2026 10 02

「フラット35、ローン金利過去最高 家購入に不安」  でも、ちょっと待って

『フラット35、ローン金利3.830%で過去最高 家購入に「不安」』(朝日新聞)

かなり強い見出しです。

10月の【フラット35】の適用金利が発表され、返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合の最低金利が**年3.83%**となりました。

2017年10月の制度改正以降では、過去最高の金利です。9月の3.46%から0.37%上昇し、3%を超えるのは5カ月連続。昨年10月は1.89%だったことを考えると、住宅ローンを検討している方にとっては、かなり大きな変化です。

ただ、ここでちょっと気になったことがあります。

「過去最高」という言葉だけを見ると、本当に日本の住宅ローン史上最高なの?

実は、そういうわけではありません。


「フラット35」の歴史だけを見ると過去最高

そもそもフラット35がスタートしたのは2003年10月。

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年間の全期間固定金利型住宅ローンです。

そして2007年には住宅金融公庫が廃止され、住宅金融支援機構へと移行しました。

つまり今回の「2017年10月以降で過去最高」というのは、現在の制度・条件で比較した場合の過去最高ということです。

では、それ以前はどうだったのか。

住宅金融公庫時代までさかのぼると、話はまったく違ってきます。


昔の住宅ローンは、もっと金利が高かった

住宅金融公庫の融資基準金利を見ると、昭和55年(1980年)5月には**8.50%**という数字が記録されています。

これは第二次オイルショックなどを背景とした金融引き締めや財投金利の上昇などが影響した時期です。住宅金融支援機構の資料でも、昭和55年5月に財投金利が8.5%まで上昇したことが確認できます。

バブル期には5%台の住宅ローン金利も珍しくありませんでした。

その後、バブル崩壊や長期的な低金利政策によって金利は下がり、1990年代末には2%台まで低下していきます。

そして日本では、1999年に日銀がゼロ金利政策を導入。

その後も量的緩和、包括的な金融緩和、量的・質的金融緩和など、長期間にわたる金融緩和が続きました。

2016年にはマイナス金利政策まで導入され、2024年3月にようやくマイナス金利政策が解除されました。

つまり私たちは、かなり長い間、

「金利がほとんどない世界」

に慣れてしまっていたんですよね。


「過去最高(あくまでもフラット35で)」より、「低金利の時代が長すぎた」と考える

社会人になったばかりの人はもちろん、社会人30年選手の方でさえ、「住宅ローン金利が8%だった時代」を実感として知らない方が大半だと思います。

だから、住宅ローンについて「金利が上がる」という話をする時、どうしてもここ数十年の低金利を基準に考えてしまう。

だからこそ、3.83%という数字に強烈なインパクトを感じる。

落ち着いて考えれば、マイナス金利が解除されたのだから、解除後に金利が上がるのは理解できると思います。

それに、歴史を振り返れば、今回の金利が「日本の住宅ローン史上、かつてない高金利」というわけではありません。

一方で、

「昔は8%だったんだから、3.83%なんて大したことない」

という話でもありません。

ここは非常に大事なところです。

昔と今では、住宅価格も建築費も、所得も、家計の支出も違います。

特に現在は、金利が上昇していく一方で、給与の上昇がそれに追いついていない世帯もあります。

だから、金利上昇が家計に与える影響は決して小さくありません。


「過去最高」という言葉に振り回されない

今回のニュースを見て、住宅購入を検討している方が「もう住宅ローンは無理だ!」と思ってしまうのも、逆に「昔よりマシだから大丈夫」と考えるのも、どちらも少し違うのではないかと思います。

大切なのは、

今の金利水準が、自分たちの家計にとってどうなのか。

ということ。

そして、これから金利が上がる可能性も含めて、無理のない借入額なのかを考えることです。

住宅ローンは「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」が同じとは限りません。

今回の3.83%という数字は、確かに現在のフラット35において非常に高い水準です。

ただし、見出しの「過去最高」という言葉だけで必要以上に不安になるのではなく、

「日本は長い低金利の時代から、金利のある時代へ戻りつつある」

という大きな流れを知っておく。

そのうえで、自分たちの暮らしに必要な住宅を、どのくらいの予算で、どんな住宅ローンで手に入れるのかを考える。

これからの住宅購入では、そんな視点がますます大切になってくるのかもしれません。

「金利が上がったから家を買わない」ではなく、

「金利がある時代なら、どうすれば無理なく家を持てるのか」

を一緒に考える。

そんな住宅購入のお手伝いを、せとうち不動産でもしていきたいと思っています。


◻︎◻︎朝日新聞 フラット35、ローン金利3.830%で過去最高 家購入に「不安」
  https://www.asahi.com/articles/ASVB10T31VB1ULFA028M.html?iref=pc_ss_date_article

  フラット35 
  https://www.flat35.com/

  住宅金融支援機構 これからの住宅ローン選びを考えよう
  https://www.flat35.com/lp/kinri/index.html


【本日の一曲】
Roméo Poirier – Prioni

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