしたのか」

「家族には仲良くしてほしい」

そんな気持ちを言葉として残しておくことが、家族の争いを防ぐきっかけになることもあります。


不動産を相続したら「相続登記」も忘れずに

不動産を所有している方に、特に知っておいていただきたいのが「相続登記」です。

2024年4月1日から、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが法律上の義務となりました。

以前は相続登記をしないまま長期間そのままになっている土地や建物も少なくありませんでした。

しかし、相続登記をしないまま次の相続が発生すると、相続人がどんどん増えてしまい、いざ売却しようと思ったときに「誰の同意が必要なのか分からない」という状況になることがあります。

特に、

「何十年も前に亡くなった祖父名義の土地」

「昔の所有者のままになっている空き家」

などは、早めに確認しておくことをおすすめします。


「まだ元気だからこそ」話しておく

相続の話は、どうしても切り出しにくいものです。

「縁起でもない」

「まだ元気だから大丈夫」

と考えてしまうのも当然だと思います。

ただ、実際に相続が発生してからでは、残された家族も精神的に余裕がありません。

だからこそ、元気なうちに、

「家や土地はどうしたいのか」

「誰に引き継いでほしいのか」

「空き家になったらどうするのか」

などを、少しずつ話しておくことが大切なのではないでしょうか。

すべてを一度に決める必要はありません。

まずは家族で「相続について話してみる」。

それだけでも、大きな一歩だと思います。


相続と不動産は、切り離して考えられません

せとうち不動産にも、相続に関するご相談をいただくことがあります。

「親が亡くなったけど、この家をどうすればいいのか分からない」

「相続した土地を売った方がいいのか、そのまま持っておくべきなのか」

「空き家になってしまった実家をどうすればいいのか」

相続には、法律や税金、登記など専門的な問題も関係します。

そのため、すべてを不動産屋だけで解決できるわけではありません。

司法書士、税理士、弁護士など、それぞれの専門家に相談した方がよいケースもあります。

せとうち不動産では、不動産に関する部分を中心に、必要に応じて専門家とも連携しながら、相続後の不動産について一緒に考えていきたいと思っています。

相続は、誰かが亡くなってから考えるものだけではありません。

家族が元気な今だからこそ、話しておくことができるものでもあります。

家族が集まった時に、これをきっかけに「実家や土地、これからどうする?」と話してみてはいかがでしょうか。

少し話しにくいテーマだからこそ、早めに話しておく。

それが、将来の家族の負担やトラブルを減らすことにつながるかもしれません。


◻︎◻︎政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】
  https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5848.html


【本日の一曲】
Gil Scott Heron – The Revolution Will Not Be Televised

◻︎◻︎せとうち不動産 https://setouchi-fudosan.com/◻︎◻︎