【夏休み特集⑥】エアコンと冷蔵庫は、なぜ冷える? 気化熱のふしぎ
実は「気化熱」がポイント。打ち水や空調服にも同じ仕組みが!
暑い夏になると、毎日のように使うエアコン。
冷蔵庫も、季節に関係なく私たちの生活には欠かせない家電です。
ところで、エアコンや冷蔵庫は、いったいどうやって冷やしているのでしょうか?
「冷たい風を作っているから」と思ってしまいますが、実は少し違います。
エアコンも冷蔵庫も、基本的には**「熱を別の場所へ運び出す」ことで冷やしています。**
そして、その仕組みの中で重要な役割をしているのが、**「気化熱(きかねつ)」**です。
そもそも「気化熱」って何?
まずは、気化熱について。
難しそうな言葉ですが、考え方は意外と簡単です。
水などの液体が蒸発するとき、まわりから熱をうばう
という現象です。
例えば、注射をするときにアルコールで腕を消毒すると、「ヒヤッ」と感じますよね。
これはアルコールが蒸発するときに、腕の熱をうばっているからです。
汗をかいたあと、風が吹くと涼しく感じるのも同じです。
汗が蒸発するときに、体の熱をうばってくれます。
これが「気化熱」です。
そして、この仕組みをもっと大きく、効率よく利用しているのがエアコンや冷蔵庫です。
エアコンは「部屋の熱を外へ運んでいる」
エアコンには、部屋の中にある「室内機」と、外にある「室外機」があります。
この2つは配管でつながっていて、その中を**冷媒(れいばい)**という物質がぐるぐる循環しています。
冷房運転では、この冷媒が大活躍します。
簡単に説明すると、
① 冷媒が室内機へ行く
↓
② 室内の空気から熱をうばう
↓
③ 熱を持った冷媒が室外機へ戻る
↓
④ 室外機から熱を外へ出す
↓
⑤ 冷たくなった冷媒が再び室内機へ
という流れを繰り返しています。
室内機では、冷媒が気化するときに周囲の熱をうばいます。
そのため、室内の空気から熱が取り除かれ、冷たい空気が部屋に戻ってきます。
一方、熱を受け取った冷媒は室外機へ。
そして室外機から、その熱を外へ放出します。
だから、夏に室外機の前に行くと、**「なんでこんなに熱い風が出ているんだ?」**と思うくらい温かい風が出てくるわけです。
実はあの熱い風は、部屋から追い出した熱なんですね。
暖房は、冷房と逆のことをしている
では、冬の暖房はどうでしょう?
実は、基本的には冷房と逆の流れになります。
冷房では、
「部屋の熱を外へ出す」
のに対して、暖房では、
「外の熱を部屋の中へ運ぶ」
ということをしています。
「冬の外は寒いのに、外から熱を持ってこられるの?」
と思いますよね。
実は、真冬の外にも熱エネルギーはあります。
冷媒を外の空気よりもさらに低い温度にすることで、外の空気から熱を取り出すことができます。
そして、その熱を冷媒で室内まで運び、室内機から温風として放出します。
エアコンは、ただ電気で空気を直接温めたり冷やしたりしているのではなく、熱を移動させている家電なのです。
冷蔵庫も基本は同じ
実は冷蔵庫も、エアコンとよく似た仕組みで動いています。
冷蔵庫の中に入れている食材が冷えるのは、冷蔵庫が「冷たさ」を作っているから……というより、
冷蔵庫の中にある熱を外へ運び出している
と考えると分かりやすいでしょう。
冷蔵庫の中でも冷媒が循環しています。
冷媒は、コンプレッサーで圧縮されたり、減圧されたりしながら、液体と気体の状態を変化させます。
この状態変化を利用して、冷蔵庫の中の熱を取り込みます。
そして、その熱を冷蔵庫の外へ放出します。
つまり、
冷蔵庫の中から熱を奪う
↓
冷媒が熱を運ぶ
↓
冷蔵庫の外へ熱を出す
という仕組みです。
冷蔵庫の側面や背面が温かくなっていることがありますが、これも冷蔵庫の中から運び出した熱を外へ放出しているためです。
エアコンと冷蔵庫。
形はまったく違いますが、「冷媒を使って熱を移動させる」という基本的な考え方はよく似ています。
実は「打ち水」も同じ考え方
ここで少し身近な話に戻ります。
日本では昔から、暑い日に道路や庭に水をまく「打ち水」が行われてきました。
水をまくと、地面が濡れて涼しく感じます。
これも、今回紹介した「気化熱」が関係しています。
まいた水が蒸発するときに、地面や周囲の熱をうばっていくのです。
もちろん、エアコンのように冷媒を使って熱を別の場所まで運んでいるわけではありません。
でも、
「水が蒸発するときに熱をうばう」
という、気化熱の基本的な仕組みは同じです。
昔の人は「気化熱」という言葉を知らなくても、暑さを和らげる方法として、こうした知恵を生活の中で使っていたわけですね。
最近の「空調服」にも気化熱が関係している
そして、もう一つ。
夏の建築現場や屋外作業でよく見かけるようになった空調服です。
空調服には小さなファンが付いていて、外の空気を服の中に取り込みます。
すると、体から出た汗が蒸発しやすくなります。
汗が蒸発するとき、体の熱をうばいます。
つまり、
ファンで風を送る
↓
汗が蒸発しやすくなる
↓
汗が蒸発するときに体の熱をうばう
↓
涼しく感じる
という仕組みです。
空調服そのものが「冷たい空気を作っている」というより、汗の蒸発を風で助けることで、体を冷やしているわけです。
これも、気化熱を上手に利用した仕組みです。
エアコンや冷蔵庫の仕組みを知ると、見えてくるもの
こうして見てみると、
エアコン
冷蔵庫
打ち水
空調服
は、まったく別のものに見えて、実は「熱をどう動かすか」というところでつながっています。
エアコンや冷蔵庫は、冷媒を使って熱を移動させる。
打ち水は、水が蒸発するときに熱をうばう。
空調服は、風によって汗を蒸発させ、体の熱をうばう。
どれも「熱をうばう」という考え方がポイントです。
普段何気なく使っているエアコンや冷蔵庫も、仕組みを少し知ってみると、なかなか面白いものです。
そして、この仕組みを知っておくと、なぜエアコンのフィルターを掃除するのか、なぜ室外機の周りをふさがないほうがいいのかといったことも、より分かりやすくなります。
家電は「スイッチを入れれば動くもの」と考えがちですが、その中では冷媒や熱交換器、コンプレッサーなどが一生懸命働いています。
今年の夏は、エアコンの風に当たりながら、
「この涼しい空気は、どうやって作られているんだろう?」
と少し考えてみるのも面白いかもしれません。
◻︎◻︎Panasonic エアコンの仕組みを解説! なぜ空気を冷やしたり温めたりできるのか?
https://panasonic.jp/life/air/170110.html
TOSHIBA 冷蔵庫が冷えるしくみについて知りたい
https://faq-toshiba-lifestyle.dga.jp/answer.html?id=96
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Fatboy Slim – Right Here, Right Now
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