【夏休み特集①】猫はなぜ前足と後ろ足を同じ場所につくの? 「猫の歩き方」の秘密
猫を飼っている方なら、一度は「猫って歩き方が独特だな」と感じたことがあるのではないでしょうか。
棚の上を器用に歩いたり、細い塀の上をバランスよく進んだりする姿は、まるで忍者のようです。
実は猫には、人や犬とは違う特別な歩き方があります。それが**「直接着痕(ちょくせつちゃくこん)」**と呼ばれる歩き方です。
前足と後ろ足が同じ場所を踏む不思議な歩き方
猫が歩く様子をよく観察すると、前足が踏んだ場所へ、ほぼ同じ位置に後ろ足を置いていることが分かります。
雪道や砂浜では、この特徴がとてもよく分かります。足跡が一直線に並ぶため、まるで一本の線の上を歩いたように見えることもあります。
この歩き方は「直接着痕」と呼ばれ、英語では「ダイレクトレジスター」とも呼ばれています。
犬も前足と後ろ足を同じ場所につくのですが、猫のようにピタリと一致するほど正確ではなく、また左右に少し幅もあるため、きれいな一直線にはなりません。
ちなみに、ファッションモデルが細いランウェイを一直線に歩くのをキャットウォークと呼ぶのは、猫の歩き方に由来しているのだそうです。
理由① 音を立てずに静かに歩ける
猫はもともと狩りをする動物です。
獲物に気付かれないよう近づくためには、できるだけ音を立てないことが重要になります。
前足で安全を確認した場所を、そのまま後ろ足も踏むことで、余計な音を出さずに静かに移動できます。
また、自分を狙う外敵から身を守るためにも、物音を立てない歩き方は大きな武器だったのでしょう。
理由② 安全な場所だけを歩ける
猫の前足には、肉球や「触毛(しょくもう)」と呼ばれる敏感な感覚器官があります。
まず前足で地面の状態を確認し、
- トゲはないか
- 滑りやすくないか
- 足場は安定しているか
を瞬時に判断しています。
前足が「ここは安全」と判断した場所だからこそ、後ろ足も同じ場所を踏むのです。
とても慎重な性格の猫らしい行動ですね。
理由③ 無駄な体力を使わない
前足で踏み固めた場所をそのまま利用することで、後ろ足は余計な力を使わずに歩くことができます。
野生では少しでも体力を温存することが、生き残るために重要でした。
効率よく歩くことは、狩りにも長距離移動にも役立っていたと考えられています。
理由④ 狭い場所でも器用に歩ける
猫が棚の上や細いフェンスを歩いても、置物をほとんど落とさないのは、この歩き方のおかげです。
前足で通れた場所なら、後ろ足も同じ場所を通るだけ。
そのため、狭い場所や障害物が多い場所でも、驚くほどスムーズに移動できます。
この特徴から、一直線に歩く様子は「狐歩き(きつねあるき)」と呼ばれることもあります。
野生の本能は今も残っている
完全室内飼いの猫は、野生の猫ほど正確ではないともいわれています。
危険な場所を歩く機会が少ないため、多少ずれて歩く猫もいます。
それでも、直接着痕という歩き方自体は、多くの猫に自然と受け継がれています。
何気なく歩いているように見えても、その一歩一歩には何万年も受け継がれてきた野生の知恵が詰まっているのです。
まとめ
猫の歩き方には、
◻︎音を立てない
◻︎安全な場所だけを歩く
◻︎体力を節約する
◻︎狭い場所でも正確に移動する
という、生き抜くための知恵が隠されていました。
普段何気なく見ている愛猫の歩き方も、理由を知ると見え方が変わってきます。
ぜひ一度、お家の猫が歩く様子をじっくり観察してみてください。
前足の跡に後ろ足がぴったり重なる瞬間を見つけることができれば、猫が今も野生の本能を受け継いでいることを実感できるはずです。
◻︎◻︎つだ動物病院 歩き方の変化も健康管理のバロメーターです
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