2026 07 01

森保監督に学ぶ、本当に強い組織のつくり方

「自分より優秀な人」と働く時代のリーダーシップとは

惜しかったですね、日本代表。

あと一歩で延長戦。もし延長まで持ち込めていれば、休憩で体を休め、戦術を整理して、流れを変えれたかもしれません。しかし、それも勝負の世界。どちらかが勝てば、どちらかが負ける。それがスポーツの厳しさであり、面白さでもあります。

今回、試合以上に印象に残ったのが、日本代表・森保一監督のマネジメントです。

私は普段、不動産や住宅づくりの仕事をしていますが、「組織づくり」という点では、スポーツも企業も本質は驚くほど共通しています。


トップが一番優秀とは限らない時代

昔の組織は、「上司が一番知っている」「上司が答えを持っている」という形が一般的でした。

しかし今は違います。

サッカー日本代表の選手たちは、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアなど世界最高峰のリーグで活躍する選手ばかりです。

それぞれが世界トップクラスの指導者から学び、最先端の戦術や技術を身につけています。

つまり森保監督は、自分より専門性の高い選手たちをまとめているとも言えます。

これは現代の企業にもよく似ています。

IT、設計、営業、マーケティング…。

専門分野では部下の方が詳しいことも珍しくありません。

そんな時代に求められるのは、「全部知っているリーダー」ではなく、「力を引き出せるリーダー」なのです。

昔の組織やワンマンの組織だと、トップ以下のスキルを持った者しか集まらず、組織としては徐々に弱体化していくことになります。

ひどいケースだと、トップの保身で優秀な部下を切り捨てる事もあります。


森保監督の仕事は「決断」と「責任」

森保監督はインタビューで、

「自分の役割は決断することと責任を取ること」

と話しています。

そして、

「周りには自分よりできる人がいる」

とも語っています。

これは簡単なようで、とても難しい考え方です。

リーダーになると、つい細かく口を出したくなります。

自分のやり方を押し付けたり、自分でやった方が早いと思ってしまうこともあります。

しかし森保監督は違います。

方向性だけを示し、現場は選手やコーチを信頼して任せる。

ただし、最後の責任は必ず自分が負う。

この姿勢こそが、多くの選手から信頼される理由なのでしょう。


「任せる」と「放置」は違う

ここで大切なのが、

任せること=放置することではない

という点です。

森保監督は選手一人ひとりを本当によく見ています。

得点やアシストだけではありません。

守備への貢献。

ベンチでの振る舞い。

チームメイトへの声掛け。

練習中の姿勢。

数字に表れない部分まで評価しています。

例えば、新しく代表に選ばれた選手に対しても、

「守備でチームに勢いを与えてくれた」

「前への推進力が素晴らしかった」

など、具体的な言葉で評価しています。

結果だけを見ているのではなく、「何がチームの勝利につながるのか」という基準を持って見ているのです。

だから選手は、

「ちゃんと見てもらえている」

と感じられるのでしょう。


Z世代が求める上司像とも一致する

最近は「Z世代は扱いが難しい」と言われることがあります。

しかし調査を見ると、彼らが求めていることは意外とシンプルです。

・失敗を責めない

・こまめにフィードバックしてくれる

・話を聞いてくれる

・努力をきちんと見てくれる

決して甘やかしてほしいわけではありません。

自分を正しく理解して評価してほしいだけなのです。

森保監督のマネジメントは、まさにこれを自然に実践しています。

しかも、人前で大げさに褒めるのではなく、一人ひとりの努力や役割を理解した上で言葉をかけています。

だから言葉に重みがあります。


住宅や不動産の仕事でも同じ

私自身、この話を聞いて改めて考えさせられました。

住宅や不動産の仕事も、一人では完成しません。

設計士。

現場監督。

職人さん。

設備業者。

金融機関。

土地家屋調査士。

司法書士。

行政。

本当に多くの専門家が関わります。

それぞれの分野では、自分より知識や技術が豊富な方ばかりです。

だからこそ大切なのは、自分が全部を指示することではありません。

それぞれの専門性を信頼し、その力を最大限発揮できる環境をつくること。

そして最終的な責任は自分が持つこと。

これは住宅づくりでも全く同じだと感じます。


強い組織は「安心」がある

森保監督が選手から信頼される理由は、優しいからではありません。

最後は自分が責任を取るという覚悟があるからです。

だから選手は思い切って挑戦できます。

失敗を恐れずプレーできます。

逆に、

「失敗したら全部自己責任」

という環境では、人はチャレンジしなくなります。

無難な選択しかしなくなる。

結果として組織全体の成長も止まってしまいます。

挑戦できる空気をつくること。

それがリーダー最大の仕事なのかもしれません。


リーダーは「前を走る人」だけではない

リーダーというと、先頭に立って引っ張る姿を想像しがちです。

しかし森保監督は少し違います。

自らを「空気のような存在でありたい」と表現しています。

主役は選手。

監督は選手が力を発揮できるように支える存在。

これを「フォロワー型リーダーシップ」と呼びます。

現代のように、多様な価値観や高い専門性を持つ人が集まる組織では、このスタイルがますます重要になるのではないでしょうか。


おわりに

今回、日本代表は惜しくも敗れました。

しかし、世界を相手に堂々と戦い、日本サッカーが確実に成長していることを実感させてくれました。

その成長を支えているのは、選手だけではありません。

「自分より優秀な人を信頼し、任せ、最後は責任を取る。」

そんな森保監督のリーダーシップが、チーム全体の力を引き出しているのでしょう。

これはスポーツだけでなく、企業経営や地域活動、そして私たちの日々の仕事にも通じる考え方です。

「自分が一番頑張る」のではなく、「周りが力を発揮できる環境をつくる」。

そんなリーダーが増えれば、組織はもっと強く、もっと働きやすくなるのではないでしょうか。


◻︎◻︎ITmedia ビジネスオンライン 森保監督に学ぶ、「自分より優秀な部下」をまとめるフォロワー型リーダーシップとは
  https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2606/29/news095.html

  集英社オンライン 森保監督はなぜ「理想の上司」なのか…Z世代が求めるマネジメントとの意外な共通点
  https://shueisha.online/articles/-/257954?disp=paging&page=1


【本日の一曲】
Tenório Jr. – Fim de Semana Em Eldorado

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